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2017年12月08日20:02

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侍戦隊シンケンジャーの魅力(20)ー第21話「親子熊」

第21話「親子熊(おやこぐま)」

番組公式サイト 東映 http://www.toei.co.jp/tv/shinken/
第21話 あらすじ http://www.toei.co.jp/tv/shinken/story/1189020_1569.html

脚本:小林靖子 監督:加藤弘之

 21話冒頭。20話末尾をうけて、ディケイドに烏賊折神を盗まれて
しまった源太があちこち探し回っている。そこに仮面ライダーそっくり
の奇妙なあやかしまで現れた。そのあやかしは全身のスリットが
「隙き間」になっていてそこから名無したちが出現する。
 太鼓の音が響き、現れる志葉の幕、旗差し。それを持っているのは
いつもの黒子たちだが、その中に妙にふてくされた感じの黒子が一人。
しかもその胸にはカメラが…
 シンケンジャーの登場。いつもの五人名乗りのあと、名無したちと
戦闘になる。
 いつのまにか妙なあやかしは姿を消しており、名無したちを殲滅した
シンケンジャーたちは、レッドの指示のもと、周囲を調べるため散って
いく。
 黒子たちも引き上げていくが、カメラをもった黒子だけが、カメラを
いじってぐずぐずしている。覆いをひきあげると、現れたのは、仮面
ライダーディケイド=門矢 士の顔だった。
ナレーション「このおかしな黒子は何者?気になるそのお話はまた後ほど
として本日もうひとつ気になるお話はこちら」
 三途の川。六門船に登ってくるあやかし・ササマタゲ。ススコダマ以外
誰もいない六門船に拍子抜け。けれど、あやかしも力がみなぎる夏の季節
。かまわずこの世に出陣していくー
(アバン終わり)

 戦隊シリーズには、(家族戦隊をのぞき)戦士の家族が登場する「家族回」
のお約束がある。『非公認戦隊アキバレンジャー』で名付けられたように、
「親上京回」(いっこうに連絡してこない子供に業を煮やして、親が様子を
見に来たり、見合い話をもってきたりする話)が多いのだが、シンケンジャ
ーはそもそも、「一子相伝」の家系、というのが重要な役割を果たす話
なので、「家族回」は多い。丈留と彦馬の話も家族回といえるし(5話
「兜折神」など)流ノ介には家族回はないが、親子劇は1話で書き込まれ
ているし、その他のメンバーにも、彦馬にも話が準備されている。
(余談だが、「アキバレンジャー」1期の、親上京回である第5話
「イタイタ☆イエローママ」は、親上京回として屈指の名作である。機会が
あれば、ぜひ観ていただきたい。脚本は、「動物戦隊ジュウオウジャー」
の香村純子)

 21話の「家族回」は、千明が主人公。5人以上の戦隊は、自然と二人
一組でとりあげられることが多いが、千明のパートナーは、今回は茉子。
もともと千明は茉子のことを、普段から「姐さん」と呼んで慕っている。

 戦闘後、周囲を調べている千明と茉子。暑さにげんなりした千明は、
茉子に泣きついて、ファミレスに涼みにいく。志葉家にはクーラーはない
のだ。

 夏の日射しの中、汗をふきふき歩いている会社員。その背後から
ササマタゲが迫り、頭に赤と黒のボール状の物体を産みつけた。すると、
みるみる会社員の様子がかわり、名無したちの一団から剣を受け取り、
暴れだす。

 茉子と千明が入った、ファミレスでは…

千明「え、じいさん、病院行ってんの?なんで?あ、腰か」
 千明の前にはパンケーキとオレンジジュース。
茉子「うん。そんなにひどくはないみたいなんだけど…」

 彦馬は腰を押さえつつ、整骨院へ向う。しかし、整骨院のはずの場所
には、なぜか「光写真館」が!彦馬は怪訝な様子だが、栄次郎に引っぱり
こまれるようにして、中に入る。

茉子「ほんとに病院行ってればいいけど。喧嘩したらしいよ、病院行く、
行かないで」
千明「へー、珍し!(パンケーキにシロップをたっぷりかけながら)」
茉子「まあ、親子喧嘩みたいなもんだと思うけど」
千明「じいさん頑固だしな。もし親父だったら、俺なんか、毎日喧嘩だよ」

 その会話を聞きつけて、千明の後ろ側の席との仕切りの上から、二人を
のぞきこんでいるアラフォー・オジサンが一人。

千明「ああ、でも、侍としては強くなってたかもな」
茉子「自分の力不足を親のせいにする気?」
千明「そうじゃねぇけど…半分くらいはな!」

謎のおじさん「半分は親のせいなんだよな?!」

千明「うわーっ!」
おじさん「チョー・ショックなんすけど…」
千明「親父!なんでここにいんだよ!?」
茉子「お父さん!?千明の?」

 なんとその人物は千明の父(ということは先代のシンケングリーン)
谷蔵人だったのだ。

蔵人「よろしくー」
 美人の茉子にむかって、にっこりと頭の横で指をふるオジサン。いかにも
剽軽な極彩色のシャツにサンダル姿、無精髭、胸には十字架のペンダント。
とても侍には見えない。

 蔵人は勝手に、千明と茉子のブースに移ってくる。なんと食べているのは
、千明と同じパンケーキとオレンジジュース。

千明「なんでこっち来んだよ?」
茉子「いいじゃない。こんな偶然でもないと会えないんだし」
蔵人「(茉子にむかって)優しいねぇ…(千明に向って)千明、お前いい
なぁ、こんな女性と一緒にいれて」
(ちょっとあっけにとられた様子で黙礼する茉子。視線は、親子おそろい
のパンケーキに向いている)
千明「相変わらずパンケーキかよ!!」
蔵人「だってうまいじゃん。家で一人で淋しく食べんのもいやだしさ」
千明「子供かっ、つーの!」
蔵人「(茉子にむかって)千明、ちゃんと戦えてる?弱いっしょ、こいつ?」
千明「おい!」
茉子「そんなことないです。ちゃんと稽古してますし」
蔵人「ほんとかなぁ〜」千明「ほんとですよ」
蔵人「学校だって、ずいぶんずる休みしてたからな、お前な」
千明「(父の腕を振り払うようにして)いいから、帰れよ!」
蔵人「かっき〜ン!(千明のパンケーキの皿に横からナイフとフォークを
突っ込む)」

 親子漫才(?)のあいだに、例の頭に卵をのせた会社員が、入ってきて
カウンターに座る。そして、母子を人質にとり、店を乗っ取る。

 茉子と千明は男を取り押さえようとして、千明は男の陰から回り込み、
男の子を保護し、茉子は男にとびかかろうと構える。

 そのとき、茉子と男のあいだに、「あぶな〜い!」と大手を広げて、
蔵人が立ちはだかる。千明「おやじ!!」

 蔵人と茉子に斬り掛かる男。蔵人は茉子をかばうようにして腕に軽い傷を
負う。
 その隙に千明と男の子、何人かの客たちが逃げ出すが、今度は床から
名無しの一団がわいて出て、店を占拠してしまった。
 男に脅され小さくなっている蔵人。しかし、そのとき茉子は、自分の死角
に、赤ん坊が取り残されていたことに気がつき、驚いて蔵人を見つめる。

 店の外。千明が男の子を連れ出し、「親父が邪魔しなきゃあ」と愚痴って
いると周囲のあちこちで暴れ回る男女が続出。千明は丈留に連絡し、
そのうち一人の男と斬り合いになるが…

千明「この人…『人間』だよな。だとしたら斬るわけには…」

 そのとき千明は男の頭の上の卵に気がついた。ファミレスの男と同じだ。
そして、卵を斬り、男を正気に戻すことに成功する。

 駆けつけてきた丈留、ことは、流ノ介。その周囲でも暴れている人がいる。
千明は、卵を斬って正気に戻すよう声をかけて、ことはと流ノ介が卵を斬る。

丈留「これで全部か?」
千明「いや、あのファミレスにも一人いる。名無しと一緒に人質とって、
立てこもってんだ。中に姐さんもいる」

 名無しと男に占拠されたファミレス店内。母親は赤ん坊を必死に抱き
かかえ、なだめている。茉子は蔵人の腕の傷を応急手当してやった。
大げさにうめく蔵人。

 店の外では、千明が書道フォンで茉子にメールしている。

丈留「茉子から中の状況の連絡が来たら、一気に踏み込む」
ことは「はい」
流ノ介「しかし、千明のお父さんまであの店の中にいるとはなぁ」
千明「ったく!親父の奴が邪魔しなけりゃ、今頃、姐さんと俺であっさり
片づけてたのに。あの馬鹿親父!」
ことは「千明、お父さんのことそんな風にいうたらあかんわ」
千明「ほんとにそうなんだからしょうがねぇよ。そりゃ、親父としては
お気楽で楽しいけど、侍として戦ったあとで見るとね」
丈留「まるで一人前になったみたいな言い方だな。」
千明「ワリィけど、俺もちょっとは成長したっつの」

 そこに新たな悲鳴。また刀をもって暴れている人がいる。丈留が卵を
斬って正気に戻すがこのままではきりがない。そこで丈留たちは、ファミ
レスを千明に任せ、元になっているあやかしを探しに向った。
(Aパート終わり)

 千明の親については、2話で、侍としての心構えが足りない千明に対し、
流ノ介が「いいかげんな親らしいな」と発言し、千明は「当たってるだけに
腹立つんですけど」と返していた。その「いいかげんな親」がこの谷蔵人。
しかし、実は…

 ファミレスの屋上から千明が茉子にメールする。14時30分に突入だ。
そのメールを一緒に見ている蔵人。

蔵人「えっ?千明がやるんだ。え、大丈夫かなあ」
茉子「大丈夫です」
 きっぱり言って時間を計りはじめる茉子。あと8分。

 外ではササマタゲがまたもや新たな犠牲者に卵を産みつけている。
ササマタゲに斬り掛かるシンケンレッド。
 ブルーとイエローも揃い、戦闘になる。

 ファミレスの中。
茉子「あと5分」
蔵人は平然と大きなあくびをする。思わず微笑んでしまう茉子。
蔵人「ごめんね」
茉子「いえ。でも、さっきのことがなかったら、誤解してたかも」
蔵人「さっき?」
茉子「あたし、赤ちゃんがいることに気づけてませんでした。あのまま
飛びかかってたら、赤ちゃんを危険な目に…ああいう形で止めてくれたから、
あたしの正体もばれなかったし」
蔵人「そんなの偶然、偶然。それよりさ、さっきは嬉しかったなぁ。千明の
こと。あんなにはっきり『大丈夫』って言ってくれて」
茉子「千明、確かに最初は未熟でしたけど、型にはまってない分、すごく
自由なんです。武術もモヂカラも。時々『まいった』って思うことあり
ますよ。あたしはけっこうガチガチな方だから」
蔵人「(笑って)そんなことないでしょ」
茉子「お父さんに似たんですね。千明。今日わかりました」
蔵人「いや〜、私、ホント侍らしいこと教えてこなかったから。」

 屋上では千明がウォーミングアップに余念がない。その姿に、蔵人の述懐
がかぶる。

蔵人「早くに亡くなった千明の母親がね、『とにかく明るい子に』って。
名前も『千の明かり』で『千明』ってつけて。だから、武術っていうより、
なんか、そういうことをね。」

 茉子と蔵人。
蔵人「ただ、私も、ほら、こんな感じだし。一緒に遊んじゃったりしてさ」
茉子「たぶん、そのおかげで、千明は千明らしい侍になってると思います」
蔵人「ホントに?」うなずく茉子。蔵人「ありがと」
茉子「時間です」秒読みをはじめる茉子。

 14時半きっかりに、茉子の手にはシンケンマルが出現。千明は、屋上
から「竹」のモヂカラを使って、店内に竹をはやし、滑り降りて名無したち
に斬り掛かって蹴散らす。
 茉子は男の頭上の卵を斬り、男を正気に戻す。安堵する人質の人々。
千明に連れ出された男の子も無事、母親と再会する。

 喧噪が静まったあと、じっと千明を見つめる蔵人。

千明「おやじ!姐さんに迷惑かけなかっただろうな」
蔵人「(腕を見せながら)ああ、手当してもらっちゃった」
千明「あのなぁ…」

 その瞬間、残っていた最後の名無したちが蔵人の背後から!!

千明「おやじ!!」

 千明の叫び声が響く中、蔵人は男が残していった名無しの刀を素早く
取ると、素晴らしい剣さばきで名無したちをを一刀両断!

 呆然として蔵人を見つめる千明と茉子。さすがに荒い息づかいをしていた
蔵人だったが、いきなり刀を落とすと、

蔵人「いってぇ〜、千明ぃ」と、とたんに元どおり。

蔵人「千明、強くなったじゃん。外道衆倒したらさ、また一緒にパンケーキ
食おう。たまには自炊して、家で待ってっから」

 なんとなくうつむく千明。何も言わずに、茉子とともに店を走り出ていく。
見送る蔵人。

 ササマタゲとシンケンジャーたちの戦いはまだ続いていたが、レッドの
烈火大斬刀から、ブルーとイエローの水流土煙の舞で、一の目を撃破。
二の目が出現。

 そこへ、茉子と千明が駆けつける。

千明「姐さん。強くなると、もっと強いのが見えるんだな。親父の剣、
ずーっと見てたのにさ、強さはわかってなかった」

 駆け出す千明。

千明「ったく。姐さんもそうだけど、ことはも流ノ介も源ちゃんも、俺の
目の前、強ええ奴ばっかだよ。でその先にはあいつ(丈留)がいるしよ。
気合い入った、っつーの、一筆奏上!」

 5人そろったシンケンジャーは折神大変化で、テンクウシンケンオーに。

 それを呆然と見つめているのは、なんと、夏海だ。

夏海「なんですか、あれ?もしかしたら、士くんもあそこに」

 しかしテンクウシンケンオーも、ササマタゲの卵攻撃にやや苦戦。
 烏賊折神捜索中の源太が、文句をいいつつ、ダイカイオーで参戦。
ササマタゲの卵攻撃をはばんで、テンクウシンケンオーとの合同作戦で
二の目を撃破。

 源太は「勝利の一本締め」もせずに、そそくさと、烏賊折神を探しに
去っていった。一息つくグリーン。

グリーン「おやじ…」

 ファミレスでは蔵人が美味しそうにパンケーキを食べている。

 帰っていく丈留たち一行。千明の肩に茉子がそっと手をかけて微笑む。
微笑み返す千明。

茉子「千明、強くなったよね」
丈留「十分とは言えないがな」
茉子「とか言って、気をつけないと追い越されるよ」
 じゃんけんを始める、流ノ介、ことは、千明。そして、茉子。

ナレーション「離れてわかる。成長してこそわかるものがある。それがまた
新たな一歩を踏み出させる。千明の道はまだまだ長い。シンケンジャー
第21幕。まずはこれまで」

 このあと、丈留と鳴滝。士との出会いが描かれ、物語はディケイドへ続く。
(Bパート終わり)

 いかにも千明らしい、明るい「家族話」。菊池健一郎さん演じる、千明の
父親、谷蔵人が絶品です。
 
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