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2018年12月15日00:40

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化学療法中の40代の男性とのシーン

私が20代前半の頃の話し。化学療法中の40代の男性とのシーン。その人はクリーンルームで入院治療していた。気さくな人で話し好きな人だった。
クリーンルームなので最小限での出入りで、看護師が検温等で行くと「待ってました!」とばかりにいろんな話しをしてきた。
話し好きで冗談も言ったり笑ったり。時には、治療に対しての質問もあったり、真面目な一面も見せる時もあった。
ある日、いつものように検温で訪室し、いつものように話しをしていたら、突然ハグされ泣かれた。
「えっ!」 びっくりした!
いつも明るいAさんなのに。20代の若い私は初めどうしたらいいのか分からなかったが、「あまり人が来ない病室にただ1人で寂しい思いをしている。何より、病気に対して不安が強かったんだ」と思い、そのままハグされたまま時間を過ごした。
暫くして、「ごめんなさい。ありがとう」と、体を離した。「大丈夫です」と、何事もなかったように、いつものように検温して退室した。
何とも言えない体験をした。このような体験は後にも先にもこれだけ。私はその人が本当に辛かったんだと思った。40代といえば、仕事で中心となって頑張っている年齢。そんな人が20代の若僧の前で自分の惨めな姿を見せた事がそう思わせた。看護師は病気を治すお手伝いをするのが仕事だが、心のケアも必要なんだと痛感した。

※化学療法とは、抗がん剤を用いて癌を治療することを言う。抗がん剤には、癌細胞の増殖を抑えたり、再発や転移を防いだりする効果がある。手術治療や放射線治療が、癌に対する直接的・局所的な治療であるのに対し、化学療法では、より広い範囲に治療の効果が及ぶことが期待出来る。白血球や悪性リンパ腫など血液のがんに関する治療は化学療法が中心的な役割を果たす。

※クリーンルームとは、特別な空調設備を備えた部屋であり、主に化学療法や骨髄移植後の治療に使用される。化学療法や骨髄移植後の治療には、免疫を一時的に低下させる薬剤(抗がん剤やホルモン剤など)が使用されるため、細菌やウイルスなどへの抵抗が弱まり患者が感染症を引き起こす可能性が高まるため、これを防ぐためにクリーンルームを使用する。

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