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2020年11月30日11:04

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有邨架純の撮休(第5話・第6話)

第五話「ふた(横浜聡子演出)」
実は企画の段階から「おおっ」と思い、期待していたのが、この横浜聡子の作であった。
この話、要は「瓶詰のジャムの蓋が開かない」というだけの話である。これだけをタネに一本撮ってしまうんだから、やる方もやる方である。
最初は蓋開けを楽しんでいる風だった有村だが、叩こうがひねろうが、あっためようが一向に開かない。ジャムをくれた先輩女優が電話の相手。「よーさん」と言っているから、吉田羊さん?のような気がする。羊さんからもらったジャムなのだ。朝食に食べるつもりが、全然開かずランチタイムになってしまう。自棄になって外出。巷のひとに明けてもらおうと言うのだ。ヒマそうなコンビニを物色。とある地味そうなコンビニの、店員(なぜか外国人)に開けてもらおうとして、店の商品と勘違いされレジに打たれかけてしまったり、仕方なく公園へ行き、むかついて池に投げてしまったり、通りすがりの中学生に頼んだり。でも、こういう瓶詰って力任せに開けようとするより、ほんのちょっとしたタイミングかコツで開けられるもの。こどもたちの仲違いのとばっちりで落とした拍子に(なのか?)開いてしまった瓶。そのジャムを架純はどういう腹づもりでか、中学生にあげてしまう。
最初は一日の始まりの些事に過ぎなかったことが、やがてその日をやり過ごすための〈目的〉になってゆく。その過程を横浜聡子は丹念に撮っている。一日の目的が蓋開けになってしまっているので、中身を食べるところまでゆけず、開けてしまったことで、もう、何かをやり遂げた〈達成感〉だけでキャパオーバーになってしまい、中身を食べずにおしまいにしてしまうあたり、心理学の実験を見ているようで可笑しい。
作品の出来としてはイマイチ。というより、どこか期待が外れてしまった印象だが、何がいけなかったのだろう。一つ、気がつくのはこういうドラマにおける有村架純の演技力である。こういうドラマにこそ俳優の即興的才能が試されるのだと思う。言い換えれば、アドリブ力。横浜聡子も有村からそれを引き出したかったはずだ。もっと大胆な演技をしても、バチは当たらないと思うのだがどうだろう。突きぬけた演技。演出家自体が、いつも突きぬけた演出をしている人だけに、ちょっと悔しい。ドラマが不完全燃焼に終わってしまったようで惜しくてならない。

第六話「好きだから不安(今泉力哉演出)」
今回のゲストの徳永えり。有村と同じFLaMmeの女優で先輩である。主演を務めることもあるが、普段はもっぱら脇役で光る演技をしている。うまい女優さんである。このドラマでもゲストとして光る演技をしている。
本題に入る。この話での有村には恋人がいる。だが彼のところへ元カノの結婚式の招待状が来ていたことで雰囲気は一変する。
「有村架純の撮休」で2度目の登場となる今泉力哉だが、会話だけでストーリィが進んでゆく演出を行っている。その会話の重さが、他のドラマとは異なっている。こういう会話が深刻な方へ深刻な方へ進んでゆく演出法って、古くはイングマール・ベルイマンもスタンリー・キューブリックも得意にしていた。ちょっとそれを連想させるような話のこじれ方である。こういうドラマツルギー、演ずる方にももちろん負担がかかる。熱演を求められるのであって、ドラマに力を注ぎたいと思っている向上心のある俳優には、願ってもないドラマであろう。
この重苦しい空気が一本の電話によって、場所を変えて一転する。そこは彼の元カノ育子(徳永えり)が入院している病院。徳永えりの一歩引いた演技が印象的。ダイナミックレンジとでも言ったらいいか、徳永えりは普段から振り幅の大きい演技をする。有村の演技とはある意味対照的。育子が結局愛のキューピッド役を演ずることになるが、凝り固まった空気が、徳永の演技で徐々にほぐれてゆく。有村自身、今泉の脚本・演出に一目置いていたようだが、それもうなずける、見応えのあるドラマであった。
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