掛巻も畏き極み 九二(くに)つ千(ち)の清(すが)の中なる大(おお)清(きよ)み、清みし中の、清らなる、清き真中の、よろこびの、其真中なる、御光の、そが御力ぞ、綾によし、十九(とこ)立(たち)まし、大(おお)九二(くに)の、十九(とこ)立大(たちおお)神(かみ)、十四九百(とよくも)ヌ、十四(トヨ)の大神、瀬織津の、ヒメの大神、速秋の、秋津ヒメ神、伊吹戸の、主の大神、速々(はやばや)の、佐須良ヒメ神、これやこの、太日月(ヒツキクニ)○＋、皇神(スメカミ)の、御前(みまえ)畏(かしこ)み、謹みてうなね突貫(つきぬ)き、白(まお)さまく、
ことの真言(マコト)を、伊行(いい)く水、流れ流れて、月速(つきはや)み、いつの程にや、この年の、冬も呉竹、一(ひ)と夜(よさ)の、梓の弓の、今とはや、明けなむ春の、立ちそめし、真玉(またま)新玉(あらたま)、よろこびの、神の稜(み)威(いづ)に、つらつらや、思い浮かべば、天地の、始めの時に、大御祖��(オオミオヤ)、九二十九(クニトコ)立(タチ)の、大神(オオカム)伊(イ)、三千年(みせとし)、またも三千年の、もまた三千年、浮きに瀬に、忍び堪えまし、波風の、その荒々し、渡津(ワタツ)見(ミ)の、塩の八百(やほ)路(じ)の、八汐路の、汐の八穂合い、洗われし、弧島の中の、籠(こも)らいし、籠り玉いて、畏くも、この世かまいし、大神の、時めぐり来て、一筋の、光の御代と、出でませし、めでたき日にぞ、今日の日は、御前畏み、御饌御酒を、ささげまつりて、海山(うみやま)野(ぬ)、種々(くさぐさ)珍(うづ)の、みつきもの、供えまつりて、かごぢもの、ひざ折り伏せて、大まつり、まつり仕えむ、まつらまく。生きとし生ける、まめびとの、ゆくりあらずも、犯しけむ、罪や穢れの、あらむおば、祓戸にます、祓戸の、大神達と相共に、ことはかりまし、かむ神直(なお)日(ひ)、大直(おおなお)日(ひ)にぞ、見伊(みい)直し、聞き直しまし、祓いまし、清め玉ひて、清々(すがすが)し、清(すが)の御民(みたみ)と、きこし召し、相(あい)諾(うべな)いて、玉えかし、玉われかしと、多米(ため)津(つ)もの、百取(ももとり)、さらに、百取の机の代(しろ)に、足らわして、横山の如(ごと)、波の如、伊盛(いもり)、栄ゆる、大神の、神の御前に。まつらまく、こいのみまつる、畏こみて、まつらく白す、弥つぎつぎに。
新玉の玉の御年の明け初(そ)めて罪もけがれも今はあらじな。
節分の祝詞であるぞ。太祝詞せよ。いよいよの年立ち初めたぞ。嬉し嬉しの御代来るぞ。（一月三十日、日月神。）諾う
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