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2021年01月14日19:09

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月収100万円?ゲーム実況から衣替え? 陰謀論が大量拡散、YouTube動画の目的は

TwitterのドーシーCEO、トランプ氏のアカウント凍結について11連投ツイートで語る
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=32&from=diary&id=6376570
■月収100万円?ゲーム実況から衣替え? 陰謀論が大量拡散、YouTube動画の目的は

米大統領選をめぐり、大量の陰謀論や偽情報が拡散している。アメリカのみならず日本だけで広がっているものもあり、YouTube動画やまとめサイトなどが拡散に寄与している。広告収入が目的であることも否定できない。

米大統領選をめぐり、日本のトランプ氏支持者の間で、大量の陰謀論や偽情報が拡散している。

なかでも大きく広がっているのが、「トランプ氏が戒厳令を出し、裏切り者の大量逮捕が始まる。ペロシ下院議長は逮捕された」などとする情報だ。日本だけで特に広がっているものもあり、こうした拡散にはYouTube動画やまとめサイトが寄与している。

なかにはゲーム実況から陰謀論に「衣替え」したような発信者もおり、月100万円ほどの収益が発生している可能性もある。広告収入が目的であることも否定できない。いったい、何が起きているのか。上下連載でお伝えする。

           
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上【米大統領選の陰謀論、なぜか日本で大量拡散。「トランプ氏が戒厳令」「ペロシ逮捕」】の概要

トランプ氏がバイデン氏の当選を阻止するために行動を起こすという陰謀論は、アメリカのみならず日本でも広く拡散している。

1月11日までの数日間、ネット上で広がった情報をまとめると、以下のような内容になる。

「トランプ大統領が大統領令で戒厳令を出し、民主党のペロシ下院議長ら裏切り者が大量逮捕される。発令は緊急放送システムで伝えられるが、AppleがOSのアップデートで妨害するため自動アップデートをオフにする必要がある」

いずれも事実に基づかないか、誤っているか、根拠がはっきりしない情報だ。戒厳令は出ていないばかりか、緊急放送システムも用いられず、ペロシ議長は逮捕されずに12日の議会にも出席している。

このうち「戒厳令」について、BuzzFeed Newsがツイート件数の推移などを調べることのできるYahoo!リアルタイムで確認したところ、1月10日午後6時ごろに急増していることがわかる(上掲グラフ)。

「ペロシ逮捕」「緊急放送システム」でも同じ傾向で、この2つに関しては10日午前からツイートが急増している。結果として、日本のTwitter上では「ペロシ逮捕」「緊急放送システム」「逮捕開始」という言葉がそれぞれトレンド入りし、さらに情報は広がった。

Twitter上での拡散にYouTube動画やまとめサイト、インフルエンサーが乗じることで、波が形成されていることも明らかだ。

           
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「戒厳令」の拡散には、YouTube動画も寄与している。

計測ツール「BuzzSumo」で分析したところ、「戒厳令」が含まれるネット上のコンテンツの中でもっとも多くシェアされているのは、ニュースサイトのような名前のアカウントが配信した、以下の動画だった。

《【米大統領選挙】戒厳令 速報!ペロシ逮捕 & 特殊部隊PC押収について!ワシントン(NSA & アースアライアンス)からのメッセージ! 》

10日午後6時ごろに配信された動画では、男性の声でこのような「メッセージ」が呼びかけられている。

「以前から大統領令、戒厳令というワードが出ていたが、準備が整いました。日本時間の1月11日月曜日14時以降、戒厳令がいつでも発動できる状態になります。準備完了です。ただ、いつ発動するかはお伝えできません」

「さらにペロシ逮捕という情報が流れているが、憶測でも推測でもなく、あれは確定情報です。もうまもなく動き出します。11日から弾劾すると言っていたが、その前に逮捕されました」


この動画では「NSA」(アメリカ国家安全保障局) と「アーサーアライアンス」と呼ばれる組織の情報をソースとしているといい、先日の議事堂乱入事件も「ディープステートによる工作」と主張している。

ここでいうディープステートとは、極右勢力による陰謀論「Qアノン」が主張する「アメリカを影で操る組織」のことだとみられ、動画では男性が「(トランプ氏の)バックには人類を超越した存在がいる」などとも述べている。

ポリシー違反ですでに削除されているため、再生回数ははっきりしない。ただし、同じチャンネルの動画は数万回〜50万回以上再生されており、この動画もSNS上でも5500シェアされていることから、大きな影響力があったとみられる。

この動画について、BuzzFeed Newsが分析ツール「CrowdTangle」を用いて調べたところ、「ロハス」「自然派」をうたうフォロワー2万人超のインフルエンサーが拡散に寄与していたことが明らかになった。

なお、米軍制服組の最高機関、統合参謀本部は1月12日付で異例のメッセージを全軍に出した。

メッセージでは「我々は文民指導者の合法的な命令に従い、米国民と憲法を、国内外のあらゆる敵から守る」「1月20日、憲法手続きに従ってバイデン氏が我々の第46代総司令官(大統領)となる」としている。

米軍はあくまで国民と憲法を守るためにある存在で、憲法に従い大統領となるバイデン氏に従う、という内容だ。戒厳令などの可能性を否定していることになる。

「ペロシ逮捕」もYouTubeが発端に

           
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また、「戒厳令」についてはほかにも複数のYouTube動画が確認できる。

上記の動画に次いで3000シェアされているのは、元中国共産党員のジャーナリストとされる人物のもので、以下のようなタイトル。こちらは20万回以上再生されている。

《トランプ大統領、最後の決戦準備完了!! まもなく反乱法戒厳令を発布!/イタリア大統領を秘密裏に逮捕!NATOと対決画策?! #トランプ大統領反撃#戒厳令#反乱法》

なお、この人物のYouTubeでは1月10日午前11時ごろに「ナンシー・ペロシ民主党下院議長を “米軍が逮捕“の情報!!反国家罪で軍事裁判か」とする動画を配信している。

この動画はSNS上で1万3000以上シェアされており、日本国内で「ペロシ議長逮捕」とする情報が拡散する発端となっている。この情報の大本もパーラーの書き込みとみられる。

前提として、米軍に議員を逮捕する権限はない。また、米国の軍事裁判(軍法会議)の対象は米軍に所属する軍人や軍事作戦に従事する民間人などに限られ、下院議長を裁く権限はない。

つまり、この動画のタイトルのような「下院議長を米軍が逮捕して軍事裁判」という状況は、米国の法制度上、考えられない。

この「ペロシ逮捕」の動画は「日本を取り戻す」とするフォロワー6万人の匿名インフルエンサーが動画の拡散に寄与。さらに夕方のまとめサイトの記事公開(後述)により、拡散の波がきている。

「まとめサイト」がさらに拡散

           
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SNS上に端を発し、YouTube動画などを介して広がった「戒厳令」に関する情報は、「まとめサイト」によってさらに拡散した。

たとえば、まとめサイト「ツイッター速報」は1月11日朝に「トランプ大統領 戒厳令発令か 2021年1月11日14:00以降いつでも開始できる状態 大量逮捕開始」という記事を配信。

この記事は、上記で紹介したひとつ目のニュースサイトを名乗る動画を情報源としている、いわば「孫引き」の記事だが、3000いいねされるなど拡散。上掲グラフの11日正午ごろの「第二波」をつくったとみられる。

また、同様にふたつ目のジャーナリストによる動画を情報源とした「ペロシ逮捕」についても、まとめサイト「Share News Japan」が1月10日午後4時ごろに以下のタイトルで紹介。3000シェアされるなど、大きな波の形成に寄与した。

《ツイッターで『 ペロシ逮捕 』がトレンド入り → 元中国共産党員のジャーナリスト「米軍特殊部隊が逮捕。彼女は軍事裁判を待つ身となっている」》

こうして10日には「ペロシ逮捕」「緊急放送システム」が、また11日には「逮捕開始」がそれぞれTwitterのトレンド入りするまでに至ったのだ。

なお、発端となったYouTube動画のほかにも、ネット上のトレンドを紹介し、「戒●令の予告!」などとする動画もあった。これも、40万以上再生されている。このチャンネルでは「ペロシ逮捕」「緊急放送システム」についての動画も複数投稿しており、やはり数十万回再生されていた。

SNSで広がる噂やYouTube動画で話題になった情報が、インフルエンサーやまとめサイトによって拡散。Twitterのトレンド欄に載ることでさらに多くの人の目に止まり、「トレンド」の紹介として別のコンテンツを通じて広がるーー。

まるでネズミ講のような経路を通じて、陰謀論は広がっていった。結果として1月13日現在、アメリカで戒厳令は出ておらず、緊急放送システムは使われず、ペロシ議長も逮捕されていない。

しかし、陰謀論だけがいまだに一人歩きしている。

          
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こうした陰謀論などの拡散に寄与しているコンテンツの多くが、主要メディアの報道に懐疑的でこうした情報を信じてしまう人のアクセスを狙った収益目的である可能性は、否定できない。

YouTube動画は、チャンネル登録者数など一定の条件を満たせば収益化できる。紹介したまとめサイトにもバナー広告が多数表示されている。

また、ユーザーによって多く検索されるキーワードを先回りして検索エンジンの上位表示を狙って広告収入を稼ぐ狙いがある「トレンドブログ」でも、関連するキーワードで複数の存在が確認された。

これは、まったくの誤情報をニュースサイトのように配信することで広告収入を稼ぐ、いわゆる「フェイクニュースサイト」の収益構造と同じだ。

まとめサイトやトレンドブログに関しては、SNSでの拡散を狙うことで、中堅サイトでも月収100万円の広告収入を得ているということが、BuzzFeed Newsの取材でもわかっている。

今回の拡散に寄与したまとめサイトは、これまでたびたび疑義のある言説を広げているサイトでもある。たびたびTwitterのトレンド上位に食い込むこともあり、一定程度の収益をあげているものとみられる。

YouTubeはどうか。再生回数あたりの広告単価は明らかではないが、分析計測ツール「NoxInfluencer」を用いると推定収益が確認できる。

「戒厳令」動画を掲載したチャンネルは、月間の推定収益が「118.69万円 - 375.86万円」と算定された。 動画のガイドライン違反による収益化の制限などは勘案されていないため実際の数値は不明だが、やはりこちらも、一定程度の収益をあげていると言えるだろう。

なお、このチャンネルは、以前はゲーム実況をしていたが、米大統領選前後から陰謀論などの発信に「衣替え」している。それにより、ゲーム実況をしていた頃には1本あたり数百だった再生回数が、「衣替え」後は1本数十万規模に跳ね上がっている。

拡散に加担しないためには?

           
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こうした収益構造に加担しないためにも、また、陰謀論や疑義言説を広げる「ネズミ講」の一員にならないよう、注意が必要だ。

とはいえ、日本のネット上においては英語という言語の壁もあり、海外のこうした陰謀論などが広がりやすい土壌がある。

実際、今回の大統領選の投開票をめぐっても、同様の拡散が見られていた。バイデン氏の不正を疑うような疑義言説は、新興宗教系メディアやYouTube、まとめサイトなどを通じ、既存メディアを上回る力で日本のネット上で広く拡散したことが、BuzzFeed Newsの調べでわかっている。

Twitterは、議事堂襲撃事件に関連し、陰謀論「Qアノン」の拡散を続ける7万以上のアカウントを凍結した。

しかし、これらは英語のアカウントであり、日本語アカウントなどには対応していない。英BBC放送は「英語以外の言語では、Twitter社のポリシーに違反しても是正する機能が不十分だ」と指摘している。

また、YouTubeは、トランプ大統領のアカウントを一時凍結。日本で拡散していた「陰謀論」の動画もポリシー違反で削除した。しかし、多くは野放しになっているままだ。

現状は、ユーザー自身で真贋を見極めるしかない。どうすれば、拡散に加担しないで済むのか。

今回の陰謀論に関していえば、そもそも、アメリカ社会を根本から揺るがすようなハイレベルな政治判断が下されたり、政治家が逮捕されたりすれば、必ず主要メディアが報じるか、公的な情報が発出されることになる。

それが、報道の自由があり政府が国民に説明責任を負う近代民主国家の通常の姿だ。

メディアや多くの政府関係者の目につかないまま、国家の中枢に関わるような大がかりな「陰謀」が、ネット上だけ、ましてや日本だけで、大勢の人々の目に触れる状況で明らかになることは、あり得ない。

センセーショナルで根拠がはっきりしないあやしい情報や、公的なしいはそれに準ずる情報源が明確に提示されていない推測調の情報などを、反射的にクリック、拡散しないことが大切だ。


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by Kota Hatachi
籏智 広太 BuzzFeed News Reporter, Japan



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