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2022年05月08日09:48

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「別条なし」と「別状なし」

私も物書きの末端にいる以上、マスコミで使われている文字で気になるものはある。その1つが事故に関して頻繁に出てくる「べつじょうはない」だ。媒体によって「別条はない」と「別状はない」が混ざっている。新聞では前者が大多数を占めるのに対し、ネットでは後者のほうが4倍くらい多い。さらに、NHK用語辞典には「別状」しかないのである。

いずれも「命に関わることではない」という意味だが、字はまったく異なる。別状は変わった状態だろうからわかりやすいが、条とは何なのか。ちょっと調べてみたら、事柄=ことという意味らしい。例えば、「先般お申し越しの条、承知いたしました」といった慣用句がある。だからテレビでも別条の文字を見かけることは多い。

辞書でも統一はされておらず、両者を同じ言葉の表記のバリエーション扱いしているものもある。私は事件記者ではないので迷った経験はないが、こんなにいい加減なのかと驚いてしまった。ちなみに、「車をとめる」を私は短期的にとめる場合に「停める」、特定の場所に長くとめる場合に「駐める」と書き分けているが、某出版社の校閲部は「止まる」と赤字を入れてきた。それに従ってはいるものの、個人的に違和感は抜けない。

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