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2019年07月03日14:14

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別居だって段階的に成熟する

契約は、段階的に成熟し、ある程度に至れば、契約書に署名捺印する前であっても、契約成立への期待は、法的保護に値する。
男女の交際も、あるケースでは、段階的に成熟し、ある程度に至れば、法的保護に値する。いわゆる婚約である。これは段階的なものであって、例えば指輪を買ったら婚約で、法的保護に値する(つまり裏切られたら、慰謝料が取れる)、というものではない。

さて、では離婚はどうか。
離婚について段階的に成熟する、という説は聞かないし、実務をやっていても、その必要性は感じない。離婚は、離婚届提出時に、成立する。
しかし別居は、これはまた別の問題で、いったいいつ「離婚に向けた別居」が成立したのかってのはしばしば問題になる。財産分与の基準時決定、ひいては分与額の決定に大きな影響を及ぼすからだ。

よくあるのが、妻はルンルンで暮らしていても、夫は家庭内別居だと思っていた、またはその逆。
妻は、夫は単身赴任だと思っていても、夫は別居だと思っていた、またはその逆。
妻は、冷却期間のために一時避難したつもりだったのに、夫は別居開始ととらえていた、またはその逆。

なにがいいたいかっつうと、別居が段階的に成熟する、というか、夫婦の経済的協力関係が段階的に終了していく、とみることのできるケースもあろう、ということである。

「財産分与の基準時となる別居」とは何か。その要件について、今もう少し我々は詰めて考えてもいいのではないか。事実上の別居が、財産分与の基準時、と、今我々はそう扱っているが、そう扱うべきではないケースもあるし、「共有財産形成のための協力関係の終了」が必ずしも別居時と一致するという理論的な根拠もない。

離婚を取り巻く社会環境は急速に変化している。より良い財産分与のあり方を模索すべき時が来ているのではないか、と思うのである。それはもちろん、無条件に、何が何でも二分の一、という実務の扱いの見直しも含めて。


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