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2020年05月21日16:05

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20歳の恋 ❤ その後どうなったの?

ライバル同士となった彼女と私。
表向きは今までと変わりなく普通に会話しアルバイトに精を出していた。
仕事が終わりプライベートな時間になると支配人を含めた数名の従業員とお酒を呑んだり時にはドライブに行ったりと毎晩交流を深めていた。
支配人は恐らく私達の気持ちに気がついていたかと思うが、今までと変わりなく平等に接してくれていたので平穏が保たれていた。

しかし、ある晩のことである。少し呑んだ支配人が
『 俺とドライブ行く人?』と、言い出した。
気のせいだったかもしれないが、彼は私の方を向きながら私を誘っている様に聞こえたのだ。あせあせ
彼はこの時カケに出たのかな?
普段は穏やかな人なのにハンドルを持った途端、人格が変わるスピード狂で私は怖くてシートにしがみついていたこともあった。
まして、その晩はアルコールが少し入っていた、とてもドライブ行きたい!なんて言えるわけがない。
ところが彼女は
『 はーい!私 行きたい!』
私を含めた他3人は『 ハッー!げっそり表情(青ざめ)

そして2人はドライブに出かけて行った。

私は部屋に戻り横にはなってはいたが、一睡もできなかった。
彼女が部屋に戻ったのは朝方だった様に記憶している。

翌日から、あきらかに彼女の支配人に対する態度が違う様になっていた。
一緒に皆で食べたり飲んだりする時も彼女は必ず彼のそばに座る。
夜も部屋を抜け出し中々戻らないことが、度々あった。
もう、この時期になると彼女と私は、あまり口をきかない仲になっていたが他の2人がさり気なく気づかってくれ何とか4人のチームワークが保たれていた。

アルバイト最終日の晩、オーナー夫妻も顔を出してくれて、簡単な送別会を開いてくれた。
『 とても真面目に良く働いてくれて感謝している。若い女子学生が来てくれたからホテルの中も華やいで他の従業員も楽しんでいたようだ。この〇君(支配人)は私達の息子の様な者、誰かこの人のお嫁さんになってくれる人がいたら、こんなに嬉しいことはないのだけど?よろしくお願いします』
オーナーから、このような内容の挨拶があった様に思う。
翌日、私達はホテルを後にした。

そして夏休みも終わり学生生活が再開したが彼女との交流はほとんどなくなって行った。
夏休み前まで、あんなに仲が良かったのに
どちらからともなく連絡を取り合うことを避ける様になっていた。
それでも何度か私達4人とホテルの従業員とで食事会や飲み会を企画して交流を続けていた。
その年の冬、今度はスケートに行かないかとのお誘い!
またまた彼に会えると思い、前の晩から胸が高鳴っていた私。
彼女は当日、大きな荷物を持って現れた。
何!その荷物!なんて言われながら大事そうに抱えて集合場所に向かった。
久しぶりのスケート!大丈夫かな?心配しながらスケート靴を履いていると、
なんと!なんと!彼女が持っていた袋から取り出した物とは!セーターとマフラー!それを彼に手渡したのだ。
彼は早速、そのセーターとマフラーを身につけ彼女と連れ立って滑り始めたではないか。
彼女は長野の出身で子供の頃からスケートをやっているので、とても上手い。
そして手先の器用な人で編み物得意!お裁縫得意!お料理も学生のクセにセンスある物を作る!
2人が仲良く滑る光景を見ながら、私がいくら頑張っても勝ち目はないな!と悟った瞬間である。
その後から彼女達は2人だけの交際に進展しグループでの交流はなくなった。

それから卒業時期を迎え彼女は彼の働いている地元に就職し、私とは離れ離れとなった。卒業と同時に結婚をしたと後から人づてに聞いたが結婚式の招待状は来なかった。

疎遠になって全く連絡も取り合っていなかったある日、私の実家に彼女から手紙が届いていると母から連絡があった。
すぐに現住所に手紙を送って貰い、その分厚い彼女からの手紙を読んだ。
彼に胃がんが見つかり手術をした、今は何とか元気になって自宅でリハビリ中。もう少ししたら職場復帰予定、もし都合がついたら遊びに来てくれないか?彼も会いたがっている。
こんな趣旨の手紙であった。
私は動揺した、どうしたら良いか?
と、悩んだ。彼が私に会いたいなんて言うわけがない。男は妻にそんなことを言うわけがない。
彼女も私も看護師である。この時、私は多分、彼は長く生きられないんだろうな!と悟った。
彼女の手紙には詳しい病状について、一言も触れられていなかったが、全てがわかった。元気なうちに、一目会えたらと彼女の優しい計らいだったと思う。
その頃、私は子育てと仕事に追われる多忙な日々を送っていた。

私は全く気がつかないフリをして
『 お久しぶり!元気そうね
でも〇さん元気になって良かったね。
そうだね!今、私も忙しくて、そのうち暇見つけて、また連絡するよ!〇さんに頑張ってと、伝えてね』こんな感じの手紙を書いた。

それから半年後、彼が亡くなったと連絡が来た。49歳の若さだった。
私はお花代として少しばかりの香典を送り、お葬式も行かなかった。

今でもこの時、どうすれば良かったのか?正直わからない。

彼女とは、それから年賀状のやり取りをする様になり、ここ2〜3年前からは、たまにLINEで連絡する様な仲になった。
彼女は娘さん2人授かり、可愛い孫達と交流を楽しんでいる。





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