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2017年12月21日13:41

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仮面ライダー 平成ジェネレーションズファイナル ビルド&エグゼイド(ねたばれ少し)

 「仮面ライダー 平成ジェネレーションズファイナル」の感想を記すに
あたって、まず最初に言い訳しておきたいのは、私が、基本的に、ライダ
ー・戦隊とも、複数のライダー、戦隊が登場する物語をはっきり苦手だと
いうことだ。だからディケイドもゴーカイジャーも、はっきり言って嫌い。
 1年かけて、主人公たちが築いてきたライダーなり、戦隊なりの確かな
世界観が、私にとっては一番大切なもので、それが、他の作品と無理矢理
結合されることで、どうしても色あせてしまうからだ。だから、今回の作
品も、あくまでそういう視点にこだわるファンの意見として読んでいただ
きたい。

 さて、「仮面ライダー平成ジェネレーションズ ファイナル」最初にう
かんだ感想は…

 「いや〜、この脚本家さんたち(おそらく高橋さんか)、オーズ、大好きなのね」

 だった。もう、オーズに捧げられたリスペクトがはんぱなく、これって
ほんとにエグゼイド&ビルドの映画か?というくらい。オーズファンにと
っては忘れがたい、本編最終回の名シーンがまるっきり裏返しになって
丸々とりいれられている、という…これをやられると、オーズファンとし
ては、もともとの小林靖子にゃんの傑作をいやでも思い出して、とても
嬉しくなるとともに、やはりそこに「混じり物」も感じて複雑な思いがし
てしまう。

 「平成ジェネレーションズファイナル」全体についていえば、最初につ
ぶやいたように「とてもがんばっている映画」で、脚本も監督も、特撮も
スタッフの熱気をひしひしと感じる。

 物語はとても丁寧に、過去作品、エグゼイドの映画、現在進行形のビル
ドの進行、と矛盾がないよう、緊密に練り上げられており、はっきりと
「パラレルワールド」を道具に用いて、世界を結合している。また、過去
作品に関しては、特に「財団X」を登場させたことで、矛盾のないような
つながりを図っている。

 監督は上堀内佳寿也さん。エグゼイドのパラド回の斬新な演出で、ファ
ンの眼をひいた注目新人監督だ。アクションだけでなく、登場人物の心の
ひだに迫る演出は、大画面でもいかんなく発揮されていた。

 この物語のもう1本の柱は、「龍我がなぜ仮面ライダーとして戦うのか、
その理由をさぐる物語」で一貫していて、それを表現するのに上堀内さんの
演出はぴったりだったと言えよう。

 映画の大画面を生かした終盤の巨大特撮(あえて詳細は伏せます)も、
見所があり、非常に凝った作りだった。

 上のように、見所やよい点も多々ありながら、全体としての印象は、
残念ながら、「やはり散漫。やや退屈。長いよ!」

 特に、子供たちには、物語の世界が緊密で、「パラレルワールド」という
わかりにくい概念が先行しているだけにかえってついていけなかったようで
、私と一緒の回にいた子供たち(残念ながら4人だけ(^_^; )は、
はっきり「つまらない!」と、反応していた。

 私自身が「散漫」と感じた理由は、最初に述べた複数ライダーへの拒否感。
それと、フォーゼの福士蒼太がはっきり苦手。鎧武とゴーストもライダーと
しては、あまり好きではなく、彼らが登場する部分では緊張感がもてなかっ
たこと。

 しかし、おそらく最大の理由は「敵役ー最上 魁星ーが魅力的でない」こと
だろう。

 ライダーが複数登場する映画は、それらの結束感をだすためにも、敵役が
特に魅力的であることが必要だと思うのだが、私は、大槻ケンヂさん、ダメ
でした。

 物語が現実感を追求しているわりに、カイザーの存在感が、悪の野心家、
としても、マッドサイエンティストとしても、あまり現実感がない。
 この「現実感のなさ」は、常々、「ビルド」の本編にも感じているところ
なので、武藤さんの持ち味なのかもしれない。キャラクターとしては、おも
しろくて魅力的なのに、なぜか現実感がなくて、まさに「作り物」のドラマ
を見ている感じにさせられる。ビルドは登場人物が成長してきて、ようやく
そういう印象が薄れてきたのだが、1時間半の映画では、観客をひきつける
だけの魅力がない。だから、あまり、その「悪」が恐怖や緊迫感を感じさせ
ない。

 それにつけても、「仮面ライダーエターナル」=松岡充という悪役は素晴
らしかったなあ、と再確認。

 映画としては、スタッフの熱意が感じられるいい映画ではあったし、オー
ズコンビを大画面で観られた、というのは1800円の価値はありましたが
、私自身は「傑作」とは言いかねます。それでも、なるべく多くの人には
観ていただきたいです。
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