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2021年10月21日14:54

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最近読んだ本

ここ1〜2週間に読んだ作品。
忘れずにメモ。

「天下一の軽口男」 木下昌輝
(大阪の元祖落語家、米沢彦八の
一代記。落語ファンとしては
楽しかったです)

「パレードの誤算」 柚月裕子
(生活保護の闇を描くミステリー。ぐいぐい
読ませてくれる、さすが柚月さん)

「たゆたえども沈まず」 原田マハ
(再読。アート小説の旗手が描くゴッホだけ
あって、読み直しても面白い。タイトルは
僕が今もっとも気に入ってる言葉)

「こんな日もある 競馬徒然草」 古井由吉
(あの「香子」を書いた文豪が競馬が好きだった
なんて知らなくて、即買い。
 さすが名だたる文学者。フレーズが素晴らしい。
たとえば、
「なぜ競馬が好きなのかとたずねられて、
あそこにはとにかく明白な喜怒哀楽がある
からと答えた人がある。うまい答え方だと思う」
(ほんと、ほんと!)

「馬をしぼるのは眼の力や判断の力、しかし
最後のところで当たり馬券を引き寄せるのは。
やはり体力気力なのだ」
(その通り。時々投げやりで賭けるときが
あるんだよねー)

「さて小倉大賞典も済んだ。最終日の最終レースも
済んだ。客たちはいつもの競馬の終りと同じように
帰っていく。振り返りもしない。競馬の客は
振り返らぬものだ」
(いいねー。名文です)

「じつに競馬こそ先が知れない。ある波乱を
予感していると、それとは別の波乱が起こる。
信じられない事態が実際に、目の前で繰り広げ
られるのだ。
自身の感知力や判断力への信頼など一度に
吹き飛ぶ。
これが競馬のご利益なのだろう。
運に翻弄されずにいると、人間が傲慢に
なっていけない」

(ほんと、すごい文章だなぁ。僕、バカなので
ほとんど人生に後悔はないんだけど、
競馬だけは反省と悔やむことばかりです)



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