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2019年09月16日21:33

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ポーリーヌ・レアージュ「O嬢の物語」

「O嬢の物語」

私は O嬢の物語が好きなんです
とても  衝撃をうけたのを 
おぼえています


1954年、パリで発表された
エロティック文学の傑作です。
原題は「Histoire d'O」。
作者名のポーリーヌ・レアージュという
女流作家は実在せず、
未だに正体が明かされていなかったのですが
ドミニック・オーリ女史であったことが
彼女の死後、
ようやく明らかになったそうです。



「O嬢の物語」   

〜 あらすじ 〜

パリに住む、マドモアゼルO嬢は、
ある日、恋人のルネに
公園に連れ出されます。
公園の一角の街路の隅に
止まっているタクシーに
誘われるままに乗り込むO嬢。
自動車の中で所持品を奪われ、
目隠しをされた彼女が
車を降りたのは謎の大きな城館の前でした。

案内された部屋には
18世紀の小間使いのような
コスチュームを着た二人の若い女性がいて、
O嬢は入浴と化粧を施されます。

この館の女性たちは皆、
アイシャドーと濃い口紅を塗り、
皮の腕輪と首輪を身につけ、
コルセットやふんわりした大きなスカート、
という独特の服装。
男性たちは紫色の長いガウンを羽織り、
ベルトには皮紐の鞭を差して
歩きまわっています。

この館の女たちは男性に対して絶対服従。
男たちが望めば、否応なしに鞭で打たれ、
何人もの男たちに陵辱されるのも、
じっと受け入れなければなりません。
こんな館に連れてきたのは
O嬢と愛し合っているルネ。
彼もまた、この館の謎の男たちのメンバーであり、
O嬢を愛しているからこそ、
ここに連れて来たのです。

「前から君に淫売をさせてみたかった。」

O嬢はルネに従属するものであり、
ルネの所有物であるO嬢は
彼のいかなる要求にも
応じなければいけません。
この館にいる限り、
O嬢は館の男たちの共有物であり、
ルネが見ている前でも、
男たちに身をまかせなくてはなりません。
ルネを深く愛しているO嬢。
ルネもまた自分を愛している、と
実感しているからこそ、
O嬢はあっさり拘束状態を受け入れ、
自分自身を放棄していきます。

しかし、O嬢がこの城館を去る日が
突然やって来ました。
この館で過ごした女性はその証として、
鉄の指輪を与えられます。
一般社会でこの指輪の秘密を
知る男性に出会ったら、
進んで彼の思いどおりにされなさい、
と申し渡され、
O嬢はルネと一緒に車に乗り、
館をあとにします。
この城館は小さな村落にありました。
道路標識に書かれた村の名はロワッシー。

住み慣れたアパートに戻ったO嬢は再び、
愛するルネとの共同生活を再開します。
実はファッション・フォトグラファーであるO嬢
仕事復帰を果たしますが、
以前の彼女とは明らかに何かが違っていました。
ある日、O嬢はルネに 
ある男性と引き合わされることになります。
ルネより10歳ぐらい年上のイギリス人男性、
ステファン卿。
血は繋がっていないけれど、
兄弟同然のように育ったステファン卿を
ルネは敬愛しており、
自分の恋人であるO嬢をステファン卿と
共有しようと考えていたのです。
ステファン卿に喜んで欲しいから
自分が最も慈しんでいるものを差し出し、
献上しようとしているルネ。
二人に従属することをステファン卿とルネに
半ば強引に承諾させられたO嬢ですが、
次第に自分の心がルネからステファン卿に
支配されていくのを認めます。

カメラマンであるO嬢はロシア系の
売れっ子モデル、ジャクリーヌは
絶対にルネとステファン卿の気に入るに違いない、
と踏んで彼女の写真を差し出します。
そのせいで「ジャクリーヌを
ロワッシーに連れ出すためにうまく誘い込め」と
ステファン卿から思わぬミッションが
課せられてしまいます。
可愛いジャクリーヌを騙し、
あんな恐ろしいところへ連れ出すなんて、
いくらステファン卿の命令でも、
行動を起こすのが憚られてしまいます。

躊躇し、プロジェクトが進まないでいたある日、
O嬢はステファン卿に再び呼び出され、
彼と同年代のマダムを紹介されました。
彼女の名はアンヌ・マリー。
実はとんでもないオバサンで、ステファン卿は
なんとO嬢に自分のイニシャルの入った重い鉄輪を
O嬢の両脚の間に装着させ、
お尻に焼き印を刻むために
アンヌ・マリーの家に送り込んだのです。

しかし、O嬢は何の抵抗もなく
受け入れてしまうのです。
「お前の体はもう自分の物ではない」と
何度も調教され、
拘束されることに
喜びを見出してしまった彼女は
愛するステファン卿のイニシャル、
それも一生消すことができない烙印を喜んで
自分の身体に刻みつけるのです...。

そしてラストのフクロウの仮面を被せられ、
鎖でつながれて夜の舞踏会に出かけ、
見せ物にされる驚愕の場面。

O嬢はもはや人間ではなく、オブジェとして、
完全に人格を奪われてしまいます。
自由奔放だった一人のパリジェンヌが
ある男性と出会ったことにより、
その肉体を傷つけられ、性器を封鎖され、
最後には人間性までも奪われてしまいます。

実は最後の章は削除されていて、
別の本で描かれる最後の章では
O嬢は再びロワッシーに帰り、
ステファン卿に捨てられるのです。
愛する男に捨てられることに絶望したO嬢は
最後ステファン卿の許可を得て、
自殺してしまうのです。


この結末はとても 哀しくて切ないラストです
私は とても衝撃を受け 
M女としての影響を深く与えられた作品です







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