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2020年02月22日14:22

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陶片追放

紀元前510年ごろから、
ギリシャでは「陶片追放」という制度があった。
当時のアテネの支配者であった
クリステネスなる人物が、発案し、
法制化した制度で、
これは紀元前417年に廃止になるまで、
約100年近く効力もち、実行された制度らしい。
一年に一回、行われたらしい。

さて、その陶片追放とはどんな制度であったか。
なんと、アテネから
追放したい人の名前を書いて、投票し、
同じ名前が六千表以上あれば、
その名前の人は十年間、
アテネから追放されるというものだ。
無署名でできるこの投票は、
そこに名を書かれたものが、
議員だろうが王だろうが、関係ない。
必ず実行される制度だった。

独裁を防止するための制度だったらしいが、
これがまた、追放されたものは、
不名誉に問われるわけではないという。
だから、十年後には
堂々とアテネに戻ってこられるのだ。

この制度が施行されて20年もしないあるとき、
投票のために、田舎から出てきたらしい老人が、
自分は字が書けないからと、
たまたま居合わせた人に、代筆をお願いした。
「アリステデスと書いてくれないか」と。
代筆を頼まれた人物は、
「そのアリステデスという人物は、
何か悪いことをしたのですか?」と問うた。
すると老人は、
「顔だって見たことはないが、
あんまりにも評判がよくて、
あちこちで名前を聞くので、うんざりしたからだ」
と答えたのだ。
代筆頼まれたその人は、言われたとおりに
「アリステデス」と書いて、
その陶片を老人に渡した。
結局、その「アリステデス」は
追放に決定してしまい、
実際にそれは執行された。
代筆を頼まれた人物が、
まさにそのアリステデスだった。

ただし、その三年後、
アテネがペルシアによる侵略の危機に
瀕したさい、呼び戻されている。

ここで、思ったのは、
陶片追放なる民主的ではあるが
非効率的政策のことでも、
悪法でも法は法の精神の
アリステデスの潔さでもないく、
ただ、嫉妬なのか、思いつきなのかで、
人を追い詰めることのできる手段を
行使する愚民のありかただ。

昔年の選挙で民主党の
無茶なマニフェストに踊らされた人々。
世界世相をまるで見ることができず、
気に入らないという理由だけで、
アメリカを非難する人々。
一部の行為を総意だと拡大解釈して、
非難する反韓派。
どれを見ても、あの
気に入らないから追放に署名した老人と
何が違うのか?
そう思えて仕方がない。

権利とは振り回すためにあるんじゃないぞと。
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