気づいたのは半年以上前。だいきちが寝室に1人(
)で入らないのだ。
寝る前に電気をつけるから、まあ暗闇の怖いネコも居るんだろうな、程度に思っていた。
自分が寝る準備を始めると急いでベッドに飛び乗る。
それから暫くして、ある変化に気づいた。
だいきちは夕食を摂ったらベッドで寝たいらしい。
お姉ちゃんは冷蔵庫の上の熱を好んでそこで仮眠中。
でも、だいきちは寝室の前でピタッと足を止めて、じっと暗闇の何かを見つめている。
微動だにせず。
気にしないようにしていたが
今日はなんとなく夕食後に観察してみた。
ふくこは冷蔵庫の上。
だいきちは寝室から距離を保って、じっと部屋の奥を見つめている。
暫くして、だいきちのお腹が左右にグルングルンと回り出した。
えずいて吐くのかと思ったが、尻尾がボワッと逆立っている。
さすがに気持ちが悪くなった。
それでも目が離せないだいきちを抱っこして、今日は初めてバスタブの縁に乗せて
大急ぎでシャワーを済ませ、一緒にリビングに戻った。
だいきちはやはり、しきりに寝室の方へ神経を尖らせている。
このマンションは海辺を埋め立てた海抜ゼロメートルの場所だ。
8階では米軍人の夫婦が無理心中で死んだ事故物件だが
霊感が強いつもりの自分は何も感じない。
この島に米軍が上陸したのはこの海辺一帯だと聞いている。
ユタの島。
やはり何かスピリチュアルなものが関係しているのか。
だいきちはテーブルの向かい側の椅子で無理な姿勢で寝ている。
早めに寝室の支度をしてくつろがせてあげよう。
しかし・・・なんだかモヤっとする。
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