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2021年09月18日17:14
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時代小説 越乃雪 こりゃたまらんわい!
越後にある越乃雪家
ここは何百年と続く名家でもあり甘くて美味しい和菓子も販売しているのである
その28代目の店主越乃雪家定は嫁のある事に悩まされ、隠居した父と母に泣きついたのである
いかがいたした、家定?
父上…実は嫁の葵が我が家で販売している人気和菓子『越乃雪』を勝手にアレンジしているのです!
何じゃと！！葵を呼ぶのじゃ!
伝統ある越乃雪を勝手にアレンジするなど不愉快極まりない！！
越乃雪
越後特産の餅米を粉砕にした粉と竹糖を原料とする伝統的な砂糖和三盆糖を使った押し物菓子
その後隠居した家定の両親の屋敷に葵は呼び出された
お父様、お母様、お呼びでございましょうか?
おうおう、葵か!相変わらずよいおなごじゃな!
葵さん、何故呼ばれたか心当たりは御座いますか?
いえ、さっぱりわかりません…
葵よ、我らの伝統的な和菓子越乃雪は店の看板商品であることは知っておるな?
もちろんに御座いますし、わたくしもその伝統を大事にしております
うんうん、よい言葉じゃ!
葵さん、越乃雪に何か余計な事なさってませんか?
余計な事?はてさてなんの事かははっきりとわかりませんが、余った越乃雪を砂糖として再利用している事で御座いましょうか?
砂糖として使っていると?
葵よ、詳しく申せ！！
何か間違っておりますでしょうか?
あの越乃雪はひとつひとつに愛情込めて造られた和菓子である!残ったからと言って砂糖として使うなどあってはならぬぞ!
お父様もお母様も甘すぎますな〜
我らを愚弄なさるか、たかが嫁の分際で！！
あんた、こんな嫁を持った家定が不憫に御座いますな〜
全くじゃ…シクシク(T_T)(T_T)
泣くのはその辺で宜しいか?
えっ…
あの越乃雪はまことに看板商品であり越後の人々に愛され、そして遠国の方々もわざわざこの地まで駆けつけて食してくださいます!
それはそうじゃ!
ですがわたくしは実際に食べてみて思いました!
一口目はとても甘くてこれは人気が出て当然と！！
…
ですが二口目に入ると甘すぎてちょっと大変かなと…
だから何が言いたいのかしら?
わたくしがそう思うと言うことは、他のお客様にもそういう御方がおられる可能性もあると言うことです！！
…
そこでわたくしは考えました!
食べられなくて余った越乃雪は別でアレンジして使おうと!
如何にして使ったのじゃ?
和菓子が売りである当店ですから別の和菓子造りの材料として使いました。先程も申しましたが、この越乃雪は砂糖としても利用できるのです!
砂糖としてか…
和菓子に限らずこの越乃雪を砂糖として使うことであらゆる料理にも役に立てまする!いわば越乃雪は一つの商品としてだけでなく、様々な形の和菓子、料理として生まれ変わる事もできると言うことです!
なるほど、そういう事であったか…
さすがは我が越乃雪家の嫁である！！
わかって頂けたなら宜しゅう御座いまするが、このような事でお父様やお母様に告げ口なさる家定様の情けない…
息子になんて事を！！
これお前、葵の申すことは最もである!
わしらの負けじゃ
わかって下さればそれでいいのです!
すまなかったな葵…
いえ、こちらこそ…
お父様、お母様…
何じゃ?葵…
越乃雪を使った新商品ができましたらお父様とお母様にも食して頂けたならと!
うんうん、楽しみにしておるでな!
そして葵は夫の家定の元に戻り
旦那様…
いや、その…
いい大人がこんな事で親に告げ口など情けない!
伝統ある越乃雪を潰されると思ったのじゃ…
潰される?何というお言葉か!!
互いに信頼関係を持って店を守り立ててるものと思っておりましたが残念で御座います
すまぬ…
わたくしが開発した新商品を食べてみて下さいませ!
新商品?
きなこ餅と申します!
きなこ餅
さあ、食べてみて下さいませ!
毒など入っておりませんよ!
毒とな?
おほほほほ、冗談で御座いまするがそんなに真剣になられて(笑)
真に受けたではないか…
わたくしを信頼なさってませんでしたからね…
さあ、早く食べなさい!
…
食べられませんか?
ならばわたくしが先に食べて見ましょうに…(ﾟＡﾟ;)ｺﾞｸﾘ
ああむしゃむしゃむしゃむしゃ、こりゃたまらんわい!
うまいか?そんなにうまいか?
旦那様も早う食べなされ!
そして家定もきなこ餅を味わった
こっこれは、まことにうまいではないか!
これはたまらんわい〜♪
おほほほほ、そうで御座いましょうに!
食べた者は皆必ず最初に発する言葉がたまらんわい!なのです!
その通りに旦那様もたまらんわいと仰ったので受けましたわ!
ほんにこれはまことにたまらんわい!
むしゃむしゃむしゃむしゃ
葵…すまなかった
お主は誰よりも越乃雪の事を思ってくれておったのじゃな…
夫としてお前を両親に告げ口した事はまことに恥じてならぬ…
この通りじゃ、葵…
葵…
頼むから、真剣な話してるときはちゃんと聴いてはくれぬか?
こりゃたまらんわい♪
はい?…
今、何か申されましたか?
もう良い…
こうして越後の名店越乃雪は今も人々に愛されているのであった
終わり
ここは何百年と続く名家でもあり甘くて美味しい和菓子も販売しているのである
その28代目の店主越乃雪家定は嫁のある事に悩まされ、隠居した父と母に泣きついたのである
いかがいたした、家定?
父上…実は嫁の葵が我が家で販売している人気和菓子『越乃雪』を勝手にアレンジしているのです!
何じゃと！！葵を呼ぶのじゃ!
伝統ある越乃雪を勝手にアレンジするなど不愉快極まりない！！
越乃雪
越後特産の餅米を粉砕にした粉と竹糖を原料とする伝統的な砂糖和三盆糖を使った押し物菓子
その後隠居した家定の両親の屋敷に葵は呼び出された
お父様、お母様、お呼びでございましょうか?
おうおう、葵か!相変わらずよいおなごじゃな!
葵さん、何故呼ばれたか心当たりは御座いますか?
いえ、さっぱりわかりません…
葵よ、我らの伝統的な和菓子越乃雪は店の看板商品であることは知っておるな?
もちろんに御座いますし、わたくしもその伝統を大事にしております
うんうん、よい言葉じゃ!
葵さん、越乃雪に何か余計な事なさってませんか?
余計な事?はてさてなんの事かははっきりとわかりませんが、余った越乃雪を砂糖として再利用している事で御座いましょうか?
砂糖として使っていると?
葵よ、詳しく申せ！！
何か間違っておりますでしょうか?
あの越乃雪はひとつひとつに愛情込めて造られた和菓子である!残ったからと言って砂糖として使うなどあってはならぬぞ!
お父様もお母様も甘すぎますな〜
我らを愚弄なさるか、たかが嫁の分際で！！
あんた、こんな嫁を持った家定が不憫に御座いますな〜
全くじゃ…シクシク(T_T)(T_T)
泣くのはその辺で宜しいか?
えっ…
あの越乃雪はまことに看板商品であり越後の人々に愛され、そして遠国の方々もわざわざこの地まで駆けつけて食してくださいます!
それはそうじゃ!
ですがわたくしは実際に食べてみて思いました!
一口目はとても甘くてこれは人気が出て当然と！！
…
ですが二口目に入ると甘すぎてちょっと大変かなと…
だから何が言いたいのかしら?
わたくしがそう思うと言うことは、他のお客様にもそういう御方がおられる可能性もあると言うことです！！
…
そこでわたくしは考えました!
食べられなくて余った越乃雪は別でアレンジして使おうと!
如何にして使ったのじゃ?
和菓子が売りである当店ですから別の和菓子造りの材料として使いました。先程も申しましたが、この越乃雪は砂糖としても利用できるのです!
砂糖としてか…
和菓子に限らずこの越乃雪を砂糖として使うことであらゆる料理にも役に立てまする!いわば越乃雪は一つの商品としてだけでなく、様々な形の和菓子、料理として生まれ変わる事もできると言うことです!
なるほど、そういう事であったか…
さすがは我が越乃雪家の嫁である！！
わかって頂けたなら宜しゅう御座いまするが、このような事でお父様やお母様に告げ口なさる家定様の情けない…
息子になんて事を！！
これお前、葵の申すことは最もである!
わしらの負けじゃ
わかって下さればそれでいいのです!
すまなかったな葵…
いえ、こちらこそ…
お父様、お母様…
何じゃ?葵…
越乃雪を使った新商品ができましたらお父様とお母様にも食して頂けたならと!
うんうん、楽しみにしておるでな!
そして葵は夫の家定の元に戻り
旦那様…
いや、その…
いい大人がこんな事で親に告げ口など情けない!
伝統ある越乃雪を潰されると思ったのじゃ…
潰される?何というお言葉か!!
互いに信頼関係を持って店を守り立ててるものと思っておりましたが残念で御座います
すまぬ…
わたくしが開発した新商品を食べてみて下さいませ!
新商品?
きなこ餅と申します!
きなこ餅
さあ、食べてみて下さいませ!
毒など入っておりませんよ!
毒とな?
おほほほほ、冗談で御座いまするがそんなに真剣になられて(笑)
真に受けたではないか…
わたくしを信頼なさってませんでしたからね…
さあ、早く食べなさい!
…
食べられませんか?
ならばわたくしが先に食べて見ましょうに…(ﾟＡﾟ;)ｺﾞｸﾘ
ああむしゃむしゃむしゃむしゃ、こりゃたまらんわい!
うまいか?そんなにうまいか?
旦那様も早う食べなされ!
そして家定もきなこ餅を味わった
こっこれは、まことにうまいではないか!
これはたまらんわい〜♪
おほほほほ、そうで御座いましょうに!
食べた者は皆必ず最初に発する言葉がたまらんわい!なのです!
その通りに旦那様もたまらんわいと仰ったので受けましたわ!
ほんにこれはまことにたまらんわい!
むしゃむしゃむしゃむしゃ
葵…すまなかった
お主は誰よりも越乃雪の事を思ってくれておったのじゃな…
夫としてお前を両親に告げ口した事はまことに恥じてならぬ…
この通りじゃ、葵…
葵…
頼むから、真剣な話してるときはちゃんと聴いてはくれぬか?
こりゃたまらんわい♪
はい?…
今、何か申されましたか?
もう良い…
こうして越後の名店越乃雪は今も人々に愛されているのであった
終わり
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