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2020年09月25日21:15

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戦前生まれの男優と高度経済成長期に生まれた男優では全く貫禄が違う。

50歳を超えていると知って驚く男性有名人ランキング
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「これは裏を返すと、今の日本男性は若く見えるので貫禄が足りないということ。仲代達矢は「二百三高地」で乃木大将を「影武者」で武田信玄を演じているが、年齢まだ40代半ばだった。昔の男優はすごく貫禄があったということ。」 --- 50歳を超えていると知って驚く男性有名人ランキング

「つぶやき」で既に僕が書いたように、昭和30年代後半から昭和後期に生まれたという貧乏な時代の日本を知らない今の40代50代の男優には、何というか大物の男優の貫禄が全く感じられない。

戦前生まれの丹波哲郎、三船敏郎などは軍隊生活ですごいシゴキを経験してるし、仲代達矢も軍隊生活は経験してないが空襲は経験している。僕の父も昭和13年生まれで田舎育ちだから戦争でひどい目にはあってないが、父の父(僕のおじいさん)が8月15日の玉音放送を聞いて戦争に負けたことをすごく悔しがっていたのは覚えてるという。こういう戦前生まれの方々は、我々のように豊かで平和な日本しか知らないという、高度経済期からバブルの時期に生まれた今の30代から50代の日本人にはない貫禄と恐さがあった。

戦前生まれの俳優は豪快なエピソードもたくさんあって、勝新太郎がパンツに麻薬を隠し持っていたこと、また、六本木で酒を飲んでいると最終的には周りの人30人くらいに酒を奢って、それでまた借金を増やしたという話がある。それでも妻の中村玉緒は勝と別れることはなかった。

また、丹波哲郎はセリフを覚えないことで有名な俳優で、映画「二百三高地」で児玉大将を演じた時には、有名な第三軍司令部に児玉が乗り込んできて、仲代が演ずる乃木大将の代わりに第三軍の指揮を執るシーンがある。ここで丹波には砲兵陣地の変更と攻撃中も大砲を撃って歩兵を援護する命令を出すという、すごく長いセリフがある。その長セリフを丹波は全く覚えておらず、カメラの横に丹波のセリフを全部書いたカンニングペーパーが掲げられていて、自分が映ってない時にそれを見るというすごい技を使っている。

仲代の場合は黒澤監督の「乱」の撮影の時に、三の城での攻防戦で炎上している天守閣の中から、仲代の演ずる発狂した一文字秀虎が出てくるシーンがあるが、仲代は「できるだけ長い間城の中に籠って、黒澤監督をびっくりさせてやろう」と思い、本当に黒澤監督が「仲代さん、大丈夫かな?」と心配を始めるまで炎上する天守閣から出なかったという。


今の30代から50代の男優が、特に戦国武将、大日本帝国の軍人を演じても、どうしても強くて恐そうに見えないという致命的な欠点がある。やはり、第二次世界大戦を経験している戦前生まれの男優と比べると迫力と貫禄が感じられない。(苦笑)


写真左は黒澤映画の「用心棒」のポスター。三船敏郎と仲代達矢が描かれている。右は「沖縄決戦」のポスター。仲代達矢、小林桂樹、丹波哲郎が描かれてる。この時代の映画男優はみんな本物の侍と軍人に見える。


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