昨日、例年ならその場にいる聖光学院の姿がない、夏の高校野球福島大会の決勝戦がいわきグリーンスタジアムで行われた。光南VS日大東北。私はどちらを応援していたわけではないが、聖光学院を破って勝ち進んだ県立高の光南にややシンパシーを感じていたことは事実。光南のエース・星君は昔風の言い方をすればちぎっては投げるをテンポよく繰り返すサウスポーで、コントロールは抜群。一方の日大東北のエース・吉田君は軟投派だが、打ち気をそらすコンビネーションは見事だった。
試合は序盤に光南が3点を挙げ、日大東北がそれを小刻みに追い上げる展開で7回裏にとうとう逆転。この流れのまま進行するかと思いきや、9回表に光南のエースの星君が狙いすましたようなホームランをかっ飛ばす。この球場は両翼100mだが、右翼の上段まで届いたから、たぶん飛距離は120mはあっただろう。プチ大谷と言えるほどだ。でも、このホームランでも試合は決まらなかった。
日大東北にこれといった目立つ選手がいたわけではない。ただ、あえて言えば捕手が抜群の強肩。彼のプレーで光南のチャンスを摘んだ場面が何度かあった。高校野球は投手ばかりが注目されがちだが、優れた捕手が1人いるだけでもチーム力が変わってしまう。試合後に宗像監督がインタビューで、「もう言っていいね。実はこの夏で私は辞めることになっているんです。8月までこの選手たちと野球ができる」と嬉しそうに発言したのにはびっくり。陰でそういう物語もあったのだ。たぶん甲子園で勝ち進むのは難しいと思うが、こういう福島のチームもあるんだという意地を見せてほしいものだ。
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