今から一年ぐらい前のとある休日に、実家に帰って親父とテレビを見ていた時のことです。ひょっこりはんという芸人が登場した時に、親父転げ回って大爆笑ですよ。
まるではぐれヌーを見つけたハイエナ、もしくは頭のイカれた明石家さんまみたいな嬌声を出して笑っていました。あえて文字で表すなら「ファーヲ!!ファーヲ!!クカカ、コキキ、apapapapa」みたいな感じ。笑いすぎて最後はあの世に召されるんじゃねーか的な呼吸してた。
親父に何がそんなに面白いのか聞いたら、「頭にtinkoがついてる!」とまた爆笑。「まるでお前の股間みてえだな」と息子の息子をいじるのも忘れない。それを聞いた息子は、皮かぶりじゃなく、おかんむりでしたよ。
「あれだったら、オラにもできっだ。」と親父は居間からドロンして、なにやらガサゴソ準備をしていました。100%こういう時はロクなことをしない。
しばらくして、親父お気に入りの髭を生やした、いかつい天狗のお面を被って、玄関をうろちょろしている姿がこちらから見えました。
まーた、始まったと思いつつシカトしてると、微かな声で「あのtinkoヘッドの奴の名前なんだっけ」とつぶやいてました。どうやらひょっこりはんの名前を忘れているようです。まあいつものことです。通常運転ですよ。
しばらくして、やっと思い出したらしく、僕にジャガーポーズをしながら飛びかかってきて
「ガオー!もっこりはんだよ♪」
とミッキーマウスばりに高い声でほざいていました。
何ですか、このクリーチャーは。もういろいろ突っ込みどころが多くて、どうしていいかわからない。一応突っ込んどくと、
一点目。そもそももっこりはんって誰だよ。そんな奴実際にいたら放送禁止レベル。
二点目、「ガオー」なんてひょっこりはんは一言も言ってないにも関わらず、ジャガーポーズを決めている姿。アンタはゴールを決めた元サンフレッチェ広島の浅野拓磨か。僕が祝福に駆け寄るとでも思ってんですか。
三点目、覗き見するどころか飛びかかってきたところ。もうこれについては言及の仕様がない。
僕の反応があまりにも薄かったせいか、小首を傾げまくってました。
冷静に観察すると、天狗の面with上半身裸、ラクダの股引をもっ◯りさせている姿で首を傾げまくってる姿はまさしくホラー。天狗の顔が怖いところがより拍車をかけています。パプアニューギニアの首借り族のシャーマンでももう少しマシな格好をすると思う。
僕が以上の点を指摘しましたが、途中で聞き飽きた上に不満に思ったらしく、あからさまにふてくされた態度を取りつつ、いい加減に頷きながら、そっぽを向いて天狗の鼻を一生懸命こすっていました。まるでいかりやさんに怒られている志村さんが演じる小学生のような有様。
この親父、70歳という古希をとうに過ぎているのですが、普通70過ぎたら、いや過ぎなくても老人って落ち着くもんじゃないですか。仕事を辞めて暇になったせいか、ますますパワフルな気狂いになっているような気がします。
そういえば、60歳の還暦のお祝いをした時に、「おい、鬼太郎!」とか言いながら赤いちゃんちゃんこをそこら中にぶん投げていましたからね。
そもそも、ちゃんちゃんこは本来鬼太郎が使うものですが、キャラ設定もへったくれもなく、何故か目玉のおやじになりきっているという馬鹿さ加減を炸裂させていました。
というか、本人は目玉のおやじの声をただ出したかったらしいというのがどうやら真相だったようです。今回、ミッキーマウスみたいな声を出したのも合点がいきます。
この後、ひょっこりはんのことはどうでもよくなったらしく、「天狗とお前のどちらが強いか決闘しようぜ」と頭のサイドギャザーがぶっ壊れて脳味噌だだ漏れじゃねえかみたいなことを言っていましたが、今回はここまで。
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