mixiユーザー(id:65894272)

2020年10月30日19:07

6 view

女性が男性と同等に発言する、それが当然 共産党参院議員 田村智子さん

女性が男性と同等に発言する、それが当然
2020.10.30
SDGs ACTION!
https://www.asahi.com/sdgs/article/art_00036/
共産党参院議員 田村智子さん

「私たちは『#MeToo(ミートゥー)』運動に注目しているんです」。今年1月の共産党大会で女性初の政策委員長に就任した田村智子参院議員はそう語る。同党は政党の中で女性国会議員比率がもっとも高く、男女雇用機会均等法などで「国会闘争」に取り組んできた自負はある。しかし、党勢がいま一つ伸び悩むなか、ジェンダー平等で社会と連携する重要性を強く意識している。党大会で党綱領を改定し「ジェンダー平等社会をつくる」と明記した。「たむとも」として、SNSでも発信する田村さんに目指すところを聞いた。(聞き手・金本裕司)

——欧米では女性の政治分野への進出が進んでいます。日本との違いをどうお考えですか。

「第2次大戦後、世界中で女性の参政権が当たり前になりました。ヨーロッパでは、国や社会の意思決定全体に関わるのが政治分野であり、そこで女性が男性と同等の割合で意見表明するのが当然であるという考え方に立ち、試行錯誤しながら努力してきました。そこを日本は見習うべきで、われわれは2周遅れだと思っています」

「米国でいえば、『#MeToo』運動は大きかった。文化、芸能など大きな影響力をもつ分野で、男性支配を告発する動きは、今の米国の政治状況に大きく影響したと思います」

——日本も戦後、一応男女平等になりましたが、努力が足りなかったということですか。

「まったく足りなかったですね。私たちも、ジェンダーを議論するとき、職場の問題や、生涯賃金や年金の男女の差など暮らしに密着した問題を考えてきました。政治分野でジェンダーが議論されることは少なかった」

「調べてみると、戦後、日本で最初に行われた衆院選では、女性の当選者が8.4%です。候補者率は低いが、当選率は高かった。夫や息子を失った戦争を経て、女性たちが戦争を止められなかった男には任せておけないと、爆発的に反逆が起きたのだと思う。衝撃を受けました」

「しかし、比率はその後落ち込みました。戻るのにどれだけの時間がかかったことか(※現在、衆院の女性議員は9.9%)。日本でも選挙制度を議論する機会はいっぱいありましたが、女性の議席をどう増やすかという議論はなかった。ヨーロッパでは、そこを議論したのです」

党綱領に「ジェンダー平等社会をつくる」
——政治分野で男女平等が進まない背後に、日本の社会の問題があるのでは。

「コロナ対策で、給付金を支給する際に『世帯主』に支給するという話になりましたね。自民党政権が続く中で、一人の働き手が他を扶養する、主たる働き手を補足するのが女性である、という戦前の家制度をいまだに引きずっている。いまでも社会保障制度のモデルは、4人家族で働き手は夫で会社員、配偶者がパートで働くかどうかというのが出てきますから」

——今年1月の党大会で綱領を改定し、「ジェンダー平等社会をつくる」という言葉が入りました。

「共産党は戦前から普通選挙を掲げ、女性の劣悪な働き方に一貫して注目してきた。国会論戦や運動を通じて、男女雇用機会均等法など、法律として男女平等を進めてきたと思います。しかし、社会の中にいまだに男女差別が残るのはなぜなのか、と考えました。私たちの認識を発展させたのが『#MeToo』運動でした。法制度だけではない平等社会を求め、社会を動かしていかなければと痛感し、綱領に入れたのです」

まず、候補者の男女平等を
――クオータ制をどうお考えですか。強制的にでも男女平等を実現すべきだという考え方もあります。

「率直に言って、党内でも議論の途中です。政治分野のジェンダー平等についてはわが党も、周回遅れと思っています。『政治分野における男女共同参画推進法』の際も、有権者が投票した意思と、当選順位でのジェンダー平等には溝があるな、という議論になりました。ヨーロッパの国々はまず政党の努力でやって、結果が出ないからクオータ制に進みました。日本ではまず候補者を男女同数にすることを政党に強く求めることが最初です」

――共産党では候補者の男女比はどうでしょうか。

「2019年の参院選では女性の候補者が55%、当選者は42.9%でした。次の衆院選で、何人の女性候補を出せるか、女性を当選可能な順位にできるかどうかが問われます。男性の現職がいて、女性を当選可能な位置につけるかどうかは難しい問題ですが、努力しないといけません。もちろん、うちの党の場合は、まず全体の数を増やさないといけませんが」

——女性が活躍することで、日本の社会はどう変わるでしょうか。

「やっぱり男女の違いというのは、妊娠、出産ですね。妊娠すれば、どうしても労働とか、議員活動とか、いったん中断することを求められる。その間でも、女性が不利益になることはないんだと保証をしないと、社会が成り立っていかないです」

「若い女性からは、働くことと子育てを両立させることは『罰ゲーム』みたいなものだという声さえ出る。そこに配慮することが、人生や社会を豊かにし、生産活動もゆとりある、豊かなものにつながる。日本社会を成熟させ、持続可能な、発展的な社会になるんだ、というところまで持っていかないといけない。ただ、『困っているでしょ、こういう支援策ですよ』ではだめなんですね」

——田村さんは政治活動の一方で家庭もお持ちですね。

「夫と子ども2人です。議員の秘書時代、最初に選挙に出たのが1998年で、当時子どもが2歳半でした。党はいろいろ配慮をしてくれましたが、やはり配偶者の協力がないと選挙はできません。私は『私だけでなく、配偶者、夫が求めているサポートは何なのかもぜひ聞いてほしい』と要望しました。他党の女性議員に聞いても、『そんな使いかたされているの』と腹立たしく思うことがあります。女性が活動できる体制を作ることは、わが党だけでなく政党全体の責任だと思います」

日本の中の「格差と貧困」を直視すべきだ
——ジェンダー平等以外に、重要と思われているSDGsの分野はありますか。

「なんといっても格差と貧困の問題です。SDGsを語るとき、世界の中の貧困問題になりがちですが、日本の中の格差・貧困をどうするのかも直視しないといけない。今度のコロナ禍でも、非正規で働いている人たちが一番打撃を受け、あっという間に生活の糧を失ってしまいました。このまま続けたら、まさに社会全体が持続可能ではなくなるということをもっと直視すべきですね」

田村智子(たむら・ともこ)
1965年生まれ。参院当選2回。早稲田大学卒業。議員秘書を経て、2010年7月の参院選比例区で初当選。16年から党副委員長。20年1月の党大会で女性初の政策委員長に就任。19年秋の臨時国会では、「桜を見る会」問題で安倍前首相を追及、注目された。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する