「あいつ死んだんだよ。もう・・・この世にいないんだよ」
島田君のその言葉に、あすかは海の底に沈んでいくような錯覚を覚えました。
萩旅行の約束を、すっぽかされたままだと思い込んでいたあすかでしたが、
松本君の、肉体は焼かれ、
もう灰になってしまったことなど、想像もしていませんでした。
21歳の心優しき恋する乙女には、
愛人という、
日陰の花は辛すぎて、死にたくなる経験でした。
もう、愛人も、夜の仕事もきっぱり辞めて、
純粋な、恋愛結婚がしたい気持ちに変わってきたあすかは、
神秘的な真実を知りたい気持ちが強くなり、
白魔術と、タロット占い、手相占いなどに夢中になったり
、
哲学書を読みふける日々に心境が変わってゆきました☆彡
しかし、父親は相変わらず、悩みなどの相談にのれるような愛情を感じられず、
母親も、相変わらす、
いつもあすかを誰かと比べて、嘆いたり、プレッシャーを与え続け、自分のことで精一杯でした。
親と離れて暮らしたかった15歳の頃から、
あすかはいつも、家出をして独立することばかり考えていました。
松本君の死をきっかけに、
もう夜にドレスを着て働くことはしたくなく、
普通の仕事もしたくなく、
不倫の恋もしたくなくなっていました。
しかし、現実は
実家で家事手伝いをして、田舎暮らしをして過ごしていました。
両親との暮らしは、幼稚園の時から、
あすかは家出しなくてはならないように、切羽詰まった焦燥感に駆り立てる苦痛の暮らしでした。
自殺未遂も繰り返して、リストカットもしながら、
どうやってここから脱出するかをいつも考えていました。
ですが、
この家にいたら、食べる物にも、住む家にも困らないのです。
だけど、あすかは真実を見失っている両親と姉とは、もう家族であることをやめてしまうようなことばかり行動していたのでした。
この退屈で窮屈な田舎暮らしから、都会へ飛び立つにはどうしたらいいか・・・
などと、いつも脱出を考えながら、
気晴らしに、時々友人と会ったりして、道を拓く方法を常に考えていたのでした。
そんな
思案に暮れていた、ある雪の降る夕暮れに、
突然、
不思議な神秘体験をすることになったあすかは、
人生が好転し始める神秘体験をすることになるのでした☆彡
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