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2020年06月23日19:10

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Blank Reparation

No.0651

『Blue Mars』
Written by : MARL

 ※ここを御覧の諸兄、どうかこの物語に背を向けずに向き合って欲しい。

 これは私が長年に渡り戦っている病の問題である。
 一般的な感覚でこれを読み進めないで欲しい。この病が持つ恐ろしさは罹患した者にしか分からないのだから。

 高校3年の夏、私は志望大学の体験学習へと赴く為、友人数人と一緒に夏休みの一日を利用して行ってきた。当時の夏も今ほどではないにしろ、かなりの猛暑だった。私は暑さには滅法弱いので、朝からどうも気分が優れなかった。両親からは絶対に昼食は取って来るように! と、強めに言われていたストレスも合わさり、昼時が憂鬱で仕方なかった。
 午前の体験授業は、在学中の学生有志による非常に興味深いもので、私は友人と共に授業を楽しんだ。昼時になり、昼食を食べに一階の学食へと向かうもこの時既に私のお腹がグルグル鳴り出し(空腹という意味では無く)、注文したチャーハンを一口入れるも嘔吐しかかるぐらいに気持ち悪くなってしまったが、その時ちょうど場を和ませる為に友人の一人が、別の友人をおちょくって笑いを取っていたので、笑う振りをして何とかやり過ごしかけたが、その後結局私だけがあり得ないほど食べ進めるのが遅過ぎたので、友人達から若干白い目で見られたような気がした。
 何とかチャーハンは完食したが、食あたりにでもなったかのようにお腹が痛かった。

 高校を首席で卒業し、大学入学を果たした私。これまでのような学校生活とは一変、慣れない中での学校生活に私は四苦八苦。辛うじて別学部に進学した高校時代の友人は居たが、休み時間以外は基本一人。同じゼミに所属する奴等とも気が合わずに私は毎日がしんどかった。
 ある時、後期の時間割を無茶な組み方で提出してしまい、月曜と木曜が地獄の日々に。金曜を完全休暇にしたツケなのか、月曜と木曜の朝〜夕方まで私はあの腹痛に苦しむ事に。友人も居ない中、私は毎日一人寂しく食べやすい物ばかりを胃に流し込む。あの時のようにご飯ものは完全に身体が受け付けなかった。
 帰る頃には窶れてふらふらになっていた。両親からは辛かったら辞めてもいい、とまで言われたけど、私は4年間大学を行きそして卒業した。4年次、就活もしながらだったせいか、身体がより酷い状態になってしまい、初めて行く場所を事前に調べ尽くし、まずトイレが近くに無いか確認。先程用を足したばかりなのに、数分後にはまたお腹が痛くなる。何とか各企業のブースで社員の方の話を聞くが、体力が持たないので就活すらも困難な状況に。

 大学を卒業しても正規社員にはなれない始末……。学業成績が良くても社会に適合しなければ生きてはいけない。数年間、この複数を完治させる事に集中した。
 そして、2年後私はある専門学校へと入学をする。ここで将来やりたい事の決心が付いたからだ。しかし、専門学校ともなると大学のような自由度は減る代わりに、大学時代よりも気さくに話せるクラスメイトは居た。だが、定期試験の実技だけはお腹の調子をどうにかしないとどうにもならず、私はわざとランダム順で最後から2番目に回されるストレスにも戦っていた。先に試験が終わったクラスのお調子者が、まだ済んでいない私をおちょくって来るので、たまに怒鳴ったりもした。
 どうにか鬱陶しい専門学校時代も終わり、国家資格も手にした私は再び就活へ。その特定の職種のみの就活だったので、以前のようなストレスは感じなかったが、行く先々で何故か理不尽にキレられたり、門前払いをされたりもあったが、ようやくまともな職場で仕事をさせて貰える事になった。その年の冬に、私はノロウイルスに罹患してしまう。数日間は仕事を休んだが、やはり持病の腹痛と合わさり、更に食欲が落ちてしまい、もうどうする事も出来なかった。

 その職場で過労により倒れてから退職届を提出して辞めた。別の職場に移るも、腹痛は相変わらず私を襲う。もう死んでしまおうかと思うぐらい追い詰められた事もあったが、その時その時で何とか思い止まり、そして今に至る。

 IBS:過敏性腸症候群と呼ばれるその病は、画像検査では異常が発見出来ない為、誤診断されるケースもある。IBSにおける患者属性は、女性群53%、男性群47%と女性群の構成比が高いことが観察される。

 一方、男性群に於ける患者数推移は、2005年459,734人に対し2012年は971,397人と近年急増傾向にある実態が浮かび上がった。完治出来る者も居れば、長年経っても発症し続ける患者も存在する。IBS患者が周りに居ない為、時折冷たい目で見られる事があるが、決して罹患者には「頑張れ」とか「元気出せ」とか、押し付けがましい事は禁句である。

 ※この物語の主人公は、実際の人物をモデルとしている。

  『Blue Mars』完

 ◇Explanation◇→ 『Blue Mars』

 IBS関連の短編は、初期の『理想の世界』で一度取り上げているが、改めてこの病の恐ろしさを少しでも多くの方に知って貰いたいという想いから、ある人の実体験を参考に仕上げた。
 罹患した事の無い奴にはこの病の辛さは微塵も分からないし、医療がある程度発達しかかっている現在でも特効薬は未だに開発されていない。大袈裟かもしれないが、心の拠り所が無ければ、辛さで自殺しかねないレベルの者も存在するほど深刻な問題となっている。
 世界中のIBS患者が、安心して毎日を無事に送れるように、切にそう願っている。

2020/06/23 MARL
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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年06月24日 07:50
    ↑を読んで、IBSのつらさが、切々と分かりました。
    どんな病気も、つらく、つらくない病気は、ないとも思うけど、IBSは、ほんと、いつなるか分からないから、大変ですね。
    患者数の多さにも、びっくりしました。
    周りにも、言いにくい病気だけに、理解してもらうのも、また、難しいかも?・・・ですね。

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