ムンスター戦車博物館のフェイスブックページに、とても面白い写真がアップしてあった。左の写真がその面白い写真なのだが、3人の男女が写っていて、男が彼女と手を繋いで一緒に歩いているのに他のいい女を見ている。男には「戦車博物館の訪問者」と英語で字幕が書いてあり、いい女には「第二次世界大戦の戦車」と字幕で書いてある。そして、いい女を見ている彼氏を嫉妬に狂った表情で睨んでる彼女には、「博物館の他の戦車」と字幕で書いてある。ムンスター戦車博物館の実情をよく表現している風刺の写真だと思う。（爆笑）
ムンスター戦車博物館というのは、どういう経緯で建てられた戦車博物館なのかというと、僕はドイツ語で書いてある博物館公式のガイドブックを翻訳したからわかったのだが、この博物館は隣接するドイツ連邦軍戦車学校の教材として、ドイツ連邦政府からも公式にナチスドイツ時代の戦車、兵器、勲章を展示することを許されている。つまり、博物館はドイツ連邦軍の管轄下にあり、その教材として他の民間業者が作った博物館では認められないような、ナチスドイツ時代の�宜罎�ら�差罐院璽縫�スティガーまでの戦車の展示、さらに、ロンメル、グデーリアンの軍服、クルーゲ元帥の元帥杖、各種勲章という貴重品の展示も政府によって認めれている。
ムンスター戦車博物館に隣接するドイツ連邦軍戦車学校というのは、1935年にヒトラー総統を始めとするナチスドイツ政府首脳を招いて、ドイツ陸軍史上初めて電撃戦を演習した「実験的演習」が行われた後、このドイツ北部のリュネーブルガー草原にドイツ国防軍の戦車学校が作られた。そして、ドイツ軍マニアならご存じのように、第二次世界大戦末期にはこの戦車学校の教官たちを中心として、国防軍最強の機甲師団である「機甲教導師団」が編成されて、ノルマンディとバルジの戦いなどで大活躍をした。ドイツ最大の戦車博物館がリュネーブルガー草原のど真ん中という、極めてアクセスが悪い土地にあるのにはこういう理由がある。まあ、フランクフルト国際空港のすぐ近くにあって、アクセスも最高に便利なら、毎日、世界中から多くの客がおしかけて、ゆっくりとドイツ軍戦車と向き合う時間もないかもしれないけど。（苦笑）
それで、ドイツ連邦軍の管理下にある戦車博物館だから博物館内には、「博物館を訪れた子供たちへのアンケート」というのがあり、そこには、「あなたは将来、ドイツ連邦軍で勤務したいですか？」「ドイツ連邦軍の軍人はドイツ人のために何をしなければいかませんか？」「ドイツ連邦軍がEUで果たす役割は何だと思いますか？」などの質問が書いてあった。日本国内でいうと、陸上自衛隊広報センターの「りっくんランド」のようなものだろう。
ところが、実際、ムンスター戦車博物館を訪れる客のほとんどは、第二次世界大戦時代のナチスドイツ軍の戦車がお目当てなのは一目瞭然だろう。ムンスター戦車博物館には第二次世界大戦後の西ドイツ軍と東ドイツ軍の戦車も展示してあるのだが、僕はあまりレオパルド戦車、東ドイツ軍が使用したソ連製のT72戦車などにはあまり興味がない。理由はやはり実戦で使用されたことがほとんどないとか、ヴィットマン、カリウスのようにこれらの戦車に乗って活躍した英雄がいないことだろう。
このムンスター戦車博物館のように、第二次世界大戦で活躍した戦車をお目当てとして多くの観光客が軍事博物館を訪れるというのは、イギリスのボービントン、ロシアのクビンカ、アメリカのアバディーン戦車博物館にも当てはまるだろう。やはり、第二次世界大戦時が最後の華々しい戦車戦が行われて、戦記、戦争映画もたくさん残っているので、第二次世界大戦時の戦車がどこでも人気があるのは当然だろう。（笑）
左は日記内で説明した写真。真ん中は、ムンスター戦車博物館でも最も人気があるケーニクスティガー戦車。やはり、レオパルド2型よりもケーニクスティガーの方が人気があるだろうね。右はムンスター戦車博物館で開かれたRCタンクのイベントだが、若い女性と子供も観客の中にいるのがわかると思う。そして、やはり一番人気があるのは第二次世界大戦の戦車のRCである。（笑）
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