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2020年10月29日09:29

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米国の新聞事情

ハーバード大学でメディア研究をしているNieman Labのディレクターを務めるJoshua Benton氏がツイッターで、米国の新聞発行部数ランキングを公開しています。
https://twitter.com/jbenton/status/1234943543640129537
7万5000部以上を発行する40紙あまりのリストのトップはUSA Todayで140万部ほど。次いでウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズという並びです。

米国の日刊新聞はローカル紙を中心に数千種類が発行されていると言われていて、日本のように圧倒的な規模を誇る全国紙はありません。日本では部数が減少したとはいえ、トップの読売新聞は800万部近い部数があります。

米国の新聞部数ランキング、最も多いのはUSA Todayで140万部
2020年3月7日
Media Innovation
https://media-innovation.jp/2020/03/07/us-newspaper-ranking/

新聞社2社が併せ持つローカル紙(community paper)が250紙以上という状況は、日本の新聞読者にはわかりづらいかもしれない(8月8日の記事「米地方紙大手2社が合併、250紙以上を抱える大所帯に」を参照)。実際には、さらにその6倍もの数のローカル紙が全米に散在している。なぜ、そういう構造になっているのか、今回の合併でどういうことが起こるのか、アメリカの新聞産業の状況はどうなのかが、少しでも理解できるように説明を試みたい。

アメリカには“全国紙”がない

基本的にアメリカには日本のような全国紙というものがない。「ウォール・ストリート・ジャーナル」は金融の専門紙として全国で読めることになっているが、地方において紙で購読するには購読料が高すぎ、株情報が遅すぎ、ネットで読もうにもペイウォールでガチガチに縛られているので、金融街のある地元ニューヨークでこそローカル紙のひとつという扱いだが、完全に投資家・ビジネスマン向けの専門紙となっている。一方で「USAトゥデイ」を全国紙と意識して読んでいる購買層は少なく、昔からカラー刷りで薄く、読みやすいので、全国チェーンのホテルで配りやすい新聞という立ち位置だ。

「ニューヨーク・タイムズ」や「ワシントン・ポスト」といった新聞を地元以外の場所で購読することは可能だが、ウォール・ストリート・ジャーナルと同じく、必ずしも当日に配布される保証もないので、印刷されたものが届く頃には情報が遅く、配達料も高く、ニューヨークで読める版と違い、地方版は薄めになっているという状況だ。むしろデジタルシフトによって全米での読者を獲得できた稀有な例といえるだろう。

ロサンゼルスやシカゴのような大都市から、ミネアポリスやデトロイトといった中都市までであれば、ローカル紙といえど、全国的知名度もあり、ピューリッツァー賞をとったりする新聞もあるが、それ以外の小さな町には、発行部数数千部もあればと言えるような小さなローカル紙しかないことになる。ノースカロライナ大学がおこなった調査では、全米にある7112紙のローカル紙のうち、1283紙が日刊紙で、それ以外の5829紙が週刊紙を含み、ほとんどが発行部数1万5000部以下、という数字が伝えられている。

ローカル紙合併にみるアメリカ新聞産業の苦境
2019年8月11日 08時02分
HON.jp
https://hon.jp/news/1.0/0/25945


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