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2022年05月17日10:15

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田舎は物価が安い?

昨日、『週刊ポスト』(小学館)の大特集の中にある「60歳がやってはいけない地方移住−田舎は物価が安いは幻想! 地方移住で陥る生活費の罠」という見出しを目にして、またかと苦笑した。私は週刊誌の電話取材を受ける機会が少なくないのだが、新潮社は田舎暮らしに否定的、昨年取材を受けた『女性セブン』の小学館はそこそこ肯定的という印象。でも、今回はシニアネタでまたしても地方移住がターゲットになったようだ。

私がこの分野で取材を続けて37年になるが、「田舎は物価が安い」などと書いたことは一度もない。西友やイトーヨーカドーなど都会のスーパーは厳しい価格競争を続けており、普通の買い物をするなら都会の方が安いに決まっている。コロナ禍以降は地方というより郊外ブームに移行しているから、イオンなど大型スーパーにあるところの移住者は都会と変わらない物価の安さを実感しているとは思うが。

では、都会と田舎の生活費は何が違うのか。私がつい最近『田舎暮らしの本』別冊付録で書いたのは、安いもの・・・住宅にかかる費用(とくに賃貸物件の家賃)、機械を使わない小規模自給の食材、高いもの・・・車の経費と灯油代である。そのトータルを差し引いても、田舎の生活費は都会とは比べものにならないほど安い。ただし、まとめ買いに慣れる、廃材利用をするといった工夫が必要なのであり、田舎に移住したからすぐ物価が安くなるという幻想を抱いているのは都会の編集者くらいではなかろうか。もっと現場で調査してから企画を立ててもらいたいものである。

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