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2020年10月23日14:50

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清き一票の罪・選挙が生まれた国の話

紀元前510年ごろから、
ギリシャでは
「陶片追放」という
制度があった。

当時の
アテネの支配者であった
クリステネスなる人物が、
発案し、
法制化した制度で、
これは紀元前417年に
廃止になるまで、
約100年近く効力をもち、
実行された制度だ。

一年に一回、行われた。

さて、その陶片追放とは
どんな制度であったか。
なんと、
アテネから追放したい
人の名前を書いて、
投票し、
同じ名前が
6000表以上あれば、
その名前の人は10年間、
アテネから
追放されるというものだ。
無署名でできるこの投票は、
そこに名を書かれたものが、
議員だろうが
王だろうが関係なく、
必ず実行される制度だった。
独裁を防止するための
制度だったらしいが、
これがまた、
追放されたものは、
不名誉に問われる
わけではないという。
だから、10年後には
堂々とアテネに
戻ってこられるのだ。

この制度が施行されて
20年もしないあるとき、
田舎から一人の老人が
投票のために
アテネに出てきた。
自分は字が
書けないからと、
居合わせた人に、
代筆をお願いした。
「アリステデスと
 書いてくれないか」
と。
代筆を頼まれた人物は、
「そのアリステデス
 という人物は、
 何か悪いことを
 したのですか?」
と問うた。
すると老人は、
「顔だって見たことは
 ないが、
 あんまりにも
 評判がよくて、
 あちこちで
 名前を聞くので、
 うんざりしたからだ」
と答えたのだ。
代筆を頼まれたその人は、
言われたとおりに
「アリステデス」
と書いて、
その陶片を老人に渡した。

結局、その
「アリステデス」の
追放が決定してしまい、
実際にそれは執行された。
代筆を頼まれた人物が、
まさにその
アリステデスだった。

ただし、その3年後
アテネが
侵略の危機に瀕したさい、
呼び戻されている。

ここで、思ったのは、
陶片追放なる
民主的ではあるが
非効率的政策のことでも、
悪法でも法は法の精神の
アリステデスの
潔さでもないく、
ただ、嫉妬なのか、
思いつきなのかで、
人を追い詰めることの
できる手段を行使する
愚民のありかただ。

昔年の選挙で
民主の無茶な
マニフェストに
踊らされた人々。
世界世相をまるで
見ることができず、
気に入らないという
理由だけで、
アメリカを非難する人々。
一部の行為を
総意だと拡大解釈して、
非難する反韓派。
どれを見ても、
あの気に入らないから
追放に署名した老人と
何が違うのか?
そう思えて仕方がない。
権利とは振り回すために
あるんじゃないぞと。
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