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2019年12月15日14:21

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　〈狐〉が選んだ入門書山村　修

　〈狐〉が選んだ入門書

山村　修

ちくｍ新書

目次
はじめに

第一章　言葉の居ずまい

１　国語辞典に「黄金」を掘りあてるー武藤康史『国語辞典の名語釈』三省堂

ー語釈に目を丸くし、膝を叩く
〈昔からどうも国語辞典に弱いたちで、・・・。／語釈にやたらと感激してしまう。勝手に目を丸くしたり、腹を抱えたり、膝を叩いたりのしどおしであった。／そういうものをいろんな辞書からよりぬいて、、並べてみたかった。柴田宵曲の『古句を観る』のような搔き方にずっと憧れていた。〉

ー原節子の「んんん」

２　啓吾は日本語の肝どころー菊池康人『敬語』講談社学術文庫

ー「やくざに申し上げました」はなぜ変なのか

ー敬語のシステムを揺るがす未曾有の変化

３　奈良の都に交わされる声をさぐるー橋本進吉『古代国語の音韻について』岩波文庫

ー古代壁画の発見にも比肩する成果
　発音が違ったのだー。甲群と乙群とでは発音が違う。だから誤ることなく使い分けることができた。いまでこそ、おなじように「き」と読めても、古代には二種類の「き」があった。いや、それは現在から振り返ってみたときの言いかたで、正確には、もともと二つの音韻が、後代になって（奈良時代の末期以降）、だんだん一つの音韻にまとまっていった。「月」の「き」（紀などがつかわれた）と、「雪」の「き」（伎などがつかわれた）とは元来、べつの音で発生されていて、のちのおなじ音に統合された。
　古代の音韻の五十音図式
ア行ア　　イ　　　　　　　　ウ　　エ　　　　　　　　オ
カ行　　　　カ　　キ（甲）キ（乙）　ク　　ケ（甲）ケ（乙）　コ（甲）コ（乙）
サ行　　　　サ　　　　　　シ　　　　　　　ス　　　セ　　　　ソ（甲）ソ（乙）
タ行　　　　タ　　チ　　　　　　　　ツ　　　　　　テ　　　　ト（甲）ト（乙）
ナ行　　　　ナ　　ニ　　　　　　　　ヌ　　　　　　ネ　　　　ノ（甲）ノ（乙）
ハ行　　　　ハ　　ヒ（甲）ヒ（乙）　フ　　ヘ（甲）ヘ（乙）　ホ
マ行　　　　マ　　ミ（甲）ミ（乙）　ム　　メ（甲）メ（乙）　モ
ヤ行　　　　ヤ　　　　　　　　　　　ユ　　エ　　　　　　　　ヨ（甲）ヨ（乙）
ラ行　　　　ラ　　リ　　　　　　　　ル　　　　　　レ　　　　ロ（甲）ロ（乙）
ワ行　　　　ワ　　ヰ　　　　　　　　　　　　　　　エ　　　　ヲ

ー黒板を後にして

４　人生への問いと文章の書きかたー里見淳『文章の話』　岩波文庫

ー「文章以前」に力点をおく
（誕生点）
　上から下へとタテに引かれた三本の直線。一本は自分の生年。その右に父親の線、左に母親の線。そこにヨコの線。（吉野源三郞『君たちはどう生きるか』ー「人間分子の関係、網目の法則」ー全世界の人口だけの典雅より集まってできた線）三本の線の上下に点線（「原始人発生以来の時」）。だれの「誕生点」でも、そこに至るまでに、とほうもなく永い歴史の「毎時、毎分、毎秒が、津守重なってきていること」。時間軸ないし歴史軸をくわえてかんがえている。左右ばかりでなく、上下にも、「人と時との、無数の点のつながり」があり、それらの交差するところに「誕生点」があり、また自分の現在の「点」があるとかんがえている。

ー「自」をピョコンと出す
　「書きたいもの」、表現とは「書く」ことと。言い換えるとー例によって、ふたつをきっぱりわけるのは不可能なことにせよー、内容は「自」、表現は「他」。さらに言い換えると、内容は「みつ子の魂的なもの」、表現は「伝統」すなわち「昔からのしきたり」である。
　〈（「自」の「自」とは）一番しんの、「みつ子の魂」的な、「おもかじいっぱい！」的なもの、すなっわち、古今東西に、類とまねてのないもの、です。そういうものなら、どんな形で表現されても、立派でなかろうはずはないでしょう〉

５　切れば血とユーモアの噴き出る文章術ー堺利彦『文章速達法』講談社学術文庫

ー元祖『論文の書き方』

ー「編集」としての文章術
　もう順序だの関係だのはすべて打ち捨ててしまって、切れ切れの感想を二十項でも三十項でも、思い浮かぶ限り一つづつ紙に書き並べよ。つづいて、第一項に１と番号をふり、第二項以下を点検しながら、第一項に関連すると思われる項には全部１と番号をふる。これを第一類とする。あとはおなじように、第二類に属すると思われる項にはすべて２と番号をふり、第三類、第四類と順々に、３，４と番号をつける。そして同じ番号をふったものを集めて一箇所にまとめる。
　そこで、三十項の材料がもしも五つに分類されたなら、こんどはその五つの部類について順序を考える。ー「そうこうしているうちに大抵何とか大体の筋立ては出来るものである。」
　列挙する。並べ替える。削る。足す。組む。貼る。ーまさしく文章は編集である。

第二章　古典文芸の道しるべ

１　社会人に語りかける古典入門ー藤井貞和『古典の読み方』講談社学術文庫

ー「古文」から「古典」へ　
＊この著者の稟質(ひんしつ) ー「知的な広がりによって自分の好みの領域を変革することが古典文学を読む大きな目標である。」
　〈私は何といっても『徒然草』を第一に推す。何だ、『徒然草』か、と軽視してはいけない。二十歳台での『徒然草』の読書、三十歳台での『徒然草』の読書、四十歳台での『徒然草』の読書と、読書の受けとめ方が刻々と変わってゆく〉
　〈これは読者の年齢が高いほど読みが深い、ということを必ずしも意味しない。ここがだいじなことだが、いずれの年齢の場合にしても、以前に読んだときより、今回の方が読みが深くなる、ということだ。こうして古典文学は、二度読む、あるいは二度以上読むこと堕胎説だ、という重要な指針が導き出される〉

ー読むための知識や技術
　「き」と「けり」
＊「式部卿宮、明けむ年ぞ五十になり給ひける」
　「らし」
＊「春過ぎて夏来た屡らし白妙の衣乾したり天の香具山」
「物語の読み方」
＊上田秋成の『雨月物語』
　〈虫メガネでのぞきこむのは重要な鑑賞法で、文学が視野の外に消え、目の前が絵だけになる。虫メガネが周辺の光を集めるので、ぼおっと絵の中心が明るくなり、そのなかにはいりこむような感じになる。例えば「浅茅が宿」の荒廃した家の中に、われわれもあがりこんでみたような気分になる。（中略）「浅茅が宿」の絵は、荒廃した家のようすも格別ながら、何よりも焼けただれた松のたたずまいがすばらしい。すばらしいというか、恐怖だ、パックリと割けた、傾ける松が黒々と、それでも常緑をたたえている〉

２　古歌を読む分析的知性の強力さー萩原朔太郞選評『恋愛名歌集』新潮文庫
　＊詩歌というものは暗記すべきものだ。
　＊歌はからだで覚えなくてはいけない。

ー古歌の清新なポエジー
　＊古今集読人知らず
　ゆふぐれは蜘蛛の旗手に物ぞ思ふ天つ空なる人を恋うとて
〈夕暮れの空の彼方、遠く暮れかかるきゅうりゅうの地平の上に、旗のような夕焼け雲がたなびいている。悲しい落日の沈むところ、遠い山脈や幻想の都会を越えて自分の懐かしい恋人は住んでいる。のだ。（略）
　恋愛のこうした情緒を歌った詩としてこの一首の歌は最も完全に成功している。音律そのものが既によく、恋の郷愁の情緒に融けて、セロの黄昏曲を聴くような感じがする〉
　＊万葉集ー山部赤人
　〈あしびきの山にも野にも御猟人征矢手(みかりびとさつやて)ばさみ散乱(みだ)れたり見ゆ
　自然の風物を叙景する歌人として、山部赤人は万葉集中の第一人者である。（略）著者としての私見では、上掲の一首が特に優れて赤人の代表的名歌だと思われる。天皇狩猟の時の光景を歌ったもので、山野一面に遠く散動する猟人の群れが、雄大こうぼうの展望の中で動くように描かれている。宛として一幅の大パノラマである。実朝の歌「武士の矢並つくらふ小手の上に霰たばしる那須の篠原」の如き、これと類想であるが規模が遥かに小さい。けだし万葉叙景渦中の圧巻だろう〉

ー朔太郞のもつ分析的な知性
＊古今集
〈忘れ草なにをか種と思ひしは情(つれ)なき人の心なりけり〉
「忘れた罪は自分になく、無情な先方の側にあるという怨み言で、一寸した比喩は使っているが、比較的率直に恋の真情を歌っている」
＊「妹」「背」「君」から「人」への移り変わりが、単に語法のことのみではなく、歌の情操における何か大きな地殻変動をも示していることに気づかされる。

３　俳句を詠みふかめることのたのしさー髙浜虚子『俳句はかく解しかく味う』　新潮文庫

ー虚子、大音声の人
　「去年今年貫く棒の如きもの」　虚子

ー虚子、精妙なまなざしの人

　親鶏のひよこ遊ばす葵かな　　夏目成美

　水仙にたまる師走の埃かな　　几董
〈普通ならば夙くにもう花も変えて生けかえるべきものを、いつまでも水仙を生けたままでほうってあったものとすると、水仙の鉢とするよりも花生けとするほうがより多く適切なように考えられるのである〉

ー初歩を教え、大きく啓発する

　郭公(ほとｔぎす)大竹原を漏る月夜　　芭蕉
　まず、郭公で一度切って、郭公（鳴くや）、大竹原を漏る月夜、というふに読め。

４　現代詩をめぐる「楽しい遍歴」ー三好達治『詩を読む人のために』岩波文庫

　朝餉の箸をやすませて
　魚光る眺めてあれば
　なほさだかならねど　一日のうれひを感ず
　楽しきことを考えよ
　かく思ひ　愉しさにとりすがれども
　ちひさき魚は水に消え
　かなしみばかりしたしけれ
　　　　　　　　　　　　　　　　三好達治

ー調律師のごとき音感
『千曲川旅情の歌』　島﨑藤村

　小諸なる古城のほとり
　雲白し遊子悲しむ
　綠なす繁縷は萌えず
　若草もしくによしなし
　しろがねのふすまの岡部
　日に溶けて淡雪流る

ー「稚醇」をたのしむ

『室生犀星詩集』ー『忘春』

　いつの日に忘れしものならん
　納戸の小暗き掃きたりしに
　三株ばかりの球根の種
　隅よりころがり出でて
　もはや象牙のごとき芽をふきけり
　芽にちからあり
　指触れば水気ふくみゐて光る
　余りにしほらしく　土にうづめぬ

〈すらすらと醇雅に運ばないところに、かえってこの詩の念のとどいた実感が溢れていて、それが私どもには面白いのである。作者に従ってつむじ曲がりにこういうのではない。ただすなおに稚醇にあやかるのもまた読詩の一法だからである〉

５　読むことのうれしさにみちた近代小説案内ー窪田空穂『現代文の鑑賞と批評』　角川書店
＊いかに見なれたものでも、いざ鉛筆をもって素描しようとすると、それは必ずや、いままで知らないでいた相貌をあらわす。「意志して見ること」は、自分がすでに見ていて、よく知っていると思っていたものを著しく変換せずにはおかない。たとえば「親しい女友だちの鼻の形」も、意志して見るのでなければ、まったく知らずにいるのと同じである、とヴァレリーは少しばかりユーモアも交えて書いています。
ー未読への意志
（小説）
＊森鷗外『舞姫』
＊島﨑藤村『嵐』
＊国木田独歩『牛肉と馬鈴薯』
（短歌の革新）
＊落合直文・与謝野寬・正岡子規・佐佐木信綱・尾上柴舟・与謝野晶子

ー『舞姫』に生きる平安朝の文章
「石炭をば早や積み果てつ。中等室の卓(つくえ)のほとりはいと静にて、熾熱燈(しねつとう)の光の晴れがましくも徒なり。今宵は夜毎にここに集ひ来る骨牌(かるた)仲間も「ホテル」に宿りて、舟に残れるは余一人のみなれば」（舞姫書き出し）
＊「醇正を極めた」文章・「簡素と含蓄」・「言葉を惜しんでゐるところ」

〈平安朝の仮名文は、わが国の文章のうち、最も純粋なものである。漢文の影響の少ないものである。大体は、口語的発想に従ったものである。言ひかへれば、わが国のさまざまな文体のうち、最も欧文脈に近いものである。（略）鷗外が自身の文体の基本として平安朝の仮名文を捉へたのは、好尚にひかれたところもあったらうが、理としても当然のことといはなければならない〉
＊長きにわたる伝統の連鎖を断ち切って、まさにエポックを画したのが、『舞姫』の文体であった。
　平安朝の文章にならいつつ、その冗長さは「簡素」を特色とする漢文の造詣によって引きしめ、また欧文の「写実」をも取り入れる。つまり「和漢洋の調和といふことが微妙になされて、一家の文章となっている。」

第三章　歴史への着地

１　歴史への抑えに抑えた怒りーエルンスト・Ｈ・ゴンブリッチ『若い読者のための世界史』

ー歴史のつかみかた

ー文章の芯にあるもの

２　歴史的想像力の健さばきー岡田英弘『世界史の誕生ーモンゴルの発展と伝統』ちくま文庫

ー世界史をめぐる考えを掘り下げる

ー歴史のある文明と、歴史のない文明と

ー単一の世界史へ

３　ブルジュワの二面性を鮮明に照らすー遅塚忠窮『フランス革命ー歴史における劇薬』

ー「劇薬」の効果と副作用

ー革命を左右したブルジョワの二面性

４　「記者魂」の躍如としたジャパノロジーー内藤湖南『日本文化史研究』講談社学術文庫

ー独自さの光る史観
　「唐代の文化と天平文化」
〈（略）ある時代にある種類のものが非常に絶頂に達するまで発達した以上は、そのことについてはその以後の時代にはもうそれより以上に発達しないものではないか。それ以後の時代において発達するのは、その発達すべき種類が代わってくるのであって、その文化のレベルからいったら、ある時代に絶頂に達したものはそれぎりになるのではないかと考えるようになりました。〉

ージャーナリスト湖南の大胆不敵
「応仁の乱について」
〈だいたい今日の日本を知るために日本の歴史を研究するには、古代の歴史を研究する必要なほんんどありませぬ。それ以前のことは外国の歴史と同じくらいにしか感ぜられませぬが、応仁の乱以後のわれわれの真の身体骨肉に直接触れた歴史であって、コレを本当に知っておれば、それで日本歴史は十分だといっていいのであります。〉
〈（略）一條禅閤兼良が感じた下克上はそんな生温いものではありませぬ。世の中を一時に暗黒にしてしまおうというほどの時代を直接に見て感じた下克上であるから、それは単に足利の下に細川、細川の下に三好というふうに順々に下の者が跋扈していくというような、そんな生温いことを考えておったのではありませぬ。最下級の者があらゆる古来の秩序を破壊する、もっと烈しい現象を、もっともっと深刻に考えて下克上といったのであるが、このことにかぎらず、日本の歴史家は深刻なことを平凡に解釈することが歴史家の職務であるように考えているようです（笑い声起こる）〉

５　歴史の直接的な肌ざわりー中村稔『私の昭和史』

ー「歩行法」にも生きる昭和史

ー大空襲の翌日の電車
＊昭和二十年五月二十五日の東京大空襲の翌日。中村稔はひとり友人を誘い、駒場から大宮の自宅へ帰る。駒場から、井の頭線で渋谷へ、山手線は普通のため、渋谷から池袋までは線路沿いを歩き、池袋からは赤羽線で赤羽へ、そこで京浜東北線に乗り換えて大宮に出た。
〈いまになってみると大空襲の翌日、それだけの電車が運行されていたことは驚くべきことだ、と考える。そういえば、三月十日（一挙に十万人の命が失われた最大規模の空襲の日ー引用者注）に私が浅草へ行ったときも、戦前東京で唯一の地下鉄であった銀座線は運行されていた。戦時下だったからかもしれないが、当時の鉄道関係者の勤務ぶりは驚嘆に値した。鉄道関係者にも空襲の罹災者が多かったにちがいないし、鉄道の施設の被害も甚大だったにちがいない。それでも、そのように鉄道が運行されていたことは、いまではほとんど夢のように思われる。〉

第四章　思想史の組み立て

１　世相の向こうに「近代」の醜怪をさばくー金子光晴『絶望の精神史』講談社学術文庫

ー日本人の「熱病」

ー絶望の対極にあるもの

２　考えるべきことを考えよという指針ー田川建三『キリスト教思想への招待』

ードグマにあらがう放胆なスタイル

ー葡萄園での労働と「失業保険」

３　思想史からの伝言ー岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』

ー思想の芯を切り出す

ー思想から思想へ補助線を引く

４　本の「断片」を読みむかめるー内田義彦『社会認識の歩み』岩波新書

ーひとりの人間の成長と社会科学の歴史とを対応させる

ー本の「断片」が身につまされる

５　アラビア語とイスラームとの切っても切れぬ関係ー井筒俊彦『イスラーム生誕』中公文庫

ーはげしい現実主義の言語

ー神のアブド（奴隷）という語の強烈さ

第五章　美術のインパルス

１　たっぷりとゆたかな「小著」ー武者小路穰『改訂増補　日本美術史』

ーこれほどのことが書けるのか
武者小路穰は一九二一年生まれ、日本文化史を専門とする学者で、「むしゃこうじ・みのる」という表記でも、『物語による日本の歴史』（共著、学生社）、『絵師』『地方仏』『襖』（以上、法政大学出版局）などの著作があります。
　『日本美術史』は、まず一九六一年に刊行されました。ついで改訂増補版が出されたのが、一九七二年。いまなお日本美術のガイドブックとして定番ともされる一冊です。ロングセラーといわねばなりません。
　ともかく読みやすく、呑み込みやすい。縄文時代から現代ーといっても一九七○年あたりまでですがーにいたる日本美術史のおおよそを、手早くつかむことができる。
（略）とくに中世史研究における絵画史料の重要性などは、いまでこそ常識ですが、この本でも蒙古襲来絵詞や男衾三郞絵詞や絵師草子、そしてまた東北院職人歌合などを例に引き、それらが美術品としてだけでなく、「当時の生活・風俗を知る材料としてもだいじである」こと、「文字による史料では知ることのできない生きた記録である」ことが、きちんと書き留められています。ー「下級帰属であった絵師の生活」＝「絵師草子」

ー全史をひとりで見晴るかす自由さ

ー思いだすたびに読む

２　江戸絵画の見方をかえる異色の水先案内ー辻惟雄『奇想の系譜』ちくま学芸文庫

ー曾我蕭白とのショッキングな出会い

ー絵の奏でる「不協和音」

ー近世絵画をつらぬく「奇想」の流れ

３　画家の身にひそむ思想の筋力ー菊畑茂久馬『絵かきが語る近代美術』

ー「命と引きかえに」描く

ー美術史のランドマーク

４　「名画」という価値から解放された絵の見かたー若桒みどり『イメージを読む』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ちくま学芸文庫

ー語りの誘引力

ー「モナ・リザ」における水の秘密

ー「絵を見る」ということ

５　二十世紀絵画に「感覚の実現」を読むー前田英樹『絵画の二十世紀』ＮＨＫブックス

ー「こんな大きいメロンがあってね！」

ージャコメッテイによる肖像画の鼻はなぜ黒いのか

私と〈狐〉と読書生活とーあとがきにかえて

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