初心
高校を休みはじめて
はや９ヶ月目に入ろうとしていた
何もしないままに暮らすうち
それは18歳の 夏だったが
ノートになにかを�爐屬弔韻覘瓩海箸鬚呂犬瓩�
かたことの 言葉の羅列
意味はあって ないようなものを
ノートに ぶつけはじめた
何になるのでもない
誰に見せるのでもない ことばを
誰かの寸評を聞きたくなってひとに
この詩をみせたら
意味がわからないと 言われた
「意味がわからない」……そのひと言が
心に引っかかって腑に落ちない
ぼくは考えつづけた ずっとずっと
何十年も考えた
そして思った
意味に 意味があるだろうか
うろ覚えだが スイスの哲学者 アミエルは
�牋嫐�（説明）に詩はない�瓩函仝世辰�
咀嚼して 考えた
「意味に詩はない」というのは すなわち
説明になったら それはもう詩ではない
ということだ
とどのつまり ぼくのやりたいのは
言葉の核を取りだし
心の画布(ノート)に塗りつけること
自分の内なる ある種の
�狎，澆�った狂気�瓩鯢舛�たいのだ
何故(なにゆえ)狂気を描きたいか
それは狂気が 理に合わない精神の現象だからだ
辻褄(つじつま)があわない 意味がわからない
或いは妄想や誤謬に満ちた感じ方 考え方
そこには人間の精神の深層に斬り込む
ある意味�猯�け目�瓩�生ずるからだ
逆に言ってみれば
狂気をはらまないものは
常識や理屈で説明がつく
それらは退屈で
文学的感動に程遠い
つまりそれだけで謎解きが終了してしまって
この先の展開がない
ぼくが ほんとうに描きたいのは
「言葉にできない感動」だ
言葉にできない 感動を
敢えて言葉に表現し
読んでくれた ひとに
「言葉にできない感動」を
与えられたなら
ぼくの詩は
意義があったことにならないだろうか
ぼくは今 それを考えている。
指田悠志
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