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2020年03月28日18:38

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「真面目にやっている先生ほどバカを見るんです」過労死ライン超えが常態化……学校教員という“ブラック労働”

高校の教諭が校内で飲酒運転
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「真面目にやっている先生ほどバカを見るんです」過労死ライン超えが常態化……学校教員という“ブラック労働”

           
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 「うちの子のことは放ったらかしですね。よく道を踏み外さずに生きているなと」

 東京都の公立小学校で教員をしている松原葵さん(仮名、40代)は、そう言って苦笑した。穏やかでよく通る声は、いかにも日々児童を相手にしている先生という印象だ。ただ、子どもたちに囲まれたその日常には、やはり小学生である自身の子と向き合う余裕はない。

  松原さんの平日の勤務時間は、午前8時から午後10時。警備の都合上切り上げざるを得ないだけで、残った仕事をこなすために休日出勤することも多い。勤務校は決して特殊な事情のある学校ではなく、むしろ落ち着いた地域にあると捉えられているにも関わらず、だ。

 ベテラン教師の休職も増えている

 なぜそんなに忙しいのか。

「先生が子どもの成長全般を請け負わないといけないからです。学校に登校してこない子がいたら電話をして迎えに行き、地域でトラブルが起きたと通報があれば駆けつける。国は英語とかプログラミング教育とかどんどん仕事を増やすし、長時間クレームを言うような保護者もクラスに1人は必ずいる。あちこちから飛んでくる要求をすべて受け止めて管理して、真面目にやっている先生ほどバカを見るのが、学校というシステムなんです」

 激務によって若手の同僚2人が病気休職しているが、他校を見渡すと「カリスマ先生のようなベテランの病休も増えている」と松原さんは指摘する。
 こうした教員の状況は、松原さんの周囲に限った話ではない。

 平均値で“過労死ライン”を超えている

 2016年実施の教員勤務実態調査によると、月当たりの平均の時間外勤務は、小学校で約74時間(土日勤務を加えると約83時間)、中学校で約98時間(同約125時間)。平均値でも、過労死ラインである1ヶ月あたりの時間外勤務80時間を超えている。教員の精神疾患による病気休職はこの10年以上、毎年5000人前後で高止まりしている。

 そして「ブラック労働」のイメージが浸透した結果、教員の志願者が減っている。

 2019年度の公立小学校教員採用試験の倍率は、全国平均で2.8倍と過去最低に。教育現場では教員の質を担保できるボーダーラインは3倍と言われてきたが、1倍台の自治体も複数あった。これまで病休などで開いた穴を埋めてきた非正規教員も枯渇しており、教員の未配置により授業が行えない事例も各地で出てきている。

 教員がブラック労働化するほど、教員のなり手が減り、今いる教員も病んでいき、人手不足でさらにブラック化し……という悪循環に陥っているのが、現在の公教育の実情なのだ。

 このままでは学校から先生がいなくなる!?

 近年は文科省や自治体により、教員の事務作業を補助する「スクール・サポート・スタッフ」が配置される学校も増えてきた。だが、前出の松原さんは「日々圧倒的に時間を取られるのは学習指導なので、事務作業をちょっと軽減してもらっても意味がない」と指摘する。

「それよりも1クラスの人数を減らすために、先生の数を増やしてくれる方がいいです」

 教員の増員こそ悪循環を断ち切る解決策、というのは教育現場の多数を占める声だ。しかし解決策が見えていても、政治が動かなければ、実現することはできない。

「文藝春秋」4月号および「文藝春秋digital」に掲載の「 ルポ『学校荒廃』――先生がいなくなる日 」では現役教員や病に倒れた元非正規教員、教員養成大学などの証言から教員をとりまく現状をあぶりだす一方で、悪循環を断とうとする校長や識者の奮闘を紹介する。

 これまで教育関係者でもなければ「先生がいなくなる日」を恐れることはなかったかもしれない。しかしこの状況を放置し、教員のなり手がいなくなれば、公教育は崩壊する。子どもたちの教育を受ける権利を保障できなくなるだけでなく、国力の低下や、絶望的な格差社会にもつながる。これは教員だけの問題ではない。この国の未来に関わる話なのだ。


※記事元:秋山 千佳/文藝春秋 2020年4月号


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