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2021年03月23日16:58

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三村晴彦 天城越え (1983) (国立映画アーカイブ)

国立映画アーカイブ、特集、1980年代日本映画ー試行と新生、5本目。

Movie Walker https://moviewalker.jp/mv17095/

 Movie Walker のストーリーが、肝心な場所で違っているので、まず訂正を。
(どうしてここまで違うかな。原作やテレビドラマと混同されているのか)

「現場には九文半ほどの足跡があり、ハナの足も九文半だった」
 「現場」ではなく、犯人が一夜を過ごしたと思われる氷室のおがくずの上、です。
「結局、ハナは証拠不十分で釈放された」
 警察の過酷な取り調べにハナは自供。移送された先で肺炎を起こして死んだ、です。
 これはひどすぎる間違いでしょう。

 何と言っても、トイレに行かせず、時には殴りつけて、尋問を続ける
という警察の拷問に近い取り調べに、「人でなし」と田島刑事(渡瀬恒彦)をのの
知りながら、失禁してしまう田中裕子の熱演。これは仕掛けなしで演技されたとか。

 土工との濡れ場も大胆で、その一方で、少年には純粋で優しい。

 時間軸が、現代(平幹二朗と渡瀬恒彦)、ハナと少年の道行き、ハナが逮捕された
あと、とかなりこんがらがっているので、私も順番に自信がないのだが、少年が、
家を出たのは、愛する母と叔父との激しい情事を目撃したから、という設定の
ようだ。そして、思春期の少年特有の甘酸っぱい、そして性的で純粋なハナ
への憧れを抱き、そのハナが土工とやはり激しい情事に及んでいるところを見て
しまい、犯行に至る。

 原作(松本清張)には「母恋・純愛」という要素がないそうなのだが(by Wiki)
少なくとも映画的には、少年が残酷な犯行に及んだ動機、田島刑事が30年も
追い続けた動機は、母と母を汚した叔父を本当なら殺したかった、ということ
なのだろう。少年にとって、母に代わって、「女神」となった、酌婦のハナ。
そのハナと土工の激しい情事は、少年の思春期特有の凶暴な殺意を解き放って
しまったということか。

 前述したが、田中裕子が、気の強い、したたかな、それでいて、どこかに
脆さを抱えた、儚い美貌の酌婦を熱演。少年(伊藤洋一)との、雨の中の別れ
のシーンが美しい。

 それと、映画では、少年、つまり現代(映画時点)の小野寺建造は、胃ガン
に侵されているらしい。最後は、手術シーンで終わるが、手術中にその手から、
ハナにもらったマッチ箱が落ちる。おそらく主人公の死を暗示するのだろう。

 犯人が少年だろう、というのは、田島がわざわざ小野寺の印刷会社に、
捜査資料の印刷を頼んでくるところからわかってしまうので、やはりハナと
少年との偶然の道行が悲劇を生み、田中裕子の体当たりの熱演、雨の中、
護送されていくハナと少年との別れ、現代の小野寺と田島の対決、など
人間ドラマを味わう作品だと思う。
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