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2021年03月05日11:40

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いまさら「分断」の違和感

3・11が近づくにつれて、原発事故関連の新聞記事を目にする機会が増えている。まあ、当然ではあるのだけど、古傷に触れれば避けられないのが分断の問題。福島県民にとって喉に突き刺さった棘のようなものだ。それも帰宅困難から自主避難まで多岐にわたるのだけれど、やはり大きいのはイチエフの賠償金の問題で、数多くの分断を生み出した。いまでもあちこちの被災地が提訴した判決がたびたび報道されており、福島県内でも温度差はある。

私たちが分断の深刻さを実感したのは、震災から3年後くらいだろうか。道路1本隔てただけで家を新築できるくらいの賠償をもらった人と、雀の涙だけの人。そこに引かれた分断の線は余りに大きく、当時ですら「3代経ないと解決しない」と言われた。新聞で広島・長崎でもいまだにそういうしこりが残っているということを知り、現実の厳しさを思い知らされたものだ。

SPEEDIなんていう存在すら知らなかった私たちは、原発から離れれば離れるほどリスクが少ないと信じ込んでいた。ところが、放射線プルームは気象条件で大きく左右され、高線量地域の浪江町津島のような悲劇を生んだ。福島の1つの象徴ではあるのだが、故郷を返せVS賠償金をもらった、という分断の記事をどれほど目にしたことだろう。福島県民にとっては「いまさら分断」であり、「時間で解決するしかない分断」でもあるのだ。無論、現在進行形の分断もある。意外に気付いていない記者も多いようだが。

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