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2020年05月22日18:00

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『フォトンベルトの真相』読書感想文

まあ、“フォトンベルトの真相”
って本はいわゆる、
トンでも本なわけで、
それにいちいち突っ込むのも
大人気ないのだけど。
だって、突っ込むのが
好きなんだもん。

21ページ目に
「続に言う、ぶっ飛び情報」
と人の話を
揶揄しておきながら、
ご本人のこの著書も、
ずいぶんぶっ飛びな
内容である。

まず、
「フォトンベルトとは何ぞや?」
という方の為に軽く説明すると、
銀河系に帯状に存在している
と一部の人が
主張しているもので、
高エネルギーを
もった光子のこと。
強い電磁波も
帯びてるらしい。
近年の異常気象から、
戦争、人心の荒廃も
全部この
フォトンベルトに
近づいているからだ
と言う人もいる。

そもそも、
災害というのは、
大昔から頻繁に
起こっているもので、
増えたり減ったり
しているだけだし、
今は情報の伝達が
簡単になったから、
それらの情報に
触れやすくなったから
多くなったような
気がするだけなのだけど、
本を書くほどの人物が
そうゆうことも
知らないというのは、
イタい。

紀元前の世界なんて、
氷河が溶ける影響で、
世界中が、
洪水のオンパレード
だった痕跡が残っている。

まず、“はじめに”
あたりから、
フォトンベルトの
説明から入ってるんだけど、
プレアデス星団で
青く輝くそれが
見つかったって
あるんだけど、
もともと
プレアデス星団って
若い恒星が
集まってできてるんで、
青く光っているのは
当たり前で、
そこに仮に
フォトンベルトが
青く光ってたとしても、
区別は困難だろうなと・・・

いやそもそも、
フォトンベルトは
光子だというのだから、
そのまんま・・・

ってか、別の説では
太陽系は
プレアデス星団の周りを
公転しているとまで
言っている。
で、この情報で
大パニックを
起こしている
というのだけど、
誰が何時
大パニックを
起こしているのだろうか?
あなた知ってました?

この著者が紹介している、
渡邊延朗成る人物の
本“フォト・ンベルトの謎”で、
フォトンベルトのことが
科学的に書かれている
というのだけど、
ざっと見る限り、
光子の説明が
ちょっと科学的なだけで、
フォトン・ベルトという
組成そのものを
科学的に説明していない。
それどころか、
風水を持ち出して
きているので、がっかりさ。

さらに“…真相”の著者は、
マヤ暦を引っ張り出している。
そして何より、すごいのは
この著者、
フォトン・ベルトを
信じていない!

はなから科学的な話を
するつもりなんてないのに、
科学的にとか言い出し、
信じてもないものの
説明の為に
冒頭5ページも割いている。
いや、本の全文でずっと
フォトンベルトのことを
書いている。
しかも否定している
わけじゃない。
(でも彼のブログでは
 フォトンベルトを
 否定しているのだ)
そもそも、科学的に
とかいいながら、
科学的なことは
何も書かず、
NASAが知っているのに
隠している
とか言い出すのは、
矛盾もはなはだしい。
NASAが公表していないのに
なぜ隠していると
知っているのか?
隠しているということは、
内容が知れてないのに
なぜ科学的だと
いえるのか?

科学的に証明されている
という根拠をNASAが
隠してるから
という説明で
納得してもらいたい
のだろうか?

さらにこの著者は
マヤ暦については
マヤの始まった時を
そのマヤ人は
紀元前3113年としており、
滅ぶ日を紀元後2012年
としている。
マヤ暦はかなり正確に
できていることで
一応有名で、
だから、
マヤ暦の終わりが示す
2012年は
この世の終わりだと、
論理飛躍しちまう。

そもそも人類は
それ以前から存在しており、
しかもマヤ文明は
とっくに滅んでいる。

もっというなら、
マヤ文明が起こったころの
地球の自転は
今より速かったので、
厳密にいうなら、
マヤ暦は正確では
ないという指摘さへもある。

やたらと、
異変を強調したがって
るんだけど、
異変なんてのは
宇宙が始まった時点から
ずっと連綿として
続いてきたことで、
それが最近の科学技術で
見えやすくなった
だけなのに、
集中してるような
ものいい。

これは、この著者に限らず、
マスコミが頻繁にやってるし、
宗教家にも
それを指摘したがる人は多い。

周期的という説を
あげる人の中にも、
挙げる実例が、
自分の欲しい結果
だけだったりする。

■金星の年齢が3600年?

61ページあたりで、
金星が実は
比較的新しい惑星で、
その証拠に歴史文献を
上げている。
古代ヒンズー教の記録には
金星が載っていない
ということや、
古代バビロニアの記述で、
「金星が加わった」
という例を挙げている。
ところが、85ページ目に
古代シュメール文化が
残した資料に、
しっかり金星が
書き入れられてあるのだ。
あらあらである・・・。

ちなみに
ご存知だと思うが、
バビロニアより、
シュメールの方が
古いしヒンズーは
もっと最近誕生している。

そもそも金星の自転が
逆であることを
不思議だというなら、
天王星の自転が
横向きだったり、
地球の自転軸が
約23度傾いてる
事だって不思議だろうに。

■DNAの比較

人にしかない
特有のDNAという言い方で、
人間は地球外生物
ではないか?
という説を紹介している。
たとえば
チンパンジーと人間では
〜98%、
人間とネズミだと
70%は同じDNAだけど、
人間にしか見られない
DNAがあるのだと・・・。
それって、
○○○vs人間の比較だけ?
逆の見方をすれば、
猿にしかないDNAや
ネズミにしかない
DNAがあるんじゃないの?
それ調べてみたの?
と問いたい。

■現実を見抜く力が
より要求される時代
(148ページ)

確かにそう思うが、
この著者に
それができているとは、
この本を読む限りにおいて
思えない。
この著者は最後に
『独立個人』になることを、
勧めている。
誰もが美味しいという
料理を作れる人
というのはいるだろうか?
多数の人に美味しい
といわせる料理人は
いるだろうけど、
誰をもということは
不可能だろう。
『独立個人』とは
自分の力を権力システムから
取り戻すことだ
とこの著者は言う。
つまり、国家の保護を
全て不要だとする意味だろう。
それで、普通の生活が
成り立つのか?
いや本人が
そうゆう生活をしているのか?
リスクを負っても
勇気を持ち、ともいう。
自分ひとりの身ならば
それもできようが、
家族や、かかわる人々が
居た場合、
そのリスクから逃れる手立てを
駆使しないだろうか?
たぶんこれも
この著者はやっていない。

責任と良識というのは、
個々人で違うものだ。
自分の正しいは
必ずしも人の正しいではない。
となれば、
自分の良識は
人の非常識である場合も
往々にしてある。
美辞麗句を並べたてる
だけなら誰でもできる。
実行できることを
言うのでなければ、
それはただの戯言であり、
独りよがりの
無責任でしかない。
そして、この著者は現に、
人の言葉を多用して
この本を作っている。
およそ独立しているとは
言い難い。
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