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2019年01月23日08:05

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サードプレイス

オススメ388。"サードプレイスというのは、家庭と仕事の領域を越えた個々人の、定期的で自発的でインフォーマルな、お楽しみの集いのために場を提供する、様々な公共の場の総称である"1989年に発刊された本書は、都市生活における孤立への警鐘、そして人間中心の社交場の復活を提唱していて興味深い。

個人的には、ここ数年はいわゆる【場づくり】のイベントへの登壇やコミュニティスペースの相談を受ける事が多くなってきた中で、本書は【だったら!ちゃんと読んでおかなければ!】と以前から内心思いつつも【値段とページの分厚さ】に正直、敬遠気味であった中、今回、ようやく覚悟を決めて(笑)手にとりました。

さて、本書ではジェイコブズが【アメリカ大都市の死と生】(こちらも"まちづくり"関係者の間ではバイブル的な本ですね)で指摘した都市開発の問題点の後に続くかの様に、家庭や職場以外の楽しさを大切にした【誰にでも開かれた平等な場所】としての『第三の場所』の必要性をドイツのビアガーデンやイギリスのパブ、フランスのカフェ文化の変遷を紹介しながら"ややノスタルジックに"指摘しているのですが。随分と昔ですが。ドイツ、イギリス、フランスのそれぞれの場所を実際に私自身も訪れたことがある為、記憶に懐かしくも、あらためて新鮮な学びとなりました。

また、あくまで本書はアメリカ国内で起きている都市文化の問題点について著者は語ってはいるものの、理想的な都市を諦めて【理想的な家庭】の為に消費喚起を重視するばかりのショッピングセンターやコンビニなどをアメリカから輸入したわが国において起きている問題点とも当然ながら共通点は多々あり、やはり本書はスタバに習え!と【見かけだけオシャレで綺麗なサードプレイス】としてコミュニティスペースやコワーキングスペースが全国に乱立している今だからこそ"大切なのは内装や設備ではなく、あくまで昔から人間"である事を再確認する為に読むべき本だと感じました。

『まちづくり』や『まちおこし』などで場づくりに関わっている誰か、あるいは実際にこれからサードプレイスをコンセプトに何らかのスペースを始めようとしている誰かにオススメ。
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