本当になりたい
本当になりたかった
本当に僕が就きたかった職業は
漫才作家
多分それなりに自信もあったんだろう
今でも温めている作品短編も・・書斎の棚のどこかに
たまに出して読んでみると・・案外行けるじゃん
しかし・・腹が減り喰うに困ると夢のために立ち止まる訳にはいかない
当時の悲しい人生の性は己の生活環境から
今現在・・・流石に喰うに困ることもなく普通より少し贅沢な暮しも身について
またぞろ昔の夢が頭をもたげる・・・が・・・時すでに遅し
もう正統派漫才なんて誰も見向きもしない
題目・・僕は猛獣使い
A・・一度君に聞こうと思ってたんやけど
B・・何が
A・・君・漫才する前は何をしてたんや・・職業は
B・・ボクか・・漫才する前は探検家や
A・・探検家って・・君あれは危険な仕事やで
B・・そうや・・未開のジャングルで猛獣にも出くわすからな
A・・そら危険な仕事や・・随分と危ない目にも遭ったんやろな命がけやし
B・・あったんも何も・・何回も・・命・・落としたがな
A・・ちょっと待て・・命・・何回も落としたって・・君・今・生きとるやないか?
B・・落としたけどな・・正直な人が拾って届けてくれはってん
ながれるように・・話せるように・・
聞き手も現実離れした会話の中に溶け込んでくれる
漫才作家を目指したんだけど・・・ネ
現実は・・夢とは遠く離れて
ログインしてコメントを確認・投稿する