カレーライスの唄

オススメ351。"憎むことの反対は、愛すること、許すこと、理解しあうこと、感謝することでしょう？世の中がみんな、非難し合うかわりに話し合い、憎むかわりに許し合えば、戦争なんて起らないと思うよ"1960年代に発刊された本書は平易な文体で戦禍からの再生を描いていて、幸せな気持ちにさせてくれる。

個人的には、カレーライスにも最近興味をもっていることから。本書を手にとったのですが。約550ページの内、400ページ位までは【男女やその家族、友人達の人間模様】を描いていて、一向にカレーライスの話にはなっていかないのに少々驚きました(笑)

一方で、そのおかげで？私にとっては最早想像するしかない【戦後から高度成長期】にかけての世相や街の描写が丁寧に描かれていて、何とも全体に漂うほのぼのさ、また登場人物全員がそれぞれに【シンプルな善意】を持って行動していることから【お決まりかつお約束】なハッピーエンディングになっても納得の清々しい気持ちにさせてくれます。(映画化された方も、ちょっと観てみたい)

戦後復興期の日本の様子を感じたい誰か、あるいはかっての日本にあった【支え合う家族、友人関係】に、ちょっと安堵したい憂鬱な月曜日通勤している誰かにオススメ。