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2020年01月19日10:35

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古楽の楽しみ、他XXVII(随時追記)

古楽の楽しみ 2019/12/30放送分
セレクション ▽ゲストをお迎えして〜横田宗隆さん
ご案内:鈴木優人/今まで放送した中からお送りします。ゲストは、国際的に活躍するオルガン製作家・横田宗隆さん(初回放送2019年7月26日)

2000年に開催されたドイツオルガンツアーでご一緒して以来
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「フーガの技法」BWV1080から「コントラプンクトゥス1」
バッハ
(オルガン)ヤン・ウィレム・ヤンセン

オランダはアムステルダム、オルゲルパルクには6台のオルガンがある
2018年にヒルデブラント様式で建てられた
ヒルデブラント:J.C.バッハに一番近く、彼の音楽を具現するのに相応しい
先ほどの楽器は国際的にも珍しい共同制作
パイプの作り方一本一本にこだわった
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「前奏曲 イ短調」BuxWV153
ブクステフーデ
(オルガン)ハラルト・フォーゲル
 ハンブルク、聖ヤコビ教会にあるアルプシュニットガーのオルガンで
北ドイツのアルプシュニットガー(製作家)
 非常に堅実、職人。自分の仕事は神のため
 オルガンはひとつの家を建てるようなもの
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横田宗隆さん
1952年生まれ、最初は経済学を学ぶ
4歳の時シャルロッテンブルク宮殿にあったオルガン(戦禍で失われた、1936年の録音)を聞いたのがきっかけ
楽器がなければ音楽は生まれない
1978年に渡米、1984年に独立。最初の大きなオルガンを作る。
(小さなものは日本で一台制作している)
良い楽器を作る環境を整える

普通の人たちが祭りに向けてエネルギーを集結させるようにオルガン制作を考えた
学生・教授らが力を合わせる
オンサイト・コンストラクション
歴史を見ると16cまでは教会の中に工場を設置しパイプを作っていた
スウェーデンのゴーアートプロジェクト(ヨーテボリ)
300年前のオルガンと現代のは違う
大学の中の機能をフルに使った
材料から楽器のメカニズムまで
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ゲオルク・ベーム
「深いふちからわれ汝(なんじ)を呼ぶ」
(オルガン)ハンス・ダヴィッドソン
横田宗隆さん制作のシュニットガーオルガンの演奏
ヨーデボリにある教会

制作までの流れ
注文を受ける どのように使われるか・どんな曲が弾きたいか
建物を見に行き響きを聴く
オルガンの性格をイメージする
物理的な条件を調べる
設計の根本的な部分:パイプは場所を取る、位置が音を決める
クライアントの好みに合わせて並べる
北ドイツのオルガンはパノラマ効果が面白い
調査研究を行い古いやり方で作るので一台に2〜6年かかる
今までに韓国・アメリカ・日本などで建造
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「今ぞわが魂よ主をたたえよ」BuxWV214
ブクステフーデ
(オルガン)ハンス・ダヴィッドソン

ミーントーン(調律法)中世以降〜18c中頃まで
黒鍵が二つに分かれている
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コーネル大学の楽器
シャルロッテンブルク宮殿にあった楽器を再現(横田さんの原点)
1910〜30年代の調査記録+古い録音
"この不思議な素晴らしい音はどうやって出てくるのだろう"
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「きたれ、異教徒の救い主よ」
ブルーンス
(オルガン)アンネッテ・リチャーズ
ニコラウス・ブルーンス:ブクステフーデの弟子、30代で夭折
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横田さん:オルガンの調律において長3度が重要な役割を持つ
優人先生:「黒鍵が二つありレの♯、ミの♭とソの♯、ラの♭は違うものなのでどっちか迷ってしまうし、押し間違えると大変なことになる。」

1オクターブに収めようとすると何処かに必ず唸りが生じるのですが、
ミーントーンっていう調律は3度が濁りのない音になるように調整された調律法で、それを踏まえるとレ#、ミ♭、ソ♯、ラ♭が違う鍵盤になるのです…

トラヴェルソ等の運指表では区別

現代のピアノでは黒鍵は一つしかなく[レの♯、ミの♭][ソの♯、ラの♭]の区別はないけれど本来別の音。
同じ音として扱われるようになったのは12音階の影響なのだろうか
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古楽の楽しみ 2019/12/31放送分
セレクション ▽ゲストをお招きして〜前田りり子さん
ご案内:今谷和徳/今まで放送した中からお送りします。ゲストはフラウト・トラヴェルソ奏者の前田りり子さん(初回放送2019年8月30日)

フラウト・トラヴェルソ=イタリア語で横笛、今ではバロックフルートの意味

前田りり子さん:
小学四年でフルートを始める
高校生の頃、どこの大学へ行こうかどの先生に師事すべきか考えていた
有田先生は作曲当時喜びを表す音形は上昇、半音階は凸凹しているので緊張と理由付けをしてくださった
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「組曲 第4番 ホ短調から プレリュード、エール、ガヴォット」
オトテール
(フラウト・トラヴェルソ)前田りり子、(ヴィオール)市瀬礼子、(クラヴサン)ロベール・コーネン
 ヴェルサイユ宮殿、貴族たちのアンニュイでメランコリーな響き
 オトテールは宮廷では演奏家、また制作家としても活躍
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ルネサンス:
篠笛のような円筒形の筒に6つの穴、ピアノの白鍵に該当。教会旋法なので十分だった
 円筒管
木の素材はバロックより軽い
残響の多い部屋(石造り)で演奏されていたので楽器が鳴るより部屋が鳴るという印象
バロック:
クロマティック=黒鍵が必要になる
(キーを使って穴をふさぐ、ミュゼットという楽器は存在していた)
ちっちゃな音・すごく悪い音程では全部の音を出すのが可能
ニ長調は全部の音が多く出る
出ない音の比率はフラットが増えるにつれ増える
輝かしい音はニ長調orシャープが一個だけのト長調を、悩ましい曲調は出にくい音
例)ヘ短調=フラットが4つ、全然音が出ない
 一音下げると非常に音が出やすい
 バロックはいびつな真珠、音は凸凹で良い
 円錐管
モダンへ:
バロック時代はリコーダーと同じく小さな指穴→大きな指穴に変化し蓋が必要になる
金属の方が強い音で演奏可能
人類みな平等、音楽は特権階級のものから全員のものへ
楽器が変わったから音楽が変わったのか、はたまたその逆か

バッハは1724年の数ヶ月間だけフルート入のアリアを数多く作曲
こんなにもバッハが実験していたんだというのが見て取れる
ヨハネ受難曲はフルートにとって吹きにくい
実験後のマタイ受難曲は吹きやすい
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「カンタータ 第113番「主イエス・キリストよ、この上なく貴き宝よ」BWV113から 第5曲「イエスは罪人を受け入れられる」」
バッハ
(テノール)ゲルト・テュルク、(フラウト・トラヴェルソ)前田りり子、(チェロ)鈴木秀美、(オルガン)今井奈緒子
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ソフィオ・アルモニコ
前田さんが中心となってルネサンス音楽を演奏すべく2008年に設立
ソフィオ・アルモニコ=調和の息吹、神から与えられた
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「うちの夫はいい旦那」
パスロー:作曲
オリジナルのシャンソンそのもの

「別れによって」
チプリアーノ・デ・ローレ:作曲
ジョヴァンニ・バッティスタ・ボヴィチェッリ:編曲
(合奏)ソフィオ・アルモニコ、前田りり子、菊池かなえ、菅きよみ、国枝俊太郎
 ボヴィチェッリは装飾音を多用、一旦廃れてしまうフルートの過渡期ギリギリに
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「ダンスリー」から 王の踊り、道化のアントレ、モリスク
スザート
(合奏)ソフィオ・アルモニコ(前田りり子、菅きよみ、相川郁子、新井道代、国枝俊太郎、佐藤亜紀子、近藤郁夫)
 器楽曲、当時は楽器指定をする習慣がなかったが音域で演奏出来る楽器が限られた
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レパートリーは多くがバロック時代のもの
バッハは哲学・普遍性、神様に目が向いている、ルネサンスの要素が強い
テレマンは実に楽しい&その場にいる人たち全員が楽しめるエンタメ。演奏家同士の掛け合いが面白い
 分かりやすい音楽、演奏家には物足りない面も

「パリ四重奏曲集」の四重奏曲 第1番 ニ長調から 最初の2つの楽章、最後の楽章
テレマン
(フラウト・トラヴェルソ)前田りり子、(バイオリン)寺神戸亮(てらかど りょう)、(ヴィオラ・ダ・ガンバ)上村かおり、(チェンバロ)チョー・ソンヨン
 プロに演奏してもらう用、音楽のためにあらゆるテクを駆使
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