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2020年10月15日12:12

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谷口千吉 銀嶺の果て(1947) (国立映画アーカイブ)

 生誕100年、映画俳優 三船敏郎。1本め。

 開幕は、三船のデビュー作、「銀嶺の果て」
「新版」とあるので、公開当時のままなのかどうかは、残念ながらよくわから
なかった。

 Movie Walker https://movie.walkerplus.com/mv26696/

 北アルプスに逃げ込んだ、銀行強盗の3人組。逃亡の末、人里離れた小さな
山小屋にたどり着く。たどり着くまでに、仲間の一人高杉(小杉義男)は、
雪崩で命を落としていた。二人になった銀行強盗。リーダーの野尻(志村喬)は、その山小屋で暮らす、祖父(高堂国典)と、孫娘の春坊(若山セツ子)
の暖かいもてなし(特に、自分の娘の面影と重なる春坊の優しい心遣い)に、
触れて、徐々に人間的な真心を取り戻していく。凶悪な銀行ギャングから、
一人の人間へと変わっていくところが、志村喬の面目躍如である。
 部下の江島(三船敏郎)はそんな野尻を責め、ピストルの手入れを怠らず
何としてもにげのびる覚悟である。
 若い三船が、その長髪も相まって、すごいイケメン。もうデビュー作から
三船以外には出せない雰囲気をまとっている。
 野尻と江島は、同じ山小屋に投宿していた登山家の本田(河野秋武)を
脅迫し、山小屋からさらに奥の山越えルートを案内させ、逃亡を続けよう
とはかる。
 この山男の本田の平凡さというか、日常性、人間らしさが、強盗犯の
逃避行を左右することになる。野島と江尻が滑落した時、本田は、自分
の腕1本を犠牲にして、二人を救った。「ザイルでつながれた人間を見捨
てることは山男としてできない」彼にとっては、当然の行いなのだ。
 動けなくなった本田をどうするかを巡って、野島と江尻が争ううちに、
銃が暴発。本田の足にあたり、野尻と江島はまたも雪崖から転落して、
江島は命を落としてしまう。野尻を救ったのはやはり本田であった。
 野尻は、すでに追っ手がかかっていることを承知で、動けなくなった本田
を背負い、山小屋へと帰っていく。山を愛する本田がうわごとに言い続ける「Rosen Morgen」ー朝焼けに染まる山ー。野尻がまだ山小屋にいる
夜明けに、挟まれる1シーンなのだが、スクリーンいっぱいに山々と朝焼けが
広がりとても美しい。まさに山の映画である。
 一人捕らえられた野尻。春坊に見送られながら護送されていく。
 手錠をはめられた列車の車中で、野尻は、山を見せて欲しい、と刑事に
頼み、銀嶺に別れを告げるのであった。
 これも初の映画音楽である伊福部昭の音楽が、山の雄大さを描き出し、
なんだか見ているこちらまで、山の中にいるようだった。残念ながら、
私は海も山も知らない、都会暮らしのまま年を重ねてしまったが、
あの「Rosen Morgen」は見てみたかったなあ。
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