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2020年04月01日20:32

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ドイツ人の家族名には何か意味があることが多い


ドイツ人の家族名(姓名)というとどういう名前を連想するだろうか?ドイツ人の家族名には何らなの意味があることが多い。ドイツで一番多い名前は語尾が[~er]「〜する人」で終わる名前である。

わかりやすいようにサッカー選手で例をあげると、例えば、1990年に西ドイツは3度目のサッカーワールドカップ王者になったが、23人の選手と監督を合わせた24人のうち10人が[~er]「〜する人」の意味の名前である。イルクナー、ロイター、コーラー、アウゲンタラー、ヘスラー、フェラー、シュタイナー、メラー、プフリュグラー、ベッケンバウアーの10人。

もっと極端な例をあげると1970年代のドイツ年間最優秀選手のうち、71年と79年のフォクツ以外はゼーラー、ネッツアー、ベッケンバウアー、マイヤーの4人であり、8回も「~する人」という名前の選手が独占している。2010年代でもバイエルン・ミュンヘンとドイツ代表にはノイアー、シュヴァインシュタイガー、トマス・ミュラーという名選手がいるから、今でも「~する人」という名前の選手は多い。

また、[~mann]も「〜する人」という意味であり、[~ski]もポーランド系の名前ではあるが、(〜する人)の意味である。前者はサッカー選手だとクリンスマン、レーマン、第二次世界大戦の有名な軍人だとハルトマンなどがいる。後者はサッカー選手のリトバルスキー、ポドルスキーなどがその例である。また、僕の友達でヴァチンスキという人がいたが、彼は「家の家系図を中世まで遡ったけど、ずっとドイツのヘッセン(ドイツ北西部の街)在住だった。もし、東ヨーロッパから移住してきたとしたらそれ以前だろうね」と言っていた。

このヴァチンスキさんの例のように、ヨーロッパの場合は中世からかなり移住、混血が進んでいるので、ドイツ人だけど東ヨーロッパ系の名前だったり、ロシア人なのにゲルマン系の名前の人がけっこう多い。日露戦争の時の旅順要塞司令官のステッセルはドイツ系であり、戦後に小村寿太郎とポーツマス講和会議で交渉をしたウィッテはオランダ系である。このようにヨーロッパでは、「ドイツ系の名前だからドイツ人だ」と限られているわけではない。これは、日本でも中国大陸、朝鮮半島から日本に来て日本に帰化した人がけっこういるのと同じだろう。


それで、ドイツにけっこう多い家族名の意味を説明する。
Mueller(ミュラー)粉屋。
Schmidt(シュミット)Schmied鍛冶屋に由来している。第二次世界大戦の軍用機メーカーで有名なMesserschmitt(メッサーシュミット)は刀鍛冶の意味になる。
Schneider(シュナイダー)仕立て屋。
Fischer(フィッシャー)漁師。
Weber(ヴェーバー)織物屋。
Meyer(マイヤー)Meier(小作人)に由来している。
Wagner(ヴァグナー)Wagenbauer(馬車製造業者)に由来している。
Becker(ベッカー)パン屋。
Schulz(シュルツ)村長。
Hoffmann(ホフマン)農場所有者。

それで、ドイツ人もけっこう驚く珍しい意味の家族名が、有名な元サッカー選手のBeckenbauer(ベッケンバウアー)、Schweinsteiger(シュヴァインシュタイガー)である。Beckenは「池、プール」という意味なのでBeckenbauerは「プールを作る人」という意味になる。Schweinは「豚」という意味でSteigerは「上がる人」という意味だから、Schweinsteigerは「豚が上がる」という意味で、ちょっと冗談を入れると「豚もおだてりゃ木に登る」ということわざになる。だから、Schweinsteigerという名前を初めて聞いた時には笑ってしまった。

それ以外にもドイツ人の家族名でこういうジョークもできる。実際にドイツの女子バレーボール選手にSchlecht(シュレヒト)(悪い)という意味の家族名の人がいた。彼女はなんか可哀そうだと思った。なぜなら、色々とジョークのネタにされやすいからである。

A(女性のSchlechtさんの写真を見せながら)「彼女がSchlecht(シュレヒト)(悪い)」
B「なんで?そんなに悪い女なの?」
「違うよ。彼女の名前が悪いんだ」
「なんていう名前なの?そんなに悪い名前なのか?」
「違う、違う。彼女はMonik Schlecht(モニク・シュレヒト)という名前なんだ」
「なんだ、家族名がシュレヒトなのか」

このネタを言った時には、僕のドイツ人友達はだいたいが笑っていた。「ジャーマン・ジョーク」とでも言っておこうか。(笑)

今日はここまでで終えるが、ドイツ人の名前と家族名(姓名)についてはまたいつか日記に書こうと思う。


写真は2014年にブラジルワールドカップで、4度目の優勝を果たしたサッカードイツ代表。最近のドイツ代表はエジル、ケディラ、ボアテングなど移民の選手が増えており、[~er](〜する人)を意味するドイツ系の名前の選手が減っている。でも、移民の選手が多いのはドイツ代表だけでなくて他のヨーロッパの代表チームにもいえることなので、ヨーロッパでは移民を受け入れる政府が多いから時代の流れだろう。


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