御神楽は、私が命を、いや、魂を賭けて追い続けている山であり、私の執念のヤマである。執念、というか、むしろ私の狂気のヤマと言ってもいい。
ここまで惚れ込め、打ち込めるヤマがあるというのは、それはもちろん幸せなことなのだが、逆に惚れすぎて苦しいともいえる。
この御神楽への執着がなければもっと心穏やかに過ごせただろうと思う。
御神楽のすべてのルートをやり遂げることは、私のような弱小沢屋には、とても無理だろうとは思うが、
それでも、あるいは御神楽沢の本谷ルンゼとか、湯沢の正面スラブとか、
いつかはこの手でその岩に触れてみたい、と思う。
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