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2020年01月26日19:15

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その21 吉行日記

日常綴り。

日暮れの街を、痩せた背の高い男が、歩いてゆく。目的のない、ゆっくりとした足取りだが、どこか屈託の感じられる歩き方でもある。道の両側には、商店が軒を並べていて、音楽を街角まで流し出している店の前をしばしば通り過ぎることになる。

(吉行淳之介 唇と歯  冒頭より引用)

自分が気取った文章を書く時はなんとなく模倣というか文体模写。
ひどく影響を受けている作家である。
ね。かっこいいだろ。

第三の新人。
長谷川四郎(1909年生、戦後派とみなされることも)
小島信夫(1915年生)
島尾敏雄(1917年生、戦後派とみなされることも)
小沼丹(1918年生)
近藤啓太郎(1920年生)
安岡章太郎(1920年生)
阿川弘之(1920年生)
庄野潤三(1921年生)
遠藤周作(1923年生)
吉行淳之介(1924年生)
三浦朱門(1926年生)
曽野綾子(1931年生)

このあたりの作家は生誕100年を超えているわけですでに物故者。
いま手にしている集英社版とて1972年。48年前の本だ。

若い衆はピンとこないかもしれないかもだけどよ。
吉行先生の文章は行間に色気がある。
平易な言い回し。なにげない言葉のやりとりの中にすごく生々しい感覚がある。

まあ自分よりさらに35年も前の世代の方ゆえ、恐れ多いもははだしいのだが
「居住まいのいい男前」なんだな。

今夜は日曜日。
どうせ暇に決まっているので、これの読破と決め込もう。




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