太田愛さんの新作「彼らは世界にはなればなれに立っている」の連載が、
カドブンノベルで開始。
https://kadobun.jp/novel/new-magazine.html
これまでの3作と新連載の書評はこちら。
https://kadobun.jp/feature/readings/6xnu4pwnypcs.html
これまでの社会派ミステリとは全く違う作風ですが、ウルトラシリーズ
で太田さんを知ったファンには、勝手知ったる太田ワールド。
豊かな叙情性と骨太な構成、それが両立されている太田愛さんの文章力
には、いつも驚かされる。雰囲気としては、主人公の少年期が回顧される
ところから、太田氏得意のジュブナイル「幻夏」に近い。
どこでもない「始まりの町」。主人公、トゥーレの母親がまず消える。
「始まりの町」の物語のさらに「始まり」で、世界を構築している段階
なので、わからないことだらけだが、それでも、切ない不安に満ちた、
短調の物語なのだろうという予感がする。最初、公にされているあらすじ
を読んだときは、「ウクバール」のような町かな、と思ったのですが、
それよりずっと「影の濃い」町のようだ。
まず思いついたのは「華氏451度」と「1984年」
決して、現実になってほしくない、未来の「町」
第1回はまさに謎が主人公の家に乗り込んできたところで終わる。
続きが本当に楽しみです。
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