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2020年01月28日21:24

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アンタの家はゾンビでも飼ってるのか?あ?

うちの親父は海の近くで育ったからか、魚が大好物でしてね、特に鰹に目がなく、スーパーで半額になるまで鰹の前に辛抱強く待っており、何気なく後ろに立ったどこかの婆さんに「俺の後ろに立つんじゃねえだ!」とゴルゴ13の主人公、デューク東郷の如く制していました。


セリフのかっこよさに反して風貌はただのハゲ散らかした小男、いやよく考えるとセリフも全然カッコよくない。鰹の刺身を奪われぬように婆さんを制した時、ゴルゴ松本の持ちネタ、命みたいなポーズしてたからね。どんだけ命かけてるかってことですよ。


結局、臆さぬ婆さんと鰹の刺身を醜く奪い合っている始末です。危うく婆さんを殺しそうになったとかほざいてましたからね。何に命かけてんだか。



さて、僕が小学生の時、夕食時に、母親が「たまには子供の好きなものを…」ということでこしらえてくれたハンバーグを見たときに
「こんなもんは人間の食い物じゃねぇっだ!肉なんか食えねっだ!カツオはどこだ?馬鹿もん」と、どこの波平だよみたいに叫んでました。波平みたいなハゲ方してるくせにこのセリフ。これには母親ガチギレですよ。



大体、この親父はカツオの血合いを2日かけて煮込むという、生命の禁忌に挑戦する中世の錬金術師みたいな真似をしてましたからね。死臭っすよ、マジ死臭。妹はゾンビの匂いだとか言ってました。



もう最後の方はこの世のものではない赤黒いどこかのAV男優のぺ○ス色の悪臭漂うスープになっている始末。人間の食いもんじゃないのはまさにこっちの方です。



そのスープを飲んだ後の親父の口臭はまさにアンタ、キン肉マンに出てくるブロッケンJrの毒ガス攻撃よりひどいですよ。鼻が冥界に持ってかれたかと錯覚するほど。飼い犬でさえ鼻を無茶苦茶擦ってましたからね。可哀相に。




さて、母親が「アンタには金輪際、食卓に魚を出さない。お小遣いも減らす。大体アンタは臭い。濡れた犬の匂いがする。そう言えばアンタは財産持ってるって言ってだまして結婚した。大体アンタの服の臭いは、、(以下略)」という事実上の死刑宣言およびルーティンdisりがスターティンし始める始末ですよ。ガチ沈殿しょんぼり丸の親父は、大の大人のくせに号泣しながらハンバーグを食ってました。



っていうか、爺さんの葬式でも、棺桶に眠る爺さんの顔を見て「鼻に綿がつまってるだ!」と気狂いのように笑っていた親父が、この時ばかりは天を仰いで「だれか助けてくださーい」とばかりに、まるで世界の中心でオロローン、オロローンって泣くんですよ。



その光景は、まるで長編ドラえもんシリーズ「のび太の大魔境」に登場する敵、オロロン岩の叫びの如しですよ。そんな泣き方をする大の大人がどこにいますか。尊厳もへったくれもない。



さて、こんな出来事があってから三十年経ったついこの前「焼肉が食べてえっだ」と親父から催促の電話がありました。あれだけ肉を食う奴はバーバリアンだとか鬼畜米英だとかさわいでた割にすごいこと言ってた。このセリフをバックトゥザ・フューチャーに出てくるデロリアン号に乗って当時の親父に聞かせたいもんです。



さて、バックトゥーザ・フューチャーに出てくるマッドサイエンティストのドクのようなハゲ方をしている息子と、芸人の三浦マイルドそのもののハゲ方をしている親父は、早速ご飯おかわり自由の焼肉屋にデロリアン号よろしく、ボロい軽自動車で乗り込みましたよ。




ええ、ご存知の通りとんだ赤っ恥かきました。この焼肉屋では麦飯がおかわりできるのですが、親父が何と6杯もおかわりしてですね、最後の1杯の時点で店員に「もう麦ご飯は炊かないとありません」と、「おまえに食わせる飯はねえ!」チックなことを言われましたからね。

最後の1杯は付け合わせのキムチの残り汁をかけて獣のように貪ってました。いつの、そしてどこの食糧難の世界ですか。おそらく店員からは「あのツイン禿げ共帰らねえかな、死なねえかな」とか悪口叩かれてたと容易に想像できます。チクショウめが!


この後、親父は腹痛を起こしたらしく僕に「うんこが止まらねえだ、水みたいなのがシャーって出るの。あ、また出る」みたいな不愉快極まりないトイレでの実況中継電話をかましてきましたが、今日はここまで。




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