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2019年06月12日13:28

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マイケル・ドハティ ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(船堀シネパル)

 公開から2週間、もともとこの日記を読んでくださる方は少ないし、
観るかたはもう見終わっていると思うので、ネタバレはなるべく少なくして
「ゴジラ キングオブモンスターズ」の感想をまとめておきたいと思います。

 まず、これだけ日本の「怪獣映画」へのリスペクトに満ちた映画を作って
くれたことは、日本の怪獣映画ファンとして、素直に感動し、感謝したいと
思います。

 エメリッヒ版は、どうみても「恐竜映画」だったのに対し、レジェンダリー
版は明らかに「怪獣」映画。日本の怪獣ヲタクおばさんの私からみても、
十分納得できる映画でした。しかも、あちこちに散りばめられる、私たちが
大切にしてきた日本の怪獣映画へのオマージュ。数え上げるときりがありま
せんが、最も大きく、かつ重要なのは、要の部分に伊福部音楽を使っている
ことでしょう。映画館に鳴り響くゴジラのテーマに合わせて雄飛するゴジラ。
やはりこれこそゴジラ映画でしょう。とはいえ…

 ここから先は、あくまで一個人の怪獣・特撮ファンとしての感想なので、
映画の評価とは直結しないことをあらかじめ申し上げておきます。

 「怪獣」映画であるからには、あくまで主人公は「怪獣」。

 その「怪獣」が魅力的でなければ始まりません。あくまで、私にとって、
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の「怪獣」たちは、残念ながら
魅力的には思えませんでした。

 これは完全に、私の「嗜好」によるもので、もともと意識はしていたの
ですが、私は、「怪獣」や「超人」を「生物」としてなまなましく描いたもの
は、生理的に受け入れがたいのです。レジェンダリー版第1作のムートー
もだめだったのですが、今度のゴジラは、第1作より活躍するだけに、
いかにも生物的な質感にあふれた表情や動きには、引きつけられるより前に
引いてしまいました(^_^; 特に、問題だったのは「モスラ」で…

 物語の中での「モスラ」はとてもいい役割が与えられていました。
怪獣王ゴジラに対する怪獣の女王。和解と平和、癒しの使者。

 でも、ヴィジュアルはそのまんま「おっきい蛾」

 ちょっと映画館のスクリーンで観るのは私にはきつかったです。他の怪獣
たちも同様。そういう意味では、キングギドラは宇宙怪獣なので、さほど
違和感なく見られました。要は、思い込みの問題なのでしょうね。

 さて、怪獣達があまり魅力的に見えない、となると、それにかわるものは
やはり私の場合、人間ドラマになります。「怪獣映画」に人間ドラマを
求めるのはもともと無理がある、ということを承知で書きますが、
「キングオブモンスターズ」の登場人物たちは、いかにもショボい(^_^;

 主人公(?)のマディソンのほかは、映画のスクリーンに映し出された
とき、観客に訴えかけ、視線を釘付けにするような存在感のある人物が
いない。なんだか、テーマ性を考えすぎたゆえか、やたらと暗い画面で、
雑多な人間がごちゃごちゃ動いているだけ、という印象でした。

 映画の主題としては、人類は地球環境を破壊する存在であり、地球を救う
ためにもともとの自然の守護者である怪獣たちをよみがえらせる試みがなさ
れ、結果的にゴジラが怪獣の王として地球の環境を見守る存在になる、とい
うことなのでしょうが、これって、どこかで聴いた覚えが(^_^;

 ウルトラマンガイアですね(爆)

 レジェンダリーのスタッフが平成ウルトラマンまでリスペクトしている
とは思えないので、偶然なのでしょうが、ウルトラマンガイアにおける、
「人類こそ地球環境を破壊するものではないのか」「地球怪獣も大切な
地球の住人である」そしてラストは、「地球怪獣と力をあわせて、宇宙から
の侵略をはねのけて地球を守る」しかもガイアのほうは、同じ主題を
テレビの30分枠とはいえ1年かけて、じっくり描いているのでーウルトラ
マンという存在の無力さも含めてー私には「キング・オブ・モンスターズ」
のほうが二番煎じに見え、エマ博士の涙ながらの告白もピンときません
でした。

 「キングオブモンスターズ」は日本や中国で興行収入がよく、北米では
いまひとつ、というのも暗すぎる画面や、やや哲学的な主題にあるのでは
ないかと思わせます。

 ちょっと否定的な感想の羅列になってしまいましたが…でも、本当に
エンドロールでゴジラのテーマとモスラの歌が流れたのは感動しました。
 ゴジラは本当に素晴らしいキャラクターです。
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