紙媒体とネットの共存

私たちが手がけている紙媒体の出版は、ピーク時の半分以下に落ち込んでいる。その最大の理由は、いうまでもなくインターネットの普及だ。電車の中で新聞や漫画を読んだり、ネットで調べものをするような行為は、スマホやタブレットでできるようになった。

私のまわりを見渡しても、コンテンツをネット配信する出版社が増えている。それ自体が利益を補完するものではないので、フリーランスの労働の犠牲の上に成り立っているケースが少なくない。紙だろうがネットだろうがやる作業は大して変わるわけではなく、同業者からはあちこちで不満の声が聞こえてくる。

ただ、紙媒体がネットとつながる技術もかなり向上している。つい最近、私も情報系の仕事を引き受けたが、ＱＲコードを印刷することで簡単にネットへ誘導できるようになった。スマホでは見づらいという欠点はあるとしても、いちいちＵＲＬを打ち込む手間が省ける。紙媒体が生き残るには、そういう共存も必要なのだろう。