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2020年03月29日23:20

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オバマケアについて/PPO、HMOについて

オバマケアについて*
2010 年にオバマ大統領が署名して発効した、医療保険制度改革法(Patient Protection and Affordable Care Act)、通称「オバマケア」によって、アメリカの保険制度は大きく変わりました。オバマケアの条件を満たす健康保険には、個人で直接保険会社から、または、お住まいの州の保険取引所経由で、または、勤務先を通して加入することができます。この新制度によって変わった内容のうち、保険に加入する側の一般庶民に関係のある主な項目は下記の通りです:
国民は保険に加入することが強制となりました(一部例外あり):一定の条件を満たす健康保険に加入していない人には、ペナルティーが科されます。2017年、2018年のペナルティーは大人一人につき$695、18才未満の子供一人につき$347.50、家族合計で$2,085まで(ただし2018年の金額は物価上昇率によって調整される可能性あり)、または、その家庭の所得のうち、その家庭の申告ステータスにより、納税義務が生じる所得上限金額を超える金額についての2.5%(マーケットプレースで販売されているブロンズプランの平均保険料の年額を上限とする)の、どちらか多い方です。歯科保険、眼科保険、介護保険、サプリメント保険、海外旅行者保険、移民用保険、短期用医療保険などは、この加入義務を満たす保険ではありません。低所得者など、一定の条件を満たす人は、保険加入義務が免除されます。*保険加入義務を満たさない場合のペナルティーは、2017年の税制改革で廃止となり、2019年1月1日からは、保険に加入しなくても連邦レベルではペナルティーはかからなくなりましたが、州によっては、保険加入義務を新たに法制化し、ペナルティー税を課しています。2020年1月時点で、保険加入義務を州レベルで課しているのは次の州です:カリフォルニア、マサチューセッツ、bバーモント、ニュージャージー、コロンビア特別区(ワシントンDC)
個人が健康保険に加入できるのは、年1回のオープンエンロールメントの時期(Open Enrollment Period)のみとなりました。オープンエンロールメント期間は、毎年11月1日から12月15日で、この期間中に申請した保険は、翌年1月1日から開始となります。州によっては、特別に受付期間を延長する場合もあります。期間外には、法律で定められた一定の条件(結婚、離婚、団体保険の喪失など)を満たす人 以外、個人用の健康保険には加入できません。(団体保険は別です) このような制限が設けられた理由は、国民が、健康な時には保険に加入せず、病気になってから保険に加入するようになると、保険会社のコストがあがり、ひいては、保険料の値上がりにつながって制度が維持できなくなる可能性があるためです。
保険加入制限の撤廃など:既往症を理由に保険加入を拒否できない、病気を理由に契約を解除できない、保険の生涯上限の撤廃、保険料の決め方の制限、などが新たに制定されました。この改革により、持病がある人や、妊娠している女性も、健康保険に加入できるようになりましたし、大病をして高額な医療費がかかったことが原因で、保険契約をキャンセルされるという心配もなくなりました。ただし、介護保険、生命保険、サプリメンタル保険などは、オバマケアの対象外ですので、加入に際しては、病歴や健康状態の審査があり、審査の結果次第では、保険に加入できなかったり、保険料が割り増しとなります。
保険がカバーしなければならない最低基準の制定:オバマケアでは、保険の補償内容の比較を容易にするために、保険プランは、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4つのレベルに分けられまし た。ブロンズは保険料が一番安く、プラチナが一番高いレベルです。ブロンズは医療費の約6割を保険がカバーするプラン、シルバーは 7割、ゴールドは8割、プラチナは9割です。この他に、カタストロフィックという、自己負担が大きい代わりに保険料が安いプランもありますが、このレベルのプランを選べるの は、30才未満の若者と、限られた条件を満たす人のみです。保険会社から直接買う場合、必ずしも、シルバーとかゴールドという名前は保険プランについてい ませんが、基本的には、このレベル分けに沿って保険プランが作られています。
保険料の補助制度(タックスクレジット):加入者の保険料負担が、所得に応じて一定の割合以下になるように、補助金制度が設けられました。保険料の補助を受けることができる条件は、主に次の通りです:アメリカで所得税を納税していること、家庭の所得(Modified Adjusted Gross Income)が、貧困レベルの400%以内であること
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、勤務先で団体保険の提供がないこと(例外あり)、メディケアやメディケイドなどに加入する資格がないこと。夫婦の場合、所得税を夫婦共同(Married Filing Jointly)で申告していないと、他の条件に当てはまっても補助を受けられません。補助金を受けるには、州の保険取引所(Insurance ExchangeまたはMarketplace)から保険を購入しなければなりませ ん。



PPO、HMOについて*
アメリカで、民間の保険会社が提供する健康保険に加入する際に注意しなければならない点のひとつが、ネットワークについてです。ネットワークとは、保険会社と契約している医師、病院、ラボ、クリニックなどの医療機関のことで、ほとんどの保険プランは、その保険プランが支払う医療報酬を承諾して契約している医療機関を利用しないと、保険が使えないか、患者の自己負担が増えます。ネットワークには、主に、PPOとHMOという、2つの仕組みがあります。
保険プランを選ぶ際に、プラン名に、PPO、HMOなどが含まれている場合がほとんどですが、プラン名に記載がない場合には、パンフレットやベネフィットのサマリーで確認し、ご自身が希望する医師や病因が、その保険のネットワークに加盟していることを確認する必要があります。同じ保険会社が提供する保険プランでも、プランによって、ネットワークは異なります。
PPO (Preferred Provider Organization)プランは、ネットワーク内でも外でも保険が使えるのが普通ですが、ネットワーク外の医療機関を使うと、自己負担が増えます。
一方、HMO (Health Maintenance Organization)プランの場合は、ネットワーク外の医療機関では、エマージェンシー以外は、保険が全く使えないのが普通で、ネットワークに加盟する医師の中から主治医を一人選び、いつも、まず主治医を通さなければなりません。つまり、専門医を受診する場合も、主治医にまず相談して専門医への紹介を得なければなりません。HMOプランはPPOプランに比べて、自己負担額が少なく、保険料もPPOより安いのが普通です。
POS (Point-of-service)プランは、HMOとPPOのハイブリッド型です。保障内容はHMOに近いですが、HMOとは異なり、ネットワーク外の医療機関を使うこともできます。ただし、ネットワーク外では、保険会社との契約が存在しないので、医療報酬額に制限がないため、自己負担は増えます。
EPO (Exclusive Provider Organization) プランは、PPOの一種とも言えますが、PPOより規則が厳しいプランです。ネットワーク外では、エマージェンシー以外、保険は一切使えません。
昨今では、従来型のHMOプランやPPOプランとは異なる、変形型のネットワークプランも増えて来ています。たとえば、主治医を決めなくてよいHMOや、狭い地域に限定された、非常にネットワークの狭いPPO、さらに、ネットワーク外では保険がほとんど使えないPPOなどもあります。
ご自身が加入している、または、加入を検討している保険プランのネットワーク加盟医療機関は、それぞれの保険会社に連絡するか、保険会社のウェブサイトで検索することができます。すでに保険に加入している人は、保険会社のウェブサイトに登録すると、ご自身の保険の利用状況をオンラインで見ることができるほかに、ネットワークに加盟している医療機関を正確に検索できますので、利用されるとよいでしょう。また、病院やクリニックに、どこの保険プランのネットワークに加盟しているかを問い合わせることができますが、保険の担当者でないと正確な情報を得ることができないことが多いので、注意が必要です。また、年度の途中でも、医師やクリニックが特定のネットワークから離脱したり、新たに加盟することもあります。
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