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2021年06月12日02:44

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半径5メートル 第三部

第7号「ワンオペ狂騒曲」
迂闊なことにぼくは今日まで「ワンオペ」という言葉を知らなかった。ワン・オペとはワン・オペレーション。一人作業のこと。種種雑多な仕事を同時に受け持ち独りでこなすことを指すのだそうだ。今回話題になっているのは「ワンオペ育児」。共働きでありながら、母親の方が仕事と育児の両方を受け持たされること。今回の主役はマスミンこと藤川ますみ(山田真歩)。それまで気配すら見せていなかったのだが、彼女も私生活で大変な思いをしているらしい。
再起不能レベル。宝子さんが形容した、山辺の今である。いまも社会的バッシングが続いている。よく精神的に持ちこたえていると思う。やはりそこは、自分の取材に絶対間違いはないのだという確信があるからなのだろう。自分の落ち度ではないのだから。
それはともかく、フーミンの今回は同業カップルの取材である。将棋プロの夫婦の将棋の夢の話をしていたが、将棋の夢は将棋に夢中になったことのあるひとなら誰でも見る。ぼくも夢に将棋の盤面が出てきたこともあれば、新しい詰将棋のアイディアを夢で思いついたこともある(一時期、詰将棋を作るのにハマったことがあったのだ)。フィギュアスケートの話が出てきたが、フィギュアスケートのカップルで思い出すのは、思いきり例が古いが、アイスダンスのジェーン・トービル&クリストファー・ディーン組。完璧な演技をするので有名な二人で、熱烈な恋人同士だったことを思い出す。練習中に思いあまってキスしてしまうこともあり、その決定的場面をカメラマンに盗撮されていたこともあった。
美術評論家青葉美砂子先生(阿川佐和子)の原稿をマスミンが引き受けることになったのだが、作家付き編集者すらちゃんと勤め上げることもできないマスミン。マスミンらしくないが、それには彼女ののっぴきならない家庭の事情というものがあった。
藤川ますみと娘あかりのことがテーマのひとつになっている。この娘の非行は親に「もっと私を見ていて!」と言いたいのだと思う。それはスマホも欲しいけれど、それだけじゃないんじゃないか。マスミンのワンオペのしわ寄せが、フーミンの仕事にも悪影響を及ぼし、同業カップルのネタの取材が思うように出来ていない、時には取材相手を怒らしてしまうこともあるし、行けるはずの取材に行けなかったりする。そのせいでフーミンはマスミンのフォローもできない自分に責任を感じている。が、マスミンのフォローするのが当たり前って、その理屈に異議を唱える宝子。そのフォロー、フーミンだけが引き受けなきゃならないって、誰が決めたの。
あかりちゃんが病院に運ばれた。ストレスからくる自家中毒。別名ケトン血性嘔吐症。食欲不振・悪心・嘔吐・腹痛などを訴える。軽症なら食事療法で対応できるが、脱水症状や食事が困難な場合は点滴療法が行われることもある。水分や糖質のもの(林檎果汁など、熱がある場合はアイスクリームなど)を与えるといいらしい。
マスミンがやっと、娘の異変について話してくれた。そんな大事なことをどうしていままで相談してくれなかったの? そうとわかったら二折班全員でフォローに廻ろう。一人では大変なフォローも、みんなでやれば大したことはない。
青葉美砂子先生の言っていた磁州窯の鉄斑も用意でき、表紙用の写真の撮影も滞りなく済んだ。結局あなたは皆さんにたすけてもらったわね。という先生の言葉に、マスミンが言った。私は先生のように完璧に仕事をすることができませんでした。その言葉尻を青葉先生は捉えた。完璧? 私のどこが完璧なの? そんなことは周りの者が言っているだけのことで、仮に完璧に見えたとして、私がその裏でどれほどの犠牲を払っているか考えてみたことある? 犠牲も払わずに成し遂げようなんて、私には甘えだとしか思えない。
あかりちゃんの急病によってこの娘の真意が見えた気がした。あかりちゃんはスマホをもてば、いつもママと一緒にいられる、ママとつながれると思ったのだ。きっと淋しかったのだろう。
ここんとこ宝子さんの挙動がおかしい。きょうもフーミンが帰宅すると、フーミンの部屋から宝子が出てきた。部屋に入ったら山辺が裸で、いま服を着ているところだった。何だそれは。このことで大人が思いつくことって一つしかない。ちゃんと説明してもらったが、「面白バイト体当たりレポート」。遠赤外線のパンツをはいて撮影し、体温の変化を測るだけで1時間2万円。何だそれは。ほかにも墓参りの代行、ジグソーパズルを残り1ピースまでやるとか、朗読ボーイとか。山辺君けっこう変なバイトやってる。宝子さんは感性のひと。人間が大人だし、人の気づきにくいことにも気づいて、いろいろなキャッチボールをしてくれる。ある意味魔女だ。
山辺の紹介で漫画家同士の夫婦を取材した。インタビューをフーミンはメモっているが、こういうところはボイスレコーダーを置いて取材するのではなかろうか。手帖にメモでは聞きとれなかった箇所はうやむやになってしまう。ボイスレコーダーなら幾度も聞き直せる。ドラマ「知らなくていいコト」で吉高由里子もそういう取材の仕方をしていたことを思い出す。
家事も育児も一人でこなし、それに仕事も完璧にやる、なんてことを、日頃、世間の女性たちは要求されている。その過酷さを思った。そこへ行くと、男は勝手なものだ。仕事だけやっていればいいんだから。ひとによりけりだけれど、中年期の女性の過度のストレスは、閉経や更年期障害との兼ね合いも相まって、うつ病、躁うつ病、統合失調症を発症してしまうリスクも抱えている。もしそうなったら、これらは一生ものの病気だ。家族もろともこの災厄に付き合わされることになる。逃げてはいられない。向き合わないと。男だって、仕事だけやっていればいいなんて寝言は通用しないのだ。
今回の脚本。山辺のことが腫れ物に触るようだと言いながら、ほとんど触れず、何か、とって付けたような場面を所々に貼りつけているだけにしている。中途半端に思えるが、どうなのだろう。それがフーミンへの宝子の「どん詰まってるね」というセリフに集約されている。
役者について。山田真歩。このひとは「シャーロック」のグレの印象が強いせいか、バタバタしていたり、苦悩する役柄が似合わない。どちらかと言えばクール系キャラがよく似合う。クールで仕事のできるタイプ。今回の苦悩するマスミンは、あまり板についていたとは言い難いむつかしさを感じた。ミスキャストっぽいというか、演出的に問題点があったのではないだろうか。今回。永作博美は脇役に過ぎなかったが、要所、要所の彼女の場面では、ここぞとばかりに光っていた。芳根京子も今回はストーリィテラーに廻ったが、各場面でスパイスのような辛味の効いた演技を披露して、おもしろかった。ドラマのアクセント的演技。ほんとうに今回目まぐるしく人が入れ替わり立ち代わり、目が回るような展開だった。この仕事、ジャーナリストというのは目が回るような、頭脳の回転を要求される仕事なのだ。スットボケてなどいられない。
フーミンの記事。毎回二折のメンバーが褒めるが、僕が思うに彼女は未だ人から褒められるような仕事はしていないと思う。文章を聴いていても、ものごとの上っ面を撫でているだけのような記事だし。「おでんおじさん」の記事はよかったが、あれ以降、人を感心させるような記事は書いていない。まだまだ。もっと、一皮も二皮も剝けなければ駄目だと思う。
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