mixiユーザー(id:6645522)

2020年11月05日11:31

50 view

熊井啓 黒部の太陽 (1968) (国立映画アーカイブ)

 生誕100年、映画俳優 三船敏郎。9本目。ラストです。

 Movie Walker https://movie.walkerplus.com/mv22183/

 主な見所は、2014年に、新文芸坐で観た時の感想にまとめていて、
今回もほぼ同じなので、そちらに譲ります。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1922778297&owner_id=6645522

 三船敏郎の役柄は、昭和30年代の「建設業の企業戦士」
 日本の復興をかけ、巨大な自然に挑む、まさに現代の武士。
娘を白血病で奪われる、という個人的悲劇を越えて、黒部に太陽をもたらす
ために耐えて耐えて前進する姿は、昭和30年代、日本という国も、戦争の
打撃を越えて、力強く立ち上がる姿と重なる。日本にまだ「目標」とか
「理想」とかいうものが大きな意味を持っていた頃だ。

 巨大な自然が相手のスペクタクルな映画だから、まさに映画館でこそ
の作品であり、裕次郎の遺志で長年ソフト化されなかったというのも
頷ける。

 逆に言えば、テレビ画面で観て、感動できるような細やかな描写は
少ないということでもあり、私も家のテレビで観ようとは思えない。

 裕次郎ファンにはまことに申し訳ないのだが、せめて、裕次郎があと
10年、せめてあと5年、若かったら…とは前回観た時も思ったが、今回
も強く感じた。製作当時、裕次郎は32、3歳だと思うのだが、頬のあた
りがすでに中年なのである(^▽^;)裕次郎は裕次郎で、悪い意味でなく
「名優」とは言い難いので、とてもカッコ良い役柄である岩岡を演じる
には、ちょっと年齢がいきすぎた。

 豪華キャストの中で、短いが印象的だったのは、関電社長、大田垣を
演じた滝沢修。これは大田垣社長そのものが、スケールの大きな人物に
であったことによるのだろう。どことなく関西人らしい気の回し方を
見せるところが、なんだか懐かしかった。

 黛敏郎の黒部のテーマ曲も素晴らしく、それに合わせて大スクリーン
に広がる黒部の自然は、観客にも力を与えてくれるようだった。
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する