葬式の風習で新しい発見

何度も書いてきたことだが、わが都路では１５年ほど前に新生活運動がスタート。これは葬式の場合は香典のお返しを辞退する代わりに、５０００円の香典だったら３０００円にする簡素化運動だ。当初は「前にもらっているからできない」「前に渡しているから返してもらわないと」話していた人たちも、この風習に慣れてきた。感覚的には８割くらいだろうか。群馬の婆ちゃんが亡くなったときにもやっていたから、全国の田舎で浸透しているものと思い込んでいた。

ところが、正安さんの葬式の帳場で「田村市でやっているのは都路だけ。船引や常葉の人は何それって言います」と聞いてビックリ。葬祭センターを運営する農協のおばさんに確認したら「その通りですよ。私たちは意味があるのかと思っていますけど」と言うので、「そりゃあ農協は損するからね」と返したら、「いやいや、そんなことは心配しないでください」とのこと。でも、香典袋には「新生活　船引町　○○○○」と書いてきた人もいた。都路だから香典も少なくていいか、ということなのだろうか（笑）。

新生活と似ているのだが、香典袋に「お返しは辞退します」というスタンプを押してきた人もいる。これは思想信条なのかなと首を傾げた。その農協の葬祭センターにも 「差重」という意味不明のスタンプがあった。意味を聞いたら、やっぱりお返しを辞退するというような意味なのだとか。念のためにネットで調べてみたが、そんなことはどこにも書いていない。略字だとは思うが、摩訶不思議な言葉だ。もしわかる人がいたら、教えていただきたい。