歩道を歩いてるとなんとなく横切る車の運転手に焦点が定まる時がある。
見ようとして見るわけでもなくたまたま目に入ったといった風に。
しかし一瞬の出来事なので特に記憶に残るわけでもなく取り留めもない場合がほとんどだ。
さきほど一台の車が道行く自分の脇を通過していった。
たまたまその車内に目がいった。
それはまるで野球でいうところの投げられた球をよく見てバットに当てたような感じかもしれない。
動体視力による動体記録。
運転手は女性だった。
片方の手は当然のごとくハンドルを握りもう片方の手ではパピコを口に運んでいた。
そして助手席には男性がいて
手には同じくパピコが握られていた。
容器の中は茶白い色でカフェオレ味と思われた。
正確にはコーヒー味かもしれない。
それは定かではない。
だってパピコなんてしばらく口にしてないし。
パピコに執着したことないし。
しかしこの時は視点が執着した。
興味がそそる光景だった。
パピコシェアしてるよ、
いいなァって思った。
それは食いしん坊目線では全くなく
カップルでパピコシェアって
いいなァって思ったんだ。
うまく説明できないけど、
半分コする光景が素敵に見えたのかもしれない。
これが廻し食いだったならば別段うらやましくともなんともなくかえってはなにつく光景だったに違いない。
そこには爽やかがあったからだ。
「これからどこ行くパピ?」
「どこ行こうパピか」
「じゃあ浮かんだら云ってくれパピ」
「了解プペ」
「プっ。なにか変化したパピよ」
「そうポペか?」
車内でこんな風に会話していたのならはなにつきすぎてクシャミをしていたに違いない。
俺もしたい、パピコシェア、!
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