午前10時の映画祭。印象はつぶやきにも投稿しましたが、やはり、
自分の記録としてもまとめておきたいと思います。
「日本のいちばん長い日」は、太平洋戦争を扱った映画の中では、
私にとってはとりわけ大事な映画で、「昭和の子」である私たちすべてが
この映画を伝えていかねばならない、と感じる映画でもあります。
毎年8月前後には必ず映画館で観る映画で、すでに5回以上はいろいろ
な特集上映や併映の組み合わせで、観ているので、過去日記の全てを
引用することはしませんが、阿南陸相の自決前の台詞を引用した
2018年の日記を。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1966910912&owner_id=6645522
観るたびに、新たな発見があり、考えさせられることの多い映画です
が、今回4Kデジタルリマスター版となり、記憶の中の映像と比較して、
白黒の白い部分が明るく、コントラストがはっきりしているので、
細かい部分がはっきり見える。
特に思ったのは、あの8月15日の暑さを語る、軍人たちの顔に
吹き出す汗の描写でした。特に土屋嘉夫さんの最初の登場シーン、
相対する東部軍の重鎮である森師団長(島田正吾)の額にうかぶ汗。
島田正吾の精悍でありながら、細やかな表情の変化。
「つぶやき」で印象を述べたように、明暗のコントラストは、
阿南陸相の自決シーンでも素晴らしい効果をあげています。
今回、内容について深く考えさせられたのは、青年将校(黒沢年男、
中丸忠雄、田中允、久保明)の判断の「甘さ」でした。
それは、追いつめられた青年たちの「純粋さ」が暴走したもの
なのか、それとも、人間はみなー洋の東西、宗教、人種、性別を
問わずー何かに心を奪われたときには、正常な判断力を失い、
自分に都合のいいものの見方、判断しか受け入れられなくなるのか…
玉音盤がみつからず、叛乱が失敗の色濃くなっても、彼らは
決して、自分たちの判断を疑おうとはしない。むしろ、より確固たる
妄信に陥っていく。
それは、客観的にみれば、畑中少佐が最後に聞かされた言葉のように、
「判断」という論理というより、「未練」という感情的なものに
他ならない。だからこそ、彼らは自分たちの「夢」を捨てきれなかった
のでしょう。その「未練」は立場やかたちは変わっても、我々の心の奥に
潜んでいる。
私たちは「昭和の子」。だから、令和のいまの時代にも忘れてはならない。
昔、戦争があったこと。300万の日本人が死んだこと。敵味方を
問わず、多くの犠牲があったこと。
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