最近、色んなサイトを見ると平成生まれの人を中心に、ネオ右翼のような動きが日本に発生しつつあるようです。特に、12月23日は天皇誕生日、1月2日は皇居への一般参賀があったので、「天皇陛下万歳！」「大日本帝国万歳！」などと騒いでいる狂信、盲目的な右翼の輩が多いように僕には思えます。
それでは、昭和63年夏から昭和64年1月にかけて、昭和天皇が危篤になり、その後、お亡くなりになった時に、僕も含めて多くの日本の戦後生まれの若者がどう思ったのかを書いておきます。
昭和天皇が吐血をして病に伏したのは、昭和63年9月19日のことだった。そして、亡くなったのは翌年の1月7日のことだった。ウィキペディアによると、昭和天皇の重病に気を使って次のようなことが自粛、禁止されている。
• 昭和63年（1988年）の中日ドラゴンズのリーグ優勝ビールかけおよびパレードの自粛
• 昭和63年（1988年）の明治神宮野球大会中止
• 五木ひろしの結婚披露宴の中止（一般市民でも自粛・延期する人が続出）
• CM演出の「自粛」（井上陽水が出演した日産自動車セフィーロのCMで「みなさんお元気ですか?」の音声がカットされたことが有名）
• 全日本プロレス出場プロレスラー流血自粛（新日本プロレスは流血続行）
• 昭和63年（1988年）の「日本歌謡大賞」が中止
• テレビ番組（バラエティ番組の派手な演出など）の自粛
• 笑っていいとも!のオープニングテーマの自粛・差し替え
• ロート製薬のオープニングキャッチ自粛
• 伝統行事の中止・縮小
こんな状態だったから、多くの若者はウンザリしていた。特に天皇が亡くなって、テレビが追悼番組ばかりになった時は、レンタルビデオ店、ゲームセンターがものすごく繁盛した。天皇に全く興味のない戦後生まれの若者たちは、おじいさん、おばあさんが天皇追悼のテレビ番組を見る一方で、レンタルビデオで借りてきたビデオの映画、アニメなどを見ていたのだった。
僕は当時は大学生で、日本右翼思想家であり再軍備論者だったが、毎日、毎日、天皇の容態ばかりを時間を割いて報道するニュース番組には、他の若者と同じようにウンザリしていた。天皇が倒れてから1ヶ月ぐらいは、
「いよいよ、天皇が亡くなって激動の昭和が終わるのだな」
などとちょっと感傷じみた思いだったが、1ヶ月以上経っても亡くならないので、段々とウンザリしてイライラしてきた。
当時は銀行の東京本店に勤務していた父のアパートに住んでいたのだが、父も右翼思想だったのに、毎日、繰り返される天皇のご容態の報道にウンザリしていて、
「また、天皇のご容態か！天皇も死ぬか生き返るか、どっちかにしてくれねえかな？！こんなに自粛ムードが長引くと景気にも悪影響が出るし、職場の雰囲気も落ち込むんだよ！天皇が明日にでも死んでくれれば、それが一番いいニュースだな！」
などと、怒鳴って怒っていた。
断っておくが、僕の父は自民党支持者で再軍備論者だった。社民、共産などは大嫌いで、当然、日教組も大嫌いなので、学校の父兄参観には一度も来たことがなかった。そのような右翼思想の父までもが、景気に悪影響が出ることなどを心配して、天皇の長引く重病状態にイライラしていたのだった。現に、父の言ったように、天皇陛下が闘病中というので、大きな買い物、海外旅行などを控えるという日本人が当時はかなりいて、それが景気にも暗い影を落としていたようだった。
僕の友達で、大の天皇家ファンという奴がいて、
「天皇陛下の回復を願って、皇居にご記帳に行こう」
などと多くの友達を誘ったが、彼以外の学生は僕と同じように“自粛ムード”にウンザリしていたので、
「行くのなら、お前だけ行けば？俺たちは興味がないよ」
と言って断ったのだった。（苦笑）
そして、天皇が崩御してご大葬が終わった時には、多くの日本人の若者は、
「やれやれ、これで、自粛ムードも終わりか。これで、また、前と同じように普通の生活が送れるな。毎日、天皇の容態ばかりをニュースで報道することもなくなるな。バラエティ番組でバカなことも出来るな。お祭りでも盛大に騒げるな」
などと思って、ほっとしたのだった。
恐らく、天皇陛下が亡くなってものすごく悲しんでいたのは、日本の一部の年寄りだけだっただろう。ご大葬の日の様子はテレビで放送されて、その時は、僕は父と一緒に仙台の実家に帰っていたのだったが、大葬の様子は別に見たくなかったので、チャンネルを変えると母方のおばあさんに注意されたので、仕方なく少しだけ見たのだった。その時、父と母は苦笑いしていた。ちなみに、父は昭和13年生まれで、母は昭和15年生まれ。
大正生まれのおばあさんは、
「日本人にとって一番大事なのは、家族よりも天皇陛下に決まっている」
という考えの人だったので、大葬の様子をしみじみと見ていたのだった。でも、僕は少しだけ見ると隣のテレビでビデオで映画を見始めて、父も大葬を1時間ほど見ると隣の部屋に来て、一緒にビデオの映画を見始めた。そして、
「全く、明治、大正生まれの人達にはついていけないな」
と言って苦笑いしていた。
このようなことを書いた僕は、ひょっとしたら極右主義者から「非国民」扱いされるかもしれませんが、でも、昭和63年秋から翌年にかけてあったこと、さらに、当時の心境を思い出して書いてみると、だいたいこんな感じだったのは間違いないです。昭和天皇の病気の容体での自粛ムードに多くの若者はうんざりしてました。
来年、平成31年の5月に元号が変わるということで、来年の4月頃からはバラエティ番組、スポーツ放送番組が減って皇室行事関連報道番組、元号を変えることに関連する報道番組が多くなると思うけど、また、昭和天皇が亡くなった時みたいに多くの日本人はTV番組に嫌気が差して、レンタルDVDショップ、インターネット配信が増えるだろうね。特に「ネトウヨ」というのは時代に流される変節漢が多いから、真っ先に報道番組、特集番組から離れて「元号を変えるというだけで、皇室と政府関連の番組ばかりにするのはいい加減にしろ！」などと言い出すだろうね。（苦笑）
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