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2019年10月24日01:47

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映画「三月のライオン」(映画鑑賞ノート)

原作を読んでいないのでわかっていることだけ書く。
原作・羽海野チカ。脚本・岩下悠子、渡部亮平、大友啓史。監督・大友啓史。主演神木隆之介。
大友啓史氏のことは知らなかったが、実力ある演出家だと思った。
主人公・桐山零(神木隆之介)の義理の姉(有村架純)との近親相姦のような関係が上手に描けている。有村架純の熱演は認めたい。
清原果耶。「あの娘だったのか」と思った。印象に残る演技をしていたのに、名前を知らなかったので、なあなあのうちに忘れてしまっていた。
映画について言えば、プロ棋士を真剣師の最たるもののように描いているのにはいささか抵抗を感じた。本物の棋士はぼくの見てきた限りでは、もっと礼儀正しい紳士である。
前篇ランキング(ABCDE):Bマイナス。

次は後篇。
清原果耶の比重の大きくなるのがこの後篇から。
いじめに関する描写はいい。できごとに真摯に向き合っている。制作者の誠意を感ずる。
この映画でも、存在感ないようであるのが高橋一生。このひとは、ゆくゆくは名優と呼ばれる器。
対局場で泣く棋士を初めて見た。棋士は侍である。侍が人前で泣いてはいけない。
対局の場面をもっとわかるように描写してほしかった。盤の一部ではなく、全体を映してほしかった。監修の先崎学八段をもっと頼ればよかったのだ。彼ならタイトル戦にふさわしい盤面を提示してくれたはずである.。この辺りの演出に関しては「聖の青春」の盤面描写の方がよっぽどすぐれている。あの映画では村山聖八段の天才ぶりが盤面から痛いほどよくわかった。実際の棋譜で描いていたせいだ。この「三月のライオン」では後藤九段が即詰みを逃したのだけはわかった。だがその辺りの勝負の綾の描き方が曖昧。そこを明確に描いてくれれば、もっと臨場感あふれる名場面になったはずである。ぼくにはそう思えてならない。
後篇ランキング:Bプラス。

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